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STORES Tech Conf 2025 参加体験記

Last updated at Posted at 2025-12-01

自己紹介

普段は大学で情報系を学びながら、Laravel を使ったインターン経験を積んでいます。
MVC やクリーンアーキテクチャ寄りの実装に触れてきました。


なぜ参加したのか(動機)

  • STORES が スカラシップ枠 を募集していた
  • 宮城からサクッと応募して、「行ってみるか」くらいの気持ち
  • Laravel を使った開発経験があり、Rails の思想との違いを知りたかった
  • STORES には Ruby の OSS コミッターが 3人もいる
  • Rails や Ruby を 実際の大規模プロダクトでどう使いこなしているのか 気になった
  • Go など複数言語が混在しているので、どう整理しているのか知りたかった
  • 後輩にも良い経験をさせたくて一緒に参加
  • 技術だけでなく、レガシー改善・繁忙期対応・チームの戦い方など“現場のリアル”に興味があった

セッションまとめ(要約+感想)


一つの開発環境:shia

■ 要約

複数会社の統合により、使用言語もセットアップ方法もバラバラになっていた STORES の開発環境。
Docker の遅さや dependency の混乱、サービス間連携の複雑化などが増していた。

そこで STORES が選んだのは:

  • mise-en-place による統一管理
  • 環境変数・タスク・バージョン管理を一本化
  • Docker をやめて“全部ローカル実行”
  • ghq でレポジトリ階層を標準化
  • dev-stores-compose に集中管理して依存関係を一元化

最終的に「STORES の全サービスがローカルで動く」レベルの統一を達成。

■ 感想

Docker の遅さ・言語ごとのセットアップの違い・複数サービス起動の辛さ、全部わかる…
“統一開発環境” はやるとなったら壮大だし泥臭いけど、それをやり切った STORSE の組織力を感じた。

特に、

全部ローカルで動かせる状態にして、将来的には AI エージェントで開発をスケールさせたい

この思想が強烈だった。
これが現代のエンジニアリングなんだなと納得。


炎上プロジェクトで PR 数を10倍にした話(山下 隼人)

■ 要約

プロジェクトが炎上した背景と、EM(Engineering Manager)が介入して
PR 数を10倍にまで引き上げる ために行った施策の話。

  • ボトルネックの可視化
  • コミュニケーション構造の整理
  • 心理的安全性の担保
  • 優先順位を「技術」→「チーム」へ切り替え
  • エンジニアの動きやすさを徹底的に最適化

しかし、スピードと引き換えに「失ったもの」もあったというバランスの話が深かった。

■ 感想

心理的安全性の重要性がめちゃくちゃ刺さった。
技術は後から伸ばせるけど、チームがギスギスしたら終わり。
就活生・若手エンジニアとして大事な価値観を再確認した。


決済手段追加の舞台裏(島田 幸)

■ 要約

「ただ支払い手段を増やすだけ」では済まない決済領域の複雑さについて。

  • 売上計上
  • バッチ処理
  • 返金フロー
  • 外部決済サービスとの整合性
  • セキュリティ・トラブル対応

など、“普段見えない裏側” が山ほどあることが語られた。

■ 感想

決済って想像の20倍くらい複雑で、影響範囲もデカすぎる。
安全性・信頼性・整合性を担保しながら、UX を壊さずに進めるのは本当に尊敬。


調理場タブレット専用アプリの実装裏側(Kenta Enomoto)

■ 要約

STORES の飲食店向けモバイルオーダーで使われる、
“調理場専用タブレットアプリ” の開発ストーリー。

  • 現場ヒアリングの徹底
  • デバイス特性を踏まえた UI/UX
  • 混雑時に耐えるオフライン設計
  • 業務ログの最適化

■ 感想

現場の“熱”が直に伝わるセッションだった。
机上では絶対に出てこない課題が、飲食の現場には山ほどある。


巨大 CSV 出力と OutOfMemory を乗り越える(Satomi Nishiyama)

■ 要約

  • 巨大 CSV の出力で非同期処理がメモリを食い尽くす
  • Ruby の GC やメモリ特性と格闘
  • 処理の分割、メモリ開放ポイントの明確化
  • Sidekiq + S3 などを組み合わせて安全な出力基盤を確立

■ 感想

「CSV 出力」はどこでもある機能なのに、
規模が大きくなると一気に“インフラ領域”に踏み込むんだなと実感。


Railsで graphql-ruby を使い倒す(yubrot)

■ 要約

  • REST と GraphQL の違い
  • graphql-ruby の特性(利点 / 苦労点)
  • Rails と GraphQL を組み合わせた時の理想と現実
  • 組織横断での API 設計におけるメリデメ

■ 感想

Rails × GraphQL の経験談は貴重。
REST との対比もめちゃくちゃわかりやすかった。


ポスター展示やブースの感想

面白かったポスター

  • レガシー端末での STORES レジパフォーマンス改善
  • LGTM / Dependabot の運用
  • データ分析 Agent「Kepler」
  • イベント駆動で繋ぐ異なるサービス
  • 自動化の 5W1H

キーボードブースが沼すぎた

  • 分割キーボード
  • トラックボール付き自作
  • キーマップ紹介

最高。

プロダクト体験ブース

STORES レジを実際に触れたけど UX が本当に素晴らしい。
現場で動くサービスはこうあるべきという感想しかない。

ノベルティ

  • STORES 利用店舗のお菓子いろいろ
  • confロゴ入りモナカ(最高!!!!!)
  • バッグ
  • クリアファイル
  • シール

ランチ会 & 懇親会

ランチ会(スカラシップ)

  • Kotlin 大好き学生の思想が強すぎて最高
  • 「機械学習も Kotlin の方が良くね?」は笑った
  • vimmer もいた
  • IOSDC の選考でお世話になった STORES 社員さんとも再会

懇親会

学生中心に交流。

  • 個人開発
  • 就活
  • メガベンチャーが見てるポイント
  • 自分の強み・弱みの棚卸し

めちゃくちゃ濃い時間だった。


学び・気づき

Rails vs Laravel

どちらも良い。
ただし、用途は違うかもしれない。

  • 大規模・長期 → Laravel + クリーンアーキテクチャ
  • スピード・シンプルさ → Rails

という“なんとなくの理解”が生まれた。

設計についての好み

  • 役割がディレクトリ階層ではっきりする方が好き
  • 依存関係が分離されている方が覚えやすい
  • 巨大でも“構造化”されてると理解が速い

チーム開発で一番大事なのは心理的安全性

セッションでも繰り返し語られていた。
技術よりまず “人と空気”。


総評:満足すぎた

技術・プロダクト・文化・交流、どれも濃くて楽しくて最高の一日だった。
スカラシップで参加できて本当に良かった。


参考リンク

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