自己紹介
普段は大学で情報系を学びながら、Laravel を使ったインターン経験を積んでいます。
MVC やクリーンアーキテクチャ寄りの実装に触れてきました。
なぜ参加したのか(動機)
- STORES が スカラシップ枠 を募集していた
- 宮城からサクッと応募して、「行ってみるか」くらいの気持ち
- Laravel を使った開発経験があり、Rails の思想との違いを知りたかった
- STORES には Ruby の OSS コミッターが 3人もいる
- Rails や Ruby を 実際の大規模プロダクトでどう使いこなしているのか 気になった
- Go など複数言語が混在しているので、どう整理しているのか知りたかった
- 後輩にも良い経験をさせたくて一緒に参加
- 技術だけでなく、レガシー改善・繁忙期対応・チームの戦い方など“現場のリアル”に興味があった
セッションまとめ(要約+感想)
一つの開発環境:shia
■ 要約
複数会社の統合により、使用言語もセットアップ方法もバラバラになっていた STORES の開発環境。
Docker の遅さや dependency の混乱、サービス間連携の複雑化などが増していた。
そこで STORES が選んだのは:
- mise-en-place による統一管理
- 環境変数・タスク・バージョン管理を一本化
- Docker をやめて“全部ローカル実行”
- ghq でレポジトリ階層を標準化
- dev-stores-compose に集中管理して依存関係を一元化
最終的に「STORES の全サービスがローカルで動く」レベルの統一を達成。
■ 感想
Docker の遅さ・言語ごとのセットアップの違い・複数サービス起動の辛さ、全部わかる…
“統一開発環境” はやるとなったら壮大だし泥臭いけど、それをやり切った STORSE の組織力を感じた。
特に、
全部ローカルで動かせる状態にして、将来的には AI エージェントで開発をスケールさせたい
この思想が強烈だった。
これが現代のエンジニアリングなんだなと納得。
炎上プロジェクトで PR 数を10倍にした話(山下 隼人)
■ 要約
プロジェクトが炎上した背景と、EM(Engineering Manager)が介入して
PR 数を10倍にまで引き上げる ために行った施策の話。
- ボトルネックの可視化
- コミュニケーション構造の整理
- 心理的安全性の担保
- 優先順位を「技術」→「チーム」へ切り替え
- エンジニアの動きやすさを徹底的に最適化
しかし、スピードと引き換えに「失ったもの」もあったというバランスの話が深かった。
■ 感想
心理的安全性の重要性がめちゃくちゃ刺さった。
技術は後から伸ばせるけど、チームがギスギスしたら終わり。
就活生・若手エンジニアとして大事な価値観を再確認した。
決済手段追加の舞台裏(島田 幸)
■ 要約
「ただ支払い手段を増やすだけ」では済まない決済領域の複雑さについて。
- 売上計上
- バッチ処理
- 返金フロー
- 外部決済サービスとの整合性
- セキュリティ・トラブル対応
など、“普段見えない裏側” が山ほどあることが語られた。
■ 感想
決済って想像の20倍くらい複雑で、影響範囲もデカすぎる。
安全性・信頼性・整合性を担保しながら、UX を壊さずに進めるのは本当に尊敬。
調理場タブレット専用アプリの実装裏側(Kenta Enomoto)
■ 要約
STORES の飲食店向けモバイルオーダーで使われる、
“調理場専用タブレットアプリ” の開発ストーリー。
- 現場ヒアリングの徹底
- デバイス特性を踏まえた UI/UX
- 混雑時に耐えるオフライン設計
- 業務ログの最適化
■ 感想
現場の“熱”が直に伝わるセッションだった。
机上では絶対に出てこない課題が、飲食の現場には山ほどある。
巨大 CSV 出力と OutOfMemory を乗り越える(Satomi Nishiyama)
■ 要約
- 巨大 CSV の出力で非同期処理がメモリを食い尽くす
- Ruby の GC やメモリ特性と格闘
- 処理の分割、メモリ開放ポイントの明確化
- Sidekiq + S3 などを組み合わせて安全な出力基盤を確立
■ 感想
「CSV 出力」はどこでもある機能なのに、
規模が大きくなると一気に“インフラ領域”に踏み込むんだなと実感。
Railsで graphql-ruby を使い倒す(yubrot)
■ 要約
- REST と GraphQL の違い
- graphql-ruby の特性(利点 / 苦労点)
- Rails と GraphQL を組み合わせた時の理想と現実
- 組織横断での API 設計におけるメリデメ
■ 感想
Rails × GraphQL の経験談は貴重。
REST との対比もめちゃくちゃわかりやすかった。
ポスター展示やブースの感想
面白かったポスター
- レガシー端末での STORES レジパフォーマンス改善
- LGTM / Dependabot の運用
- データ分析 Agent「Kepler」
- イベント駆動で繋ぐ異なるサービス
- 自動化の 5W1H
キーボードブースが沼すぎた
- 分割キーボード
- トラックボール付き自作
- キーマップ紹介
最高。
プロダクト体験ブース
STORES レジを実際に触れたけど UX が本当に素晴らしい。
現場で動くサービスはこうあるべきという感想しかない。
ノベルティ
- STORES 利用店舗のお菓子いろいろ
- confロゴ入りモナカ(最高!!!!!)
- バッグ
- クリアファイル
- シール
ランチ会 & 懇親会
ランチ会(スカラシップ)
- Kotlin 大好き学生の思想が強すぎて最高
- 「機械学習も Kotlin の方が良くね?」は笑った
- vimmer もいた
- IOSDC の選考でお世話になった STORES 社員さんとも再会
懇親会
学生中心に交流。
- 個人開発
- 就活
- メガベンチャーが見てるポイント
- 自分の強み・弱みの棚卸し
めちゃくちゃ濃い時間だった。
学び・気づき
Rails vs Laravel
どちらも良い。
ただし、用途は違うかもしれない。
- 大規模・長期 → Laravel + クリーンアーキテクチャ
- スピード・シンプルさ → Rails
という“なんとなくの理解”が生まれた。
設計についての好み
- 役割がディレクトリ階層ではっきりする方が好き
- 依存関係が分離されている方が覚えやすい
- 巨大でも“構造化”されてると理解が速い
チーム開発で一番大事なのは心理的安全性
セッションでも繰り返し語られていた。
技術よりまず “人と空気”。
総評:満足すぎた
技術・プロダクト・文化・交流、どれも濃くて楽しくて最高の一日だった。
スカラシップで参加できて本当に良かった。
参考リンク
- STORES Tech Conf 2025 公式
https://storesinc.tech/conf/2025 - STORES Tech(X)
https://x.com/storesinc_tech