はじめに
この記事、 RICORA Advent Calendar 2022 13日目です。
こんにちは、さぶろくです。
2022年の11/20に統計検定1級を受けてきたので、そのことについて話していこうと思います。
受けた科目は「統計数理」、「統計応用(理工)」の2つです。
まだ結果は出ていないのですが、当時の状態や受けた感想についてまとめてみました。
動機
動機は、統計検定1級を通して数理統計学の復習をしようと思ったことからです。
受験科目の1つである統計数理は、出題範囲に数理統計を含んでいます。
また、どうせ受けるなら合格を狙おうということで、統計応用も受けました。
当時は、応用分野の教養を深める良い機会になるだろうと思っていました。
さらに、B4になると卒論の時期で対策の時間をとるのが厳しいので、B3のうちに受けておこうと思ったことも理由の1つです。
受ける前の状態
所属は東京理科大学の情報科学科で学年はB3です。
確率論を友人含めて3人で輪講したり、趣味でベイズや時系列分析を勉強しています。
統計検定を受けるのは2回目で、2級を持っています。
数理統計については、B2のころに大学の授業で確率分布、推定、検定、線形回帰をひととおり勉強したことがあるのと、学術図書出版社の現代数理統計学を4章まで読んでいました。
また、その他の読んだことがある本は以下です。
(個人的に気に入った本だけ載せています。)
対策
対策を始めたのは、3カ月前くらいです。
主に使っていた本は、共立出版の現代数理統計学の基礎です。
演習問題は4章((*)がついてる問題を除く)まで解いて、本文は8章まで読みました。
演習問題については、簡単な問題はそこそこあるのですが、解きなれていないような問題がいくつかあり、とくに4章の変数変換の問題は苦戦しました。
本文は、「確率分布」,「確率変数・分布の収束」,「推定論」,「検定論」に分けて、それぞれをノートでまとめながら読みました。
試験まで3週間を切ったあたりで、過去問を解き始めました。
統計数理は2016~2019, 2021の問題を時間を計って解いて、統計応用は2015~2019, 2021の問題を「寿命・故障」、「実験計画法」、「時系列解析」やその他を単元別に解きました。
統計数理は現代数理統計学の基礎を読めば、5題中3つは解ける問題があると思います。
また、統計応用のいくつかの分野を統計学実践ワークブックを読んで勉強しました。
勉強方法については、以下の記事を参考にしました。
試験後の感触
出た問題については、あまり触れないように試験後の感触ついて話します。
統計数理に関しては、例年とは大分傾向が変わっており、愚直に計算する問題が多かった印象です。
さまざまな記事でも話されていることですが、「確率分布」に習熟することの重要性を試験を通して気づきました。
統計数理は変な計算ミスがない限りは合格かなという感じです。
統計応用に関しては、そもそも傾向というものがないので、例年とは異なっていました。
(問題の内容をi.i.d系列にしてるのかな...?)
問題がかなり統計数理によっている印象で、統計応用っぽさはあまりなかったです。
統計応用は試験中に色々とミスを繰り返してしまったので、多分不合格かなという感じです。
反省点
1つ目は、過去問を解くのが遅すぎたということです。
まずは、統計数理について話しましょう。
僕が試験3週間前に過去問を解いてて思ったことが、「あれ、試験対策を始める前の状態でもこれなら合格点取れるな。」でした。
合格について考えるだけであれば、正直統計数理の対策にここまで時間をかけたのは失敗だったかなと思いますが、数理統計の復習をすることが主な目的だったので、これについては仕方なかったです。
統計応用は3カ月前くらいから、過去問を解くのが良かったと、3週間前に気づきました....
統計数理を体系的に一度勉強したことのある人であれば、一度過去問を解いてから対策を始めたほうが良いです。
範囲が膨大なので、過去問を解いた後に解きやすいと思った分野の教科書を読むと効率よく勉強できるかと思います。
2つ目は、そもそも受ける科目を統計数理のみにすべきだったということです。
何度も言いますが、僕が統計検定1級を受ける目的は数理統計を復習することでした。
統計応用は名前の通り、統計学の応用的な分野に習熟していることが求められます。
習熟していない状態で受けてしまうと、僕のように対策時間をあまり取れなかった場合、統計応用のためだけの勉強しかできなくなってしまいます。
資格を取るためだけに勉強をすることを否定しているわけではないのですが、僕の場合、統計学の応用分野の教養をついでに深めたいと思って受けたので、その目的に対して統計応用を受けることは適切でなかったです。
最後に
以上で当記事は終わりです。
統計検定1級は非常に魅力的な資格かと思いますが、受ける際にはある程度時間との相談が必要だと思います。
11月は自主ゼミの担当、研究室の輪講、学校の中間テスト・レポート、チーム開発を抱えていたので非常に忙しかったです。それと、統計応用の対策がうまくいっていなかったことからも、精神を非常にすり減らしていました。
ある程度余裕がある時でもタスクを詰め込んで、自分のキャパシティを広げることを日常的にすることが大切だったなと今回の試験で気づきました。
他にも色々と思うことはありますが、とりあえず年末まで結果を待つだけですね。