クラウドは“遠くにあるPC”。まずはここから。やることの基本は、手元のPCとほとんど同じです。ただし、クラウドには便利な専用サービスがあり、運用を楽にしてくれます。
なぜPCと同じ発想で考えられるのか
- アプリを入れて、設定して、起動して、外からアクセスできるようにする。この流れはどこでも同じ。
- 中で動くのはOSとプロセス。ネットワークも結局は“ポートを開いて通す”という話。
まずは「入れる→起動→外に開ける→確認」の型を身につける。
手元のPCとクラウドの違いは“前後の管理”だけ
- 電源や場所はクラウド側が面倒を見る。停止や再起動もAPIで。
- アクセス制御は画面やAPIで宣言的に行う(例: セキュリティ設定で 80/443 を許可)。
- 誰が触れるか、どれだけ使ったかを管理する(権限と課金)。
この“前後”が違って見えるだけで、アプリが動く原理は同じです。
具体例でイメージを固める
- 手元のPC(ローカル)
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アプリを入れる
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起動する
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クラウド
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アプリを入れる
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起動する
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セキュリティ設定で 80/443 を許可
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やっている本質は「外から来たリクエストをアプリに届ける」こと。
ここからがクラウドの“おいしいところ”
基本の型がわかったら、必要に応じて“便利な部品”を足せます。これがクラウド固有のサービスです。
- 生成AIを簡単に使いたい
- AWS Bedrock や GCP Vertex AI なら、学習済みモデルをAPIで呼び出せる。
- サーバーを常時立てたくない、小さな処理をイベントで動かしたい
- AWS Lambda や GCP Cloud Functions で“関数だけ”実行できる。
- ファイルや画像を安全に保管したい
- AWS S3 や GCP Cloud Storage は“壊れにくい物置”。静的サイト公開も簡単。
- データベースの運用を軽くしたい
- AWS RDS や GCP Cloud SQL は、バックアップやパッチ適用などを肩代わり。
ポイントは、“原理は同じまま、運用の手間をサービスに任せられる”こと。
最初に覚える3つだけ(再掲)
- アプリを入れて動かす
- 外からの入り口を許可する
- 動いているかを確認する(ブラウザやログ)
この型が身につけば、固有サービスは“必要なものから少しずつ”で十分です。
まとめ
- クラウドは“遠くのPC”。基本の手順はPCと変わらない。
- 違って見えるのは前後の管理(権限、課金、宣言的なネットワーク設定)。
- 便利な固有サービスは、原理を変えずに運用を軽くする“部品”。目的に合わせて選べばよい。
はじめはシンプルに。入れる→起動→外に開ける→確認。そこに必要な部品を足していけば、自然と“クラウドらしい”構成になる。