クリスマスといえばお星様ということで
クリスマスのデコレーションにはお星様がお約束でついてます。「ベツレヘムの星」がキリストの生誕を知らせ、東方の三博士をベツレヘムに導いたとかなんとかで、クリスマスと星は円が深いのです。まぁその「ベツレヘムの星」自体はなんの星だかわかってない伝承上の星なので天体観測の対象とはならないのですが。
今年年末はレナード彗星が接近して、肉眼は無理でも双眼鏡ぐらいなら見られる感じのようです。といっても現時点で私は天気やらなにやらでまだ見られてないのですが。
そんなわけで、クリスマス…は過ぎてしまいましたが天体観測ネタということで、FreeBSDでも使えるプラネタリウムソフト「 Stellarium 」で、彗星の位置を調べたり、望遠鏡を制御したり出来ますよというネタを書きたいと思います。
StellariumはWin/Mac/Linux でも動くので FreeBSD でなくてもいいのですが、望遠鏡制御まで FreeBSD で動きますよという情報を一応書いておこうということで記事化に踏み切りました。
インストール
インストールは簡単で、pkg にすでにあるので pkg install するだけです。
# pkg install stellarium
コマンドはそのままstellariumで、ターミナルから実行も出来ますし、.desktop ファイルが
/usr/local/share/applications/org.stellarium.Stellarium.desktop
にインストールされるので、デスクトップ環境ならば「教育」や「科学」や「天文」のカテゴリーでメニューに追加されてると思います(Xfce4 では「教育」でした)。
#操作メニュー
起動するとプラネタリウム画面(星空と地上)がウィンドウいっぱいに表示され、操作用のメニューは基本隠れています。マウスカーソルを下端や左端に持っていくと、メニューが表示されます。またキーボード操作で設定画面を呼び出すこともできますので、なれてくるとそちらのほうが楽でしょう。
まずは位置を設定する
「現在位置(F6キー)」で観測する位置を設定します。スマホのセンサーで GPS で緯度経度情報を取得していれるか、関東地方とかなら Tokyo に指定するのでも大雑把な位置把握には使えるでしょう。
彗星を探す
位置設定すると、現在時刻の空の様子(昼間なら星空ではなく太陽輝く草原)が表示されます。
「日付と時刻(F5キー)」で、時刻を変更すると、見たい時刻の星空を設定できます。「現在時刻に設定(8キー)」で現在時刻のリアルタイム画面に戻れます。
初期画面は星座が表示されないので、「星座線(Cキー)」や「星座名(Vキー)」で星座を表示させたほうがわかりやすいと思います。
普通にインストールされた状態で、多くの天体の情報が入っていて、「検索画面」(F3キー)で探すことが出来ますが、彗星や小惑星のような新たに発見され続けている天体は入っていません。
しかし、軌道情報を新たにインストールすることは可能です。やってみましょう。
まずは「設定画面(F2キー)」で環境設定ダイアログを開きます。「プラグイン」タブの「太陽系エディター」という壮大な名前のメニューを選択します。
「太陽系小天体」ダイアログで「太陽系天体」タブを選択します。「MPCフォーマットで軌道要素を取得」ボタンを押します。
「データ取得」ダイアログで「天体の種類」として「彗星」を選択します。「配布元の選択」で「ブックマークリストから選択」で選べるどれか(レナード彗星はどれでも入っています)を選択し、「軌道要素を取得」ボタンを押します。
「天体が見つかりました」ダイアログで「C/2021 A1(Leonard)」をチェックし、「天体の追加」で彗星情報の追加完了です。
実際の星空のどこにあるかは、「検索画面」(F3キー)」の「天体」タブで「C/2021 A1(Leonard)」を入力(全部打たなくてもC/2021まで打てば選択肢は絞られます)し、項目をクリックすれば、星空画面で位置を指し示します。
12月下旬の今は夕方の西の空低空で探せば見られるようです。
このように、めぼしい彗星を調べたい場合は、対象を追加することができます。
望遠鏡(赤道儀)の制御
望遠鏡操作で難しいのは、正しく望遠鏡を天体へ向けることです。でかい望遠鏡の脇についている小さな望遠鏡(ファインダー)で位置を合わせるのが基本ですが、暗い星やそもそもファインダーで見えない星は合わせるのは困難です。星空を熟知しているベテランさんはそれでも簡単に天体を導入出来るのですが、私はまだまだそんな領域には達してません。
そんなへなちょこ天文ファンでも楽に天体の導入が可能にしてくれるのが望遠鏡の「自動導入」システムです。
実際には望遠鏡と言うか望遠鏡を支える赤道儀(星空の動きに合わせて望遠鏡を動かせる台)や経緯台(上下左右に自由に動かせる台)にモーターが仕込んであって、見たい天体をコントローラーで入力すると望遠鏡がそちらに向いてくれると言うものです。
これがあればだいぶ天体の導入が楽になるのですが、コントローラーの UI は結構しょぼかったりで操作が面倒です。
Stellarium には「望遠鏡のガイド」のプラグインが入っています。対応している赤道儀や経緯台ならば Stellarium で天体を指定すると、望遠鏡が動いてくれるというハイテクな事が出きるようになります。
私が使っている Celestronの Advanced VX という赤道儀は、この「望遠鏡のガイド」に対応しています。
接続方法は、コントローラーに MiniUSB(Microではない)のポートがあるので、PCと USB接続します。
接続すると、コントローラーはシリアルポート(/dev/cuaU0)として認識されるので、それを設定画面で指定して、「デバイスモデル」を「Celestron Nextar(Compatible)」 を指定してあげればPC側は設定完了です。
Stellariumで望遠鏡を操作している所。
特に意味なくM41 散開星団を導入。
とりあえず技術がないので記念写真程度の天文写真
別に FreeBSD でなくてもいいですが
若干無理やり感がありますが、こんな使い方も出来ますよという紹介でした。