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SESエンジニアが成長するために捨てたい7つの習慣

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Last updated at Posted at 2026-08-08

はじめに

SESの現場で成長するには、新しい技術を覚えることも大切です。
ただ、それだけでは評価されにくい場面があります。

  • 指示の背景を考えずに作業してしまう
  • 分からないことを分かったふりで進めてしまう
  • 自分の成果だけを守ろうとして、チームに情報が残らない
  • 連絡や会議に振り回されて、肝心の作業が進まない

こうした習慣は、本人の能力が低いから起きるというより、現場で働くうちに無意識につきやすいものです。

この記事では、SESエンジニアが成長するために捨てたい7つの習慣と、代わりに身につけたい行動を整理します。

この記事でわかること

  • SES現場で成長を止めやすい7つの習慣
  • それぞれを現場でどう置き換えるか
  • 報告、相談、レビュー、割り込み対応で使える具体例
  • 若手エンジニアやリーダーが共通ルールにしやすいチェックリスト

先に結論

捨てたいのは、努力そのものではありません。
成長につながらない方向へ力を使ってしまう習慣です。

捨てたい習慣 置き換えたい行動
現場の常識を鵜呑みにする 事実、推測、意見を分けて確認する
できるエンジニアに見せようとする 分からないことを正直に伝え、早く確認する
最初から効率だけを求める まず基本を一度自分で通し、あとから効率化する
自分だけが得をしようとする 調査結果や手順をチームが使える形で残す
資格、年数、単価でマウントする 解決した課題と残した成果物で説明する
成長を止める考え方に流される 尊敬できる行動を基準にする
すべての連絡に反射的に反応する 緊急度を分け、決定事項を記録する

SESの仕事で長く評価される人は、派手に見せる人とは限りません。
事実を確認し、周囲が判断しやすい情報を渡し、信頼を積み上げる人です。

前提

  • 対象読者: SES現場に参画する新人、若手、経験を整理したいエンジニア
  • 想定場面: 開発、インフラ、運用保守、テスト、設計書作成、手順書作成
  • 扱う範囲: 現場での行動、報告、相談、学習姿勢、チーム貢献
  • 扱わない範囲: 契約交渉、単価交渉、労務問題、法務判断
  • 確認日: 2026-08-08

この記事では、SESを「外部の開発・インフラ現場に参画し、チームの一員として成果物を作る働き方」として扱います。
現場ごとのルール、顧客ルール、セキュリティルールがある場合は、そちらを優先してください。

用語の短い説明

用語 短い説明
SES システムエンジニアリングサービスの略。この記事では、客先や外部チームに参画して技術支援を行う働き方として扱う
チケット 作業内容、担当者、期限、進捗、判断履歴を残すための管理単位
レビュー 成果物が目的、仕様、安全性、運用に合っているか確認する作業
エスカレーション 自分だけで判断せず、上長、リーダー、責任者へ状況を上げること
マウント 経験や立場を使って、自分を必要以上に上に見せようとする態度

成長を止める習慣は行動に出る

習慣は、気合いだけでは直しにくいです。
そのため、まず「どんな行動として現場に出るか」を見えるようにします。

良い習慣なら、信頼と成長機会が増えます。
悪い習慣なら、本人は頑張っているつもりでも、任される仕事が広がりにくくなります。

1. 「現場ではこうするものだ」と鵜呑みにする習慣を捨てる

現場では、次のような言葉を聞くことがあります。

  • 前の人もこうしていた
  • この現場では昔からこのやり方
  • 先輩がそう言っていた

過去の経緯を尊重することは大切です。
ただし、理由を理解せずに受け入れることと、根拠を確認したうえで従うことは違います。

置き換えたい行動

まず、意見ではなく事実を確認します。

確認するもの 見る理由
設計書 本来どう作る想定だったかを確認する
ログ 実際に何が起きたかを確認する
操作履歴 誰が、いつ、どの操作をしたかを確認する
チケット 判断や変更の経緯を確認する
議事録 合意した内容と未決事項を確認する

障害調査やお客様への報告では、推測を事実のように伝えないことが重要です。

現場での言い換え例

NG:
たぶん、前回と同じ原因だと思います。

OK:
前回と似たエラーが出ています。
ただし、まだログと変更履歴を確認中のため、原因は確定していません。
15時までに確認した事実と推測を分けて共有します。

自分で考えるとは、好き勝手に判断することではありません。
事実を確認し、根拠を持って結論を出すことです。

2. 「できるエンジニアに見せる」習慣を捨てる

優秀に見せようとして、分からないことを分かったふりで進める。
難しい言葉で相手を納得させようとする。
自分の意見が絶対に正しいように話す。

こうした態度は、一時的には仕事ができるように見えるかもしれません。
しかし、長期的には信用を失いやすいです。

置き換えたい行動

現場で信頼されるのは、偉そうな人ではなく、誠実な人です。

  • 分からないことを「確認します」と言える
  • 自分のミスを早めに報告できる
  • 指摘を受けたら、まず内容を理解しようとする
  • お客様や他社メンバーにも丁寧に接する
  • 後輩や立場の弱い人にも態度を変えない

相談テンプレート

consultation-template.md
## 結論
<!-- 何を確認したいかを先に書く -->
○○の設定値について確認したいです。

## 状況
<!-- どこまで進んでいるかを書く -->
手順書の△△までは完了しています。

## 止まっている点
<!-- 判断できない理由を書く -->
□□の設定値が既存環境と異なっており、判断できず止まっています。

## 自分の仮説
<!-- 丸投げにせず、現時点の考えを書く -->
既存環境に合わせてAを使う認識ですが、影響範囲に不安があります。

## 確認したいこと
<!-- 相手が答えやすい形にする -->
Aで進めてよいか、またはBに合わせるべきか確認したいです。

「できるように見せる」のではなく、できるようになるために素直に動く。
その方が、結果的に周囲から教えてもらいやすくなります。

3. 最初から効率よく成長しようとする習慣を捨てる

効率化は大切です。
しかし、基本を理解する前に効率だけを求めると、表面的な知識で止まりやすくなります。

  • 最短で覚えたい
  • 楽に資格を取りたい
  • AIに作ってもらえば、自分で調べなくてもよい
  • サンプルコードをコピーすれば、とりあえず動く

この考え方だけだと、うまくいかなかったときに説明できません。

置き換えたい行動

最初は地道に、次の流れを一度通します。

段階 やること 残すもの
読む 設計書、手順書、公式ドキュメントを読む 分からない用語メモ
動かす 検証環境で手を動かす 実行コマンド、設定値
調べる エラーやログを確認する 原因候補、確認結果
直す レビュー指摘を反映する 修正理由、差分
共有する 再利用できる形でまとめる 手順書、チェックリスト

AIを使う場合も同じです。
AIの出力を確認できなければ、効率化ではなく責任の放棄になります。

AIが出したコード、設定、説明は、必ず自分で確認します。
特に本番環境、権限、料金、個人情報、顧客情報に関わる内容は、公式情報や現場ルールと照合してください。

4. 自分だけが得をしようとする習慣を捨てる

自分の評価だけを上げようとする。
難しい作業を他の人に押しつける。
知っている情報を共有しない。
うまくいったときは自分の成果にして、問題が起きたときは他人の責任にする。

この働き方では、長期的な信用は得にくいです。

置き換えたい行動

チームやお客様に返せるものを考えます。

  • 調査結果を他の人が再利用できる形で残す
  • 自分がつまずいた点を手順書に追記する
  • 困っているメンバーを可能な範囲で助ける
  • レビューを受けたら、自分も他の人のレビューに協力する
  • 担当外でも、見つけた問題は適切な相手に共有する
  • 判断の根拠をチケットや議事録に残す

ただし、何でも引き受けて疲弊するという意味ではありません。
無理な依頼や役割を超える作業は、上司やリーダーに相談して構いません。

手順書へ追記するときの例

operation-note.md
## 補足: ログインできない場合の確認

<!-- 次に同じ作業をする人が迷わないように、確認順を残す -->
1. VPNに接続しているか確認する。
2. 接続先URLが本番用ではなく検証用になっているか確認する。
3. 権限が不足している場合は、作業チケットにエラー画面を添付してリーダーへ相談する。

<!-- 秘密情報は残さない -->
パスワード、アクセストークン、個人情報は手順書に書かない。

「これをやったら自分に何が返ってくるか」だけで判断しない。
すぐに評価へ返ってこなくても、周囲は行動を見ています。

5. 資格、経験年数、単価、案件名でマウントする習慣を捨てる

SESでは、次のようなもので自分を大きく見せたくなることがあります。

  • 経験年数
  • 保有資格
  • 使用できる技術の数
  • 参画した有名案件
  • 月額単価
  • 役職
  • リーダー経験
  • 関わったシステムの規模

これらは、実力を説明する材料にはなります。
しかし、それ自体が仕事の価値ではありません。

置き換えたい行動

現場で評価されるのは、肩書よりも成果の説明です。

大きく見せる言い方 伝わりやすい言い方
AWS資格を持っています VPC、EC2、IAMの基本構成を説明し、検証環境で構築できます
大規模案件にいました その中で、○○機能のテスト設計と障害調査を担当しました
単価が高いです 期待されている役割、成果物、調整範囲を説明できます
リーダー経験があります 進捗管理、レビュー調整、課題整理を担当しました

資格、年数、単価は入口です。
最終的には、どの課題を解決したか、どのリスクを防いだか、誰が使える成果物を残したかで見られます。

6. 成長を止める考え方に流される習慣を捨てる

現場には、いろいろな考え方の人がいます。

  • 言われたことだけやればよい
  • バレなければ問題ない
  • 分からなくても分かったふりをすればよい
  • お客様のせいにすればよい
  • 契約が終われば関係ない
  • 最低限だけ働けばよい
  • 技術だけあればコミュニケーションは不要

こうした考え方に流されると、自分の成長も止まります。

置き換えたい行動

誰を学びの基準にするかを慎重に選びます。
人をランクづけするのではなく、行動を見ます。

見るポイント 良い行動の例
根拠 事実、推測、意見を分けて説明している
透明性 ミスやリスクを隠さず共有している
再現性 誰でも使える手順や記録を残している
顧客視点 自分の作業だけでなく、相手の判断しやすさを考えている
学習姿勢 新しい技術や現場ルールを学び続けている
公平さ 他人の成果も正当に評価している

愚痴や言い訳に引っ張られすぎず、自分が目指したいエンジニアの基準を持つことが大切です。

7. すべての連絡に反射的に反応する習慣を捨てる

電話やチャットを無視してよい、という話ではありません。
障害対応、緊急連絡、当番対応など、すぐに反応すべき場面はあります。

捨てたいのは、すべての割り込みに反射的に反応して、作業の軸を失う習慣です。

置き換えたい行動

緊急度を分けて、記録を残します。

連絡の種類 対応
障害、セキュリティ、本番影響 すぐに反応し、必要ならエスカレーションする
期限に影響する依頼 現在作業との優先順位を確認する
調査依頼 いつまでに確認するかを返す
雑談、急ぎでない相談 集中作業の区切りで返す
電話で決まったこと 必ずチャットやチケットに要点を残す

割り込み対応のフロー

連絡を無視するのではなく、連絡に振り回されない働き方を身につけます。

7つの習慣を現場ルールに落とす

個人の意識だけに任せると、忙しいときに元の習慣へ戻りやすいです。
チームや会社のルールとして、次のように決めておくと動きやすくなります。

ルール 目的
30分調べても進まなければ相談する 一人で抱え込みすぎない
報告は「事実、影響、対応、次の報告時間」で出す 相手が判断しやすくする
完成度30%で方向性を確認する 大きな手戻りを減らす
指摘はチケットやレビュー記録に残す 言った、言わないを防ぐ
電話後は決定事項をテキスト化する 認識違いを防ぐ
AI出力は公式情報や現場ルールと照合する 未検証のまま使わない
秘密情報はチャットや記事に書かない セキュリティ事故を防ぐ

初動報告テンプレート

incident-first-report.md
## 何が起きたか
<!-- 事実だけを書く。推測は分ける -->
○○作業中に△△エラーが発生しています。

## 影響範囲
<!-- 分かっている範囲と未確認範囲を分ける -->
現時点で確認できている影響は□□です。
それ以外の影響は確認中です。

## 現在の対応
<!-- 勝手に復旧作業を進めていないかも分かるようにする -->
作業を一度停止し、ログと直近の変更履歴を確認しています。

## 次の報告時間
<!-- 相手が待てるように、次回共有時刻を書く -->
15時までに調査状況を再度共有します。

## 判断してほしいこと
<!-- リーダーやお客様に判断が必要なことを書く -->
復旧作業へ進む前に、対応方針の確認をお願いします。

このテンプレートは、障害対応だけでなく、納期遅延、手順ミス、作業中断にも使えます。

まとめ

SESエンジニアが成長するために捨てたい習慣は、次の7つです。

  1. 現場の常識を鵜呑みにする
  2. できるエンジニアに見せようとする
  3. 最初から楽に、最短で成長しようとする
  4. 自分だけが得をしようとする
  5. 資格、経験年数、単価、案件名でマウントする
  6. 成長を止める考え方に流される
  7. すべての連絡に反射的に反応する

大事なのは、完璧な人になることではありません。
事実を確認し、分からないことを早めに共有し、周囲が仕事をしやすくなる行動を積み上げることです。

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参考・確認先

  • 確認日: 2026-08-08
  • この記事は、SES現場での行動ルールを一般化した内容です。特定サービスの料金、API仕様、クラウド制限値は扱っていません。
  • 技術仕様や顧客ルールが関わる場合は、各現場の手順書、契約上の公開範囲、公式ドキュメントを優先してください。

おわりに

成長を邪魔する習慣は、本人の性格だけで決まるものではありません。
現場で使える型を持っておくと、迷ったときに戻る場所ができます。

Wealthy Designでは、エンジニアが現場で安心して力を出せるように、技術教育と現場での動き方の言語化にも取り組んでいます。

会社の取り組みは、会社サイトにまとめています。
https://wealthy-design.com/

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