はじめに
Oracle Cloud では、自律的データベース Autonomous Database(ADB) があり、ADB には ローコード開発プラットフォームの Oracle APEX が標準で付属しています。ADB上の APEX では、デフォルトで、Oracle APEXのアップグレードは、リージョンでリリースされるとすぐにAutonomous Databaseによって適用されます。これは、ユーザーにとって、絶えず最新の APEX を利用できることはメリットだと思いますが、なかには、ユーザーのタイミング(閑散期)等で APEX をアップグレードしたい場合もあるかと思います。今回は、ユーザーのタイミングで APEX をアップグレードする方法をご紹介します。
1.APEX のアップグレードの延期を設定
APEX の管理コンソールにログインし、画面右下の歯車のアップグレード・リファレンスの設定ボタンをクリックして、アップグレード・ウィンドウ(延期期間)を 45日 か 90日 を選択します。
アップグレード・ウィンドウが選択され、更新が使用可能な場合は、「使用可能な更新」ダイアログに示された日付に、Oracle APEX更新がAutonomous Databaseインスタンスに自動的に適用されます。 リストされた日付を超えて更新を延期することはできません。
リージョンで新しいOracle APEXリリースが使用可能になった時点でAutonomous Databaseが停止した場合、アップグレード・ウィンドウの設定に関係なく、次回データベースを起動したときに更新が自動的に適用されます。
アップグレード・ウィンドウ設定を変更すると、変更は将来のアップグレードに適用され、Autonomous Databaseですでに使用可能なOracle APEXアップグレードには影響しません。
詳しい設定方法のマニュアルはOracle APEXアップグレードの延期を参照
2.APEX のアップグレードの通知を設定
Oracle Cloud Infrastructureコンソールで、「監視および管理」>「イベント・サービス」>「ルール」で、Autonomous Databaseイベントの通知を取得します。この設定により、Oracle APEXを使用しているときに、新しいリリースが使用可能になったとき、通知されます。
イベント・タイプ:Autonomous Database - Information
eventName:APEXUpgradeAvailable
詳しい設定方法のマニュアルはAutonomous Databaseイベントの通知の取得を参照
3.Oracle APEXアップグレードの適用
Oracle APEX のアップグレードが通知を受け取り、ユーザーの適当なタイミングでアップグレードするときには、APEXの管理サービスから、「使用可能な更新」の横にある歯車アイコンをクリックして、「使用可能な更新」ダイアログを開きます。「使用可能な更新」ダイアログで「即時アップグレード」をクリックします。これにより、Oracle APEXアップグレード・プロセスがバックグラウンドで起動されます。 ほとんどのアップグレード・プロセスで、Administration Servicesおよびアプリケーション・ビルダーを引き続き使用したり、アプリケーションを実行できます。
詳しい設定方法のマニュアルはOracle APEXアップグレードの適用を参照
以上、 Autonomous Database の APEX で標準のアップグレードを延期し、ユーザーがアップグレードを検知して、ユーザーのタイミングでアップグレードする方法でした。ADB上のAPEXのアップグレードをコントロールしたい場合もあるかと思いますので、参考になれば幸いです。