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はじめに

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2025年11月17日から19日の3日間、奈良のHotel Nikko NaraでDrupalCon Nara 2025が開催されました。Drupal Asiaが主催し、Drupal AssociationとLinux Australia Councilの協力で実現したこのイベント、実は私にとって初めてのDrupalConでした。

アジアを中心に世界各国から開発者やデザイナー、ビジネスリーダーが集まって、50以上のセッションが英語と日本語で行われました。古都奈良で最先端のデジタル技術について語り合うという、なかなか面白い組み合わせのイベントでした。

DrupalConとは?

そもそも「Drupal」は、オープンソースのデジタル体験プラットフォームとして世界中で支持されているオープンソースのソフトウェアです。ユニセフやナスダック、ジョージア州政府、プリンストン大学、テスラモーターズ、ネスレ、NASAなどの大手企業・機関でも採用実績があり、日本でも多言語・多ブランド対応が必要な企業や大学などで導入が進んでいます。

DrupalConは、そんなDrupalの世界最大級のカンファレンスで、年に数回、世界各地で開催されています。今回のNara開催は、日本で初の開催ということもあり、特に注目度が高いイベントでした。

初DrupalConの率直な感想

正直、想像以上にデカいイベントでした(これでもかなり小さいとのこと😵)。ただ、言語の壁もひしひしと感じることにもなりました。。

感じたこと / 体験したこと

国際色豊かな雰囲気
英語と日本語の両方でセッションが提供されていたので、国内事例の深掘りと最新グローバルトレンドの両方を学べたのが良かったです。

古都奈良の魅力
会場が奈良公園の近くで、1300年の歴史を持つ古都の風景が「持続可能なオープンソースコミュニティ」というテーマと妙にマッチしていました。

英語の重要性を再認識
Drupalはグローバルコミュニティが活発で、英語を使えるとより深い情報や世界中の事例に触れられます。キャリアの選択肢が格段に増えます。英語を使えて楽しかった反面、もっと話せたら、、と感じる場面も多くありました。

初参加でも参加しやすい雰囲気
みなさんフレンドリーで、Drupalの経験年数も様々。質問しやすく、もっと話を聞きたいと思える時間でした。

Dries氏のキーノートが熱かった

初日のハイライトは、Drupal創設者Dries Buytaert氏の対話セッション。Drupal CMS 2.0とDrupal Canvasの展開、AI統合について語られました。

「20年間言われ続けてきた『Drupalは難しい』という課題を、今まさに解決しようとしている」

この発言、グッときました。Drupal Canvasで従来300クリック必要だったページ作成が、AIと組み合わせると30クリックまで削減できる可能性があるとか。

ただ、英語が早くてついていけない部分もありました笑。でも、そういう時こそ帰って復習すればいいです。これがDrupalコミュニティの良いところだと思います。

印象に残ったセッション

シャープのDX事例

シャープヨーロッパのデジタル変革責任者の方々が登壇。グローバルB2B事業でのDrupal活用事例を紹介してくれました。

  • 63のダイレクトオフィス
  • 19言語、11通貨、48カ国
  • 120,000の企業顧客

という超複雑な環境で、6年前に時代遅れになったシステムをDrupalで刷新したそうです。選定理由は多言語サポート、エンタープライズスケール、セキュリティ、そしてオープンソースという価値観。現在17サイト・19言語で展開中とのこと。

成功の鍵として挙げられていたのは:

  • 適切なパートナーとの関係
  • ITとの協力
  • 継続的な投資

現実的なAI統合の話

RPIのAI統合マーケティングマネージャーの方が、実体験ベースで話してくれたセッションも面白かったです。

オープンソースのActivepiecesを使って、DrupalのAIアシスタントで作ったコンテンツを自動的にLinkedInに投稿するワークフローを15分で構築可能とのこと。

ただ同時に、MITの研究で「95%のGenAIプロジェクトが目標未達で失敗」という現実も提示。華やかなデモだけでなく、ちゃんと失敗の話もしてくれるのが良かったです。

成功の鍵:

  • 小さく始める
  • 人間をループに保つ
  • セーフガードを適用する

DrupalAIについての期待も高まっており、ローカルで動くかもしれない話や、AIにフィールド作成やcontextual filterを使った紐づけをお願いできるなど、今後の展開にワクワクしました。

長期運用のためのDrupal開発入門

セキュリティアップデートの手順や持続可能なメンテナンス戦略についてのセッション。実は私、ちょうどセキュリティアップデートを控えていたので、超タイムリーでした。また、セッション終了後に質問に行ったのですが、快く答えてくださいました!(ありがとうございました🙇‍♂️)

このセッションで得た知識をもとに、実際のアップデート作業をやってみて、結果を記事にまとめようかと思っています。

コミュニティ活動が楽しい

Nara Treasure Hunt

イベント前日に、DrupalCon史上初の「Nara Treasure Hunt」が開催されたようです。(はい、、参加できませんでした。。)奈良公園での謎解きなど4時間の冒険を通じて、自然な形で参加者同士が仲良くなれるイベント。こういうのいいです。

コントリビューションデー

最終日はコントリビューションデー。(こちらも参加できませんでした😭😭)経験豊富な開発者がバグ修正に取り組む一方、初心者はドキュメント翻訳に貢献していたようです。

「自分のコードがDrupalプロジェクトに取り込まれる可能性があることに感動した」という初参加者の声を聞いて、私も次は何か貢献したいなと思いました。

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懇親会も最高

技術的な話から雑談まで大いに盛り上がり、世界中の人たちと交流できました。オフラインのイベントならではの醍醐味です。「次もぜひ行きたい」と思える居心地の良さでした。

まとめ

DrupalCon Nara 2025は、Drupal CMS 2.0リリースを控えて、プロジェクトが新たな成長局面に入りつつあることを実感できるイベントでした。

1300年の歴史を持つ古都・奈良での開催は、「持続可能性」と「長期的視点」というDrupalコミュニティの価値観にピッタリでした。

初参加者からベテランまで、それぞれが新たな学びと出会いを得た3日間。個人的には 「Drupalコミュニティは想像以上に温かく、オープンで、誰でも受け入れてくれる場所だった」 というのが一番の発見でした。

2026年以降の日本でのDrupalイベントについても「特別な発表があるかもしれない」という噂があり、日本のDrupalコミュニティの盛り上がりはまだ始まったばかりです。

奈良で築いた繋がりを大事にしながら、次のプロジェクトやコラボレーションに活かしていきたいと思います。

これからDrupalを始めてみたい方、コミュニティで仲間を見つけたい方は、まずは各地域の勉強会やオンラインイベントなどに参加してみることをおすすめします。ぜひ、一緒にDrupalの世界を盛り上げていきましょう。

次のDrupalConにも是非参加したいです!

参考リンク

以上、DrupalCon Nara 2025 参加レポートでした。
ご質問や感想などありましたら、お気軽にコメントなどでお寄せください。

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