はじめに
リーンチェンジマネジメント 組織を動かす革新的なアプローチを読んでの感想と各章の個人的なポイントを記載した記事になります。
書籍の紹介
書籍
書名:リーンチェンジマネジメント 組織を動かす革新的なアプローチ
原書:Lean Change Management: Innovative Practices For Managing Organizational Change
著者:Jason Little 著 中原 慶 訳 寳田 雅文 訳 羽飼 康 訳
出版年月日:2026/01/30
内容紹介
ITがビジネスの中核を担う今、ビジネスモデルだけではなく、働き方や組織文化にも変革が求められている。
しかし、特に実績を上げてきた老舗の企業ほど、変革に苦労している。その背景には、正解が分からず不確実性が高いので探索的に進めるべきなのに、変革の活動自体が「重厚長大な計画に従ってコントロールする」進め方になってしまっているという問題がある。
本書では、変革を「コントロールするもの」から「共につくるもの」へと再定義。従来のマネジメント手法ではうまくいかなかった変革を、アジャイルやリーンの考え方を活かして柔軟に取り組む方法を提示する。
机上の空論ではなく困った時に方向を示してくれる、現場で悩む方に向けた「やさしい変革の教科書」。
感想
アジャイルの考え方を組織の変革に応用してどのように実践していけばいいかを学ぶことが出来た書籍であった。個人的にアジャイルの一つにであるスクラム開発を気に入っており、また習得しようとしている中で読んだ書籍であったため、開発以外にも応用することが出来るととても感銘を受けました。
今は、AIなど目まぐるしく環境や情報が変化していて、複雑になり、不確実性も増してきている。作るプロダクトすらも、その不確実性を対応しようとスクラム開発で、顧客のフィードバックを得ながら、立てた計画を逐次変更し、適応させている。組織の変革もまたそうで、対象が大きければ大きいほど、不確実性が増していくため、変革のフィードバックを得ながら、変革の計画を逐次変更させていく。色々と注意を払うところがあれど、とても良い自分たちにあう変革が出来ると思う。
読んで欲しい人
- アジャイルやリーンの考え方が好きな人
- 従来のマネジメント手法では上手く行かなかった経験がある人
- 組織の改革をしたけど、どうすればいいか迷っている人
まとめ
感想にも書いた通り、アジャイルの考え方を組織の変革に応用してどのように実践していけばいいかを学ぶことが出来た書籍になります。この記事を読んでくれている人は、勉強熱心な人だと推測しますので、読んでみて試してみたいと思わせてくれるような書籍になっていると思います。ページ数も150ページしかなく、空き時間ですぐに読み切れるので、気になった方はぜひお手に取っていただければと思います。
個人的なポイント
1 イントロダクション 物語のはじまり
この章では、サティア・チェンジモデルを例に組織を変化させようとするとどのように推移していくかを説明している。組織の変化は強力な外的要素で、不確実性を生み、感情的な反応を引き起こす。そのため、上手く組織の変化を導いていくためには、その変化の影響を受ける人たちの理解をしてもらう必要がある。ときには、率先して行動してもらえるようにする必要もあることが重要である。
ポイント
人は自分なりのペースや度合いで変化を取り入れる。そのことを理解した上で、変化をさせたいときは、変化を受ける人にその変化の恩恵を理解してもらうように努める必要がある。
サティア・チェンジモデルの段階
- 第1段階:現状
すべてが快適で、パフォーマンスが安定している - 第2段階:外的要素
抵抗が生まれる段階。好む人もいれば、抵抗する人もいる - 第3段階:カオス
変化の影響を受ける人たちのアイデンティティを失い、生産性が下がり、混乱や反発心が生まれる - 第4段階:変革のアイデアの実践と統合
変革のアイデアを理解し、実践・統合される。それにより、外的要素の恩恵は新しいアイデンティティとして取り込まれる - 第5段階:新しい現状
現状よりも高いレベルでパフォーマンスが安定する。
2 ザ・コミッション 変化を促すリーンスタートアップの適用
この章では、リーンスタートアップについての説明と、それを適用の仕方による失敗談が書かれている。リーンチェンジマネジメントの説明に向けての導入になっている
ポイント
複雑になれば、不確実性も増していくため、計画主導型アプローチでは太刀打ち出来ない。
リーンスタートアップ
無駄を省き高速で「構築 -> 計測 -> 学習」のサイクルを回して顧客の反応を見ながら事業を改善する手法です。低コストでMVP(最小機能版)をリリースし、ピボット(方向転換)か継続を迅速に判断することで、市場に求められる製品を効率的に開発していく
パイレーツメトリクス(海賊指標)
AARRRの5つの指標で、MVPの反応指標として使われるもの- Acquisition (獲得): 新規顧客を獲得しているか
- Activation (活性化): 新規顧客が登録して、プロダクトを使い始めたか
- Retention (定着): 顧客が利用続けているか
- Referral (紹介): 顧客が他の人に紹介しているか
- Revenue (収益): 顧客が対価を払っているか
3 リーンチェンジマネジメントのサイクル 変化をマネジメントするためのフィードバック駆動モデル
この章では、リーンチェンジマネジメントのサイクルについてを例を交えて説明している。
ポイント
対象が大きいものにリーンチェンジマネジメントのサイクルを使用したとしても、「小さく考える」ことが重要
リーンチェンジマネジメント
インサイト・オプション・実験からなるチェンジマネジメントのための非線形フィードバック駆動モデル- インサイト: 様々なツールや評価、モデルを使用して、現状を理解する。まずはここから始まる。
- オプション: 仮説と期待されて効果を検討する。その上で変化の導入すると準備が出来ると実験に移行する。
- 実験: 変化を導入して、期待された効果を得られるか確認する。実験にも、準備 → 導入 → レビュー というサブサイクルがある。
DKAR(アドカー)モデル
ADKAR(アドカー)モデルとは、組織の変革(チェンジマネジメント)を成功させるためのフレームワーク。個人の心理変化を5つのステップ(Awareness、Desire、Knowledge、Ability、Reinforcement)に分け、従業員の納得感を引き出しながら変革を定着させる。- A (Awareness:認知): 変化の必要性の認知
- D (Desire:欲求): 変化に参加し、支援しようとする欲求
- K (Knowledge:知識): 変化の進め方に関する知識
- A (Ability:能力): 必要なスキルや行動を実践する知識
- R (Reinforcement:定着・強化): 変化を継続させるための定着
4 インサイト 組織がどのように機能しているのかを理解する
インサイトを取得するためプラクティス(アクションやプロセス)がまとめられている。そのメソッドを理解し、上手くタイミングで使用するで新たなインサイトを得ることが出来る。
ポイント
計画は「ある時点におけるインサイトのスナップショット」に過ぎないため、それをもとに計画を立てると、実行するときには陳腐化している
5 フレームワーク インサイトの意味を見出す
ここでは、コッターの8ステップ変革モデルとマッキンゼーの7Sフレームワークを紹介している。計画や実行手順を教えてくれるものではなく、自分たちに足りていない要素を理解するために使用されるものである。
ポイント
変革を進めていくためには、影響を受ける人たちが変化のオーナーシップを持つ必要がある
6 オプション チェンジプランを研ぎ澄ます
この章では、オプションについての選び方や影響する要因、評価方法など、オプションについての詳細説明をしている。
ポイント
波及範囲を理解し、影響圏を利用する
変化を共創する
7 実験 ドラスティックな変化より、日々の積み重ねを
この章では、実験についての詳細説明をしている。実験のための仮説と、それを検証するための方法やツールなどを説明するしている。また、検証するときにおいての測定データの種類と使い方を説明している。
ポイント
測定方法はチームが定義する(トップダウンではダメ)
8 変化のためのアラインメント キャンバス、見える化、対話
この章では、変革を導入・持続・定着させる「アラインメント」について、進捗や成果を関係者と 共に捉え直しながら、継続的に学びを得る仕組みづくりを紹介している。戦略的キャンバスを作成することが組織の共通の目的に向かって足並みを揃えることを助けてくれる。
ポイント
戦略的キャンバスを作成してみよう!