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日々の振り返りが「ただの反省」で終わる理由は、深さが足りないから

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TL;DR

  • 毎日振り返ってるのに伸びないのは、だいたい振り返りの深さが固定だから
  • 振り返りを 4段階 に分けると、「気合い」じゃなく「技術」になる

1. 毎日振り返ってるのに、同じところで詰まる

自分は振り返りってこうなりがちでした。

  • 事実を書いて終わる(「今日はPRが通らなかった」)
  • モヤモヤしたまま終わる(「レビューが細かい人だった」)
  • 「次から気をつける」が増える(でも次も同じように刺さる)

これ、努力不足というより振り返りの“掘り方”が一定なのが原因な気がします。
なのでこの記事では、振り返りを「深さ」で扱います。

2. 振り返りには「4段階の深さ」がある

振り返りの質って、簡単に言うと「どこまで掘ったか」だと思います。

深くなるほど、学びが“次の場面でも使える判断”として残ります。
逆に浅いままだと、「その日限りの反省ログ」になりやすい。

段階1:出来事・結果(ログ収集)

焦点:何が起きた?(事実)

  • PRにコメントが12件ついた
  • 取り込みが半日遅れた

ここで止まると?

  • あとで全部「なんかツラかった」みたいなログになる

次の問い

  • 「期待(基準)と何がズレた?」

※ここ地味だけど大事です。
期待値が曖昧だと「できた/できない」の判定がブレて、振り返りが全部“お気持ち”に吸われます。
(SMARTみたいに、測れる形で基準を置くのは普通に効きます)

段階2:要因分解(外部要因 → レバーに落とす)

焦点:原因を“変えられる形”に分解する
ここが段階2のゴールです。

「環境が悪い」「相手が悪い」って、正しいことも多いんですが、
そこで止まると振り返りが “変えられない過去の説明” で終わりがちです。

なので段階2では、外部要因を挙げたらその場で レバー(自分が触れる変数) に変換します。

やることはシンプル。要因を3つに仕分けるだけです。

  • Control(制御できる):自分が直接変えられる
  • Influence(影響できる):働きかけで変わる可能性がある
  • Accept(受け入れる):今の自分では変えられない

例:PRレビューが刺さった日

  • Accept:レビュー担当の好み全部は変えられない
  • Influence:命名ルールは相談すれば合意できる
  • Control:セルフレビュー項目や差分の切り方は変えられる

ここで止まると?

  • 「環境が悪い」で終わって、未来を変えるヒントが残らない

次の問い

  • 「Control / Influence を1つずつ動かすなら、何?」

段階3:行動の改善(レバーを引く)

焦点:次にどう動く?(手順・行動)

  • PR前に命名・テスト観点のセルフレビューを入れる
  • 差分を小さくして出す
  • 最初にレビュー観点を聞く(合意できるなら合意する)

ここで止まると?
しばらくは改善します。が、また刺さることもある。
理由はシンプルで、行動の奥にある 判断の前提(当たり前) が古いままだから。

次の問い

  • 「なぜ、その行動が正しいと思った?」

段階4:前提の更新(意思決定ロジックのリファクタ)

焦点:判断の前提(当たり前・思い込み・成功法則)
段階3が「パッチ当て」なら、段階4は「設計思想の見直し」です。

  • 「早く出すのが正義。粗くてもレビューで直せばいい」
  • 「指摘が多い=自分の能力が否定された」
  • 「レビューコメントは全部“絶対正しい”」

この段階まで行くと、経験が“次の意思決定ロジック”として残ります。
振り返りのレバレッジが一番効くのもここ。

3. 5分で回す:日々の振り返りテンプレ

上記に気付かされたときは毎日ガッツリやっていたのですが、それだとかなり負担が大きく継続の摩擦になるので、テンプレは短くして運用しています。
これだけで回せます。

# 段階1:事実(ログ)
- 何が起きた?(事実だけ1〜3行)

# 段階2:要因分解(外部→レバーにする)
- Control(制御できる):
- Influence(影響できる):
- Accept(受け入れる):

# 段階3:行動(レバーを引く)
- 次に同条件なら、何を1つ変える?

# 段階4:前提(ロジック更新)
- そのとき自分は何を「当たり前」と思ってた?
- その前提、今の環境でも妥当?
- 前提を1つ書き換えるなら?

4. 具体例:PRレビューで刺さった日を、段階1→4で掘る

状況

PRを出したらコメントが多くて、修正が増えて、正直へこんだ。

段階1(ログ)

  • 事実:コメント12件(設計2、命名5、テスト3、細部2)
  • 結果:取り込みが半日遅れた

段階2(要因分解:レバーに落とす)

  • Accept:レビュー担当の好み全部、忙しさ、タイミング
  • Influence:命名ルールの合意、レビュー観点の共有
  • Control:PR前のセルフレビュー、テストの最低ライン、差分の切り方

ここまで落ちると、急に「詰み感」が減ります。
“変えられない話”が切り出されて、触れる場所が見えるので。

段階3(行動:レバーを引く)

  • 次から:PR前に「命名・テスト観点」をセルフレビューする
  • 次から:差分を小さくして出す
  • 次から:レビュー観点を最初に聞く(合意できるなら合意する)

ここまでで、日々の振り返りとしては十分に実用です。
でも、もう一段だけ掘ると “効き方” が変わります。

段階4(前提の更新:脳内アルゴリズムを書き換える)

ここが一番、セルフデバッグっぽいところ。

  • 前提A:「早く出すのが正義。粗くてもレビューで直せばいい」

    • 更新:「早く出すのは正義。ただし“レビューで直す前提”は負債。最低限の基準は自分で満たす」
  • 前提B:「指摘が多い=否定された」

    • 更新:「指摘は否定じゃなく、判断基準の共有ログ。量が多いのは“自分の基準が未学習”なだけ」
  • 前提C:「レビューコメントは全部“絶対正しい”」

    • 更新:「コメントは相手の前提の反映。合意したいのは前提で、細部は相談していい」

この更新が入ると、次に同じイベントが起きても体験が変わります。
(同じ出来事でも、意思決定ロジックが違うので)

5. 段階4を加速させる小技:感情をセンサーとして使う

「感情はノイズ」って思いがちなんですが、段階4に行くときは逆に便利です。

  • へこんだ
  • ムカついた
  • 焦った

この感情はだいたい、「自分が大事にしたいもの」が揺れたサインです。

簡単に言うと、

違和感はバグ通知
「なぜ今これが刺さった?」を辿ると前提が見つかる

「感情をデータとして扱う」って、やってみると意外とエンジニア向きです。

6. それでも前提が更新できない理由:成功体験が“バグ”になる

段階4が難しいのは、知識の問題というより「手放し」の問題だったりします。

  • 昔うまくいったやり方(成功法則)がある
  • それに「誇り」や「安心感」がくっついてる
  • だから、前提を変えるのが怖い

ここで効くのは「過去の自分を否定しない」こと。

あのときはそれが最適だった。
今は環境が変わったから、ロジックを更新する。

まとめ:振り返りは「その日の反省」じゃなく「次の判断」にする

結局、この記事で言いたかったのはこれです。
振り返りが効かないのって、真面目さが足りないからじゃなくて、毎回同じ深さで止まってしまうからなんですよね。

ログを取る(段階1)→ それっぽい要因を挙げる(段階2)→ 次から気をつける(段階3)。
ここまででも前進はします。でも、同じタイプの出来事に刺さり続けるときって、だいたい「行動」じゃなくて、その奥の判断の前提が据え置きになってます。

段階1〜3がパッチなら、段階4はアーキテクチャの見直し。
だから、振り返りのレバレッジが一番効くのもそこ。

とはいえ、毎日段階4まで掘り切る必要はないです。
“深さ”を意識して、最低限ログを取りつつ、要因をレバーに落として、必要なら前提を1つだけ更新する。
このくらいの温度感で回すのが、日々の振り返りとしてちょうどいいかなって思っています。

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