個人開発で売上を立てたいなら、自分が買ってでも欲しいものを作る
個人開発をしていると、 「何を作れば売れるんだろう?」 と考えることがあります。
SNSで流行っているサービスを調べたり、海外のSaaSを探したり、AIにアイデアを出してもらったり。僕もいろいろ考えてきました。
ただ、いくつかサービスを作って運営してきて、最近は考え方がかなりシンプルになりました。
売上を立てたいなら、自分自身が買ってでも欲しいと思えるものを作る。
少なくとも個人開発では、これがかなり強いと思っています。
今回は、僕が運営しているサイトをなぜ作ったのかを振り返りながら、この考えについて書いてみます。
「買ってでも欲しい」は、すでに何かにお金を払っているかで考える
ここでいう「自分が買ってでも欲しいもの」は、あったら便利だから1,000円くらいなら払うかもという程度の話ではありません。
個人開発のアイデアを考えるときに、僕が最近かなり意識しているのは、
その問題を解決するために、すでに自分がお金を払っているか
ということです。
例えば、
- 本を買って勉強している
- 誰かに作業をお願いしている
- 有料のSaaSを契約している
- オンライン講座を購入している
こうした行動がすでにあるなら、その問題には少なくとも自分にとってお金を払う価値があります。
「こういうサービスがあったら使うと思う」という想像よりも、すでに財布を開いているという事実が大切です。
インフラ学習サイトInfraAcademyも自分の不満から作った
僕はエンジニアとして10年以上仕事をしてきました。
Linuxやネットワーク、AWSなどを勉強するとき、参考書を買うことがあります。
でも、こんなことがよくありました。
本を読む
↓
コマンドが出てくる
↓
実際に試してみたい
↓
環境を作る
↓
設定で詰まる
↓
勉強する前に疲れる
Linuxを勉強したいだけなのに、仮想環境を用意したりLinuxをインストールしたりする。ネットワークを勉強したいだけなのに、シミュレーターや機器の準備が必要になる。AWSも、実際に触ろうとするとアカウント作成や料金が気になります。
ここで大事なのは、私自身がすでに参考書にお金を払っていたことです。
つまり、インフラ技術をわかりやすく学びたいという課題には、すでに数千円を払っていました。
でも参考書を買っただけでは、実際に試すまでの面倒は残っています。
だったら、
ブラウザを開いたら、その場で教材を読んで、その場で試せるサービスが欲しい。
そう思って作ったのがインフラ学習サービスのInfraAcademyです。
Linuxのコマンドをブラウザ上のターミナルで試したり、ネットワークやAWSをシミュレーターで学べるようにしました。
また、参考書はLinuxの入門と言いつつ、初心者にとってはわかりにい内容でした。そこで初心者にとって学びやすいサイトとして1からコマンドを打っていけば、インフラエンジニアの知識が付くようなカリキュラムを作りました。
最近では、基本情報の科目B対策として、擬似言語学習サイトGiji Academyも立ち上げました。
有名なサービスも、自分たちの不便から始まっている
こうした考え方は、有名なサービスも当てはまります。
例えばShopifyは、創業者たちがスノーボードのオンラインショップを作ろうとしたとき、当時のECシステムが使いづらかったことから、自分たちでECシステムを作り始めました。
Slackも、もともとはゲーム開発チームが社内で使っていたコミュニケーションツールが発展したものです。
Dropboxも、創業者がUSBメモリを忘れてファイルにアクセスできなかった不便から始まったことで知られています。
どれも最初から壮大な市場を探したというより、自分たちが実際に困っていたことが出発点です。
もちろん、自分が困っているだけでは売れません。
自分が欲しい × 他の人も困っている × お金を払ってでも解決したい
の3つが重なるところを探すのがいいと思っています。
個人開発では、作れるものから考えてしまうこともあります。自分が扱える技術の範囲で何か作れないか、と発想するのは自然です。
ただ、技術はあくまで手段です。先に不便があり、その不便を解消するためにWebアプリやAI、自動化を使う。この順番のほうが、少なくとも売上を目的にするなら考えやすいと思っています。
最後に
最近では、Claude CodeやCodexのようなツールが広まり、個人でもかなり簡単にアプリを作れるようになりました。
以前であれば、アイデアがあっても設計して、コードを書いて、エラーを直して、デプロイして、と多くの時間が必要でした。今はAIを使えば、そのハードルはかなり下がっています。
その一方で、作れることと、売れることはまったく別の話だと思っています。
欲しい機能を形にすることは簡単になりましたが、そのサービスに本当にお金を払う人がいるのか、継続して使ってもらえるのかまで考えると、難易度は一気に上がります。
そのときに僕がひとつの判断材料にしているのが、自分がすでにその問題にお金を払っているかです。
本を買っている。外注している。有料ツールを契約している。毎週何時間も面倒な作業をしている。
そこには、売り上げが立つサービスのアイディアの種があります。
もちろん、自分が困っているからといって必ず売れるわけではありません。他の人も同じことで困っているか、実際にお金を払うほどの課題なのかを確認する必要がありますが。この手法もまたどこかで書こうと思います。
この記事が個人開発をしている人の助けになれば幸いです。ここまでお読みいただきありがとうございました!