はじめに

現在参画している案件で、「テストのカバレッジ測定したい」というお話をいただきました。
あー、またかと思いつつ、Javaの場合は最近どんなやり方やるんだろうなと思い、調べてみました。古くは、Cobertura を使ってレポートしてましたが、最近の動向は抑えてなかったので、調べるところから

調査結果

以下ようなものを見つけて試してみました。

Clover ・・・ atlassianの製品みたい。途中まで進めるもライセンスファイル要求され断念
Kover ・・・Android用。Javaでも使えるっぽい。テストは実行できるもカバレッジ出ず断念
JaCoCo ・・・まだ0.8.12であるものの、以前にも使ったので、結果としてはこれを採用

環境

Java 21
Gradle 8.8
JaCoCo

やってみる

Gradleの設定ファイルを作る

build.gradle

plugins {
	id 'java'
    id 'jacoco'
    id 'application'
}

group = 'com.example'
version = '0.0.1'

java {
	toolchain {
		languageVersion = JavaLanguageVersion.of(21)
	}
}

configurations {
	compileOnly {
		extendsFrom annotationProcessor
	}
}


repositories {
	mavenCentral()
}

dependencies {
    ・・・必要な依存関係は適宜追加してください・・・
}

jacoco {
    applyTo tasks.run // runタスクにJacocoを適用
}

tasks.register('applicationCodeCoverageReport', JacocoReport) {
    executionData tasks.test // 実行データをテストタスクのものに設定
    sourceSets sourceSets.main // ソースコードをメインソースセットに設定
    reports {
        html.required = true // HTMLレポートを生成
        xml.required = false // XMLレポートは不要
    }
}

// "test" タスクの設定。JUnit 5 を使用してテストを実行する
tasks.named("test", Test) {
    useJUnitPlatform() // JUnit 5 を使用する
    include '**/*Test.class' // 特定の名前のテストクラス（*Test.class）を対象にする
}

// すべてのコンパイルタスクで使用する文字コードを UTF-8 に固定
tasks.withType(AbstractCompile).each { 
    it.options.encoding = 'UTF-8' // ソースコードのエンコーディングを UTF-8 に設定
}

// すべてのテストタスクで実行時に使用するファイルエンコーディングを UTF-8 に固定
tasks.withType(Test) {
    systemProperty "file.encoding", "UTF-8" // 実行環境の文字コードを UTF-8 に設定
}

// テストタスク (test) が終了した後に、コードカバレッジのレポートを生成するタスク (jacocoTestReport) を実行
test.finalizedBy jacocoTestReport

// Jacoco のカバレッジレポートから除外するクラスファイルを定義
def coverageExcludeFiles = [
    '**/*$*.class', // ネストされたクラス（インナークラス）を除外
    '**/*$lambda$*.class', // ラムダ式に対応するクラスを除外
]

// Jacoco のテストカバレッジレポートの設定
jacocoTestReport {
    // レポートの出力形式を設定
    reports {
        html.required = true // HTML レポートを有効化
        xml.required = false // XML レポートは無効化（必要に応じて変更可能）
    }
    
    // Jacoco のクラスファイル設定を後から評価して適用
    afterEvaluate {
        // クラスディレクトリのファイルリストを収集し、除外設定を適用
        classDirectories = files(classDirectories.files.collect {
            fileTree(
                dir: it, // 各クラスファイルのディレクトリ
                exclude: coverageExcludeFiles // 除外するクラスファイルパターン
            )
        })
    }
}

実行する

./gradlew test

実行結果

こんな感じで、パッケージ単位のサマリも出力されます。

クラス毎のカバレッジも、以下のように参照が可能です。

おわりに

いろいろ試してみましたが、結局以前に使ったことのあるJaCoCoに落ち着きました。
Koverの情報がもう少し整ってくれば、乗り換えも検討したいと思います。