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fishshell 2.6.0 の変更点ピックアップ

Last updated at Posted at 2017-07-17

はじめに

先月(2017/6/3),fish shellのversion 2.6.0がリリースされました!
リリースノートを見ていたら結構変更点があり,fishユーザ待望のあの機能(後述)も入ったようなので,独断と偏見でversion 2.6.0での変更点をまとめてみました.

変更点ピックアップ

コマンド置換が端末からの入力を受け付けるようになった

これ! これをずっと待ってました.
これでpecofzfのようなフィルタリングツールの使用がずっと楽になります.

fishにはbashの^rに相当する履歴絞込みが標準では付いていないので,pecofzfを使ってこれを実現している方も多いと思います.

ネットの情報(oh-my-fish/plugin-pecoとか)を見るとだいたい次のように書くことになっていました.

history | peco | read -l tmp; commandline $tmp

ここで気になるのが一時変数tmpです.履歴の取得はhistory,コマンドラインへの文字の挿入はcommandlineなので,次のように書けてよいはずです.

commandline (history | peco)

ところがこれまでのfishではこれができませんでした.具体的な原因は多分このへんで議論されています.

しかし,fish 2.6.0からは上記の簡単な(そして自然な)記法が有効です!

functionsコマンドに--detailsオプションが追加

以下のようにして,関数がロードされた場所を取得できるようになりました.

functions --details hoge #=> /path/to/hoge.fish

これで関数定義を直接エディタで編集したり1,削除したり2が簡単にできます.fundlefrescoを使っている方なら,プラグインの関数は~/.config/fish/functions以外の場所に作られるので,関数が自作か他作かも簡単に判別できます.

さらに--verboseオプションを組み合わせることにより,より詳細な出力が得られます.

functions --details --verbose cd
/My/Home/.config/fish/functions/cd.fish
autoloaded 
1
scope-shadowing
Change directory

出力の意味は順番に

  1. 関数が読み込まれたパス
  2. オートロード関数かどうか
  3. ファイルの中の,関数定義が開始する行
  4. --scope-no-shadowingオプションが有効かどうか
  5. function -dで関数に付けた説明

となります.--scope-no-shadowing付きの関数は外側のローカル変数を書き換えられる力を持っているので,チェックできる方法があるのはよいかも3.あと5. の関数の説明の取得は,むしろこれまでできなかったんだっけ? という感じもします.

stringコマンドに新しいサブコマンド & オプションが追加

文字列を繰り返し出力するstring repeatサブコマンドが追加されました.まぁforループでできるんですが,ちょっとした区切り線を引くのにforループ書くのもちょっと...と思っていた方には福音のはず.

string repeat [--count 繰り返す数] [--max 最大文字数] [--no-newline] 文字列...

--no-newline (-N)echo -n相当のオプションです.

また,string matchコマンドに--entireオプションが追加.「部分一致で判定し,マッチした文字列全体を出力」となります.要するに

string match h hoge # マッチしない
string match --entire h hoge #=> hoge

string match '*h*' hoge # つまりこれと等価

となります.正規表現と一緒に使った場合は「正規表現にマッチした部分だけでなく,マッチした文字列全体を表示」となります.

string match --regex h hoge #=> h
string match --regex --entire h hoge #=> hoge

string match --regex '.*h.*' hoge # これと等価

さらに,string replace--filterオプションが追加.これも等価な表現を見るのが多分早くて,

cat hoge.txt | string replace --filter OLD NEW
cat hoge.txt | string match --entire OLD | string replace OLD NEW # これと等価

となります.置換を実際に行った行のみの出力となります.

いろいろ便利になっていく反面,等価な書き方がすでにあるものが多いので,fishのシンプルさが失われていくような気もして少し複雑です.

readコマンドに--silentオプションが追加

read --local --silent password

端末から入力を受け付けますが,文字を画面に表示しなくなります.地味ながら嬉しい.

おわりに

まだ変更点はあるのですが,紹介はこの辺で終了させて頂きます.詳細は本家リリースノートを御覧ください.fishのウリでもある補完設定も着々と追加・改善されています.
次のversion 2.7.0にも期待です.

余談

version 2.6.0の話ではないのですが,いつの間にかfishでexportが使えるようになってました.といってもコレ,去年の夏(fish 2.2.0)には入っていたようです.これで他シェルからの移行も簡単なので,みんなfish使おう!

追記 (2017/7/18)

string replace --filterの使い方を勘違いしていたのを修正


  1. funcedによる編集では毎回一時ファイルに関数が書き出されるため,エディタのundo履歴等が使えませんでした. 

  2. functions --eraseでは関数の定義は削除できますが,定義の実体である.fishファイルは消せないため,オートロード関数の削除はできませんでした. 

  3. でもそこまでチェックするか? というとしない気はする. 

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