Google AI Proで使い倒すAntigravity開発ノウハウ:モデル・モード・ナレッジの最適解
はじめに
Antigravity(IDE)で複数のモデルを使い分け、プロジェクト固有の制約を反映させながら開発を進めるためのノウハウをまとめます。
本記事では、実装時の手戻りを減らすためのモード選択や、Git運用をエージェントに任せるための具体的な手順、および AGENTS.md を活用したナレッジ共有について解説します。
1. モデルの戦略的使い分け(2026/01版)
Antigravityでは、タスクの難易度と種類に合わせてモデルを選択することが効率と精度の両立に直結します。
| モデル名 | 推奨用途 | 特徴・強み |
|---|---|---|
| Gemini 3 Pro (Low) | 常用・プロトタイピング | 爆速のレスポンスと緩いクォータ。UIの微調整や定型的なコード修正、ドキュメント作成に最適。 |
| Claude 4.5 Sonnet | 実装・リファクタリング | 【メイン機】 論理的整合性と指示への忠実さが極めて高い。複数ファイルにまたがる修正でもミスが少ない。 |
| Gemini 3 Pro (High) | 数学・アルゴリズム・長文分析 | 「Deep Think」搭載。 数学的な最適化や、200万トークンのウィンドウを活かした巨大なリポジトリ全体の構造把握に無類の強さを発揮。 |
| Claude 4.5 Opus | アーキテクチャ設計・難解なデバッグ | 最強。最も複雑な推論が必要な場面や、一貫性が極めて重要な大規模設計で使用する。クォータ消費が激しいためここぞという場面で。 |
2. Planning vs Fast:実行モードの切り替え
Antigravityには、AIの挙動を制御する2つの主要モードが存在します。
Planning モード(推奨:作業の9割)
いきなりコードを書き換えず、まず「どのファイルをどう変えるか」の Implementation Plan(実装計画書) を作成します。
- メリット: 大規模な破壊を防ぎ、実装前に人間が設計をレビューできる。
- 使い所: 新機能の実装、大規模リファクタリング、複数ファイルにまたがる修正。
Fast モード
計画をスキップし、即座にアクション(ファイル編集・コマンド実行)を開始します。
- メリット: スピード。
- 使い所: 単一ファイルの微調整、ドキュメントの更新、自明なバグ修正。
3. AGENTS.md による「プロジェクト・ナレッジ」の注入
AIに「プロジェクトらしい」コードを書かせるための重要なのが、プロジェクトルートへの AGENTS.md の配置です。
これを置くことで、エージェントにプロジェクト独自のお作法などを教え込むことができます。毎回同じ指示を繰り返す必要がなくなります。
AGENTS.md に記述すべき項目の例:
- 技術スタック: 使用しているフレームワークやライブラリのバージョン。
- コーディング規約: 変数命名規則(スネークケース、キャメルケース等)やディレクトリ構成。
- 検証コマンド: ビルド、リンター、テストの実行コマンド。
- 禁止事項: 「このライブラリは非推奨なので使わない」「副作用のある関数は避ける」等。
- PRテンプレート: AIがプルリクエストを作成する際のフォーマット。
4. 自律型ワークフローを構築する汎用プロンプト
エージェントにブランチ作成からPR(プルリクエスト)作成までを一任するための汎用的な型です。
以下の手順で [タスク内容] を完結させてください。
1. ブランチ作成: mainから feature/[task-name] を切り、最新状態を反映して。
2. 計画提示: Planningモードで実装プランを作成し、私のレビューを待って。
3. 実装と検証: 計画承認後、コードを実装。完了後、プロジェクト標準の検証コマンドを実行して整合性を確認して。
4. コミット: 変更を論理的な粒度で分割し、Conventional Commits形式でメッセージを記述して。
5. PR作成: ブランチをプッシュし、GitHub上でプルリクエストを作成して。
このように「手順」と「品質基準」をセットで伝えることで、エージェントは自律的にターミナルを叩き、検証を行いながらPRまで辿り着きます。
まとめ
Antigravityでの開発は、タスクの性質に合わせてモデルとモードを切り替えることで、作業の大部分を自動化できます。
- Gemini (Low): 速度優先の軽微な修正やプロトタイプ作成に使用。
- Sonnet 4.5 (Thinking) × Planning: 複雑なロジックやリファクタリングで、設計の合意と品質確保に使用。
- AGENTS.md: プロジェクト固有の規約やコマンドを定義し、エージェントの挙動を統一。
- Git・PR操作: ブランチ作成からPR出しまでの定型作業をエージェントに一任。
これらのステップを組み合わせることで、実装の細部にかける時間を削り、設計や仕様の検討にリソースを割くことが可能になります。
さらに、まとまったリファクタリングやテストコードの量産など、拘束時間の長いタスクは自律型エージェントの「Jules」へ丸投げ(非同期作業)してしまうのも、さらに効率を高める有効な手立てです。