LLMをプロダクトに組み込む際、コストと出力の精度の両立が課題になると思います。
私も個人開発で雑にAIに投げる設計で作っているといつの間にか枠を超えてしまっていたということがありました。
そこで、AIにすべてを任せるのではなく、ロジックとAIを組み合わせることで、効率と精度を両立する設計ノウハウを整理しました。
1. 責務の分離
AIに計算や集計をさせないことが重要です。
数値の算出や明確なルールに基づく分類をAIに行わせると、無駄なトークンを消費するだけでなく、推論ミスによる誤ったデータを出力するリスクがあります。
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ロジック
- データの件数カウント、比率の計算、期間の算出などの統計。
- 命名規則や識別子に基づくパターンマッチング。
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AI
- 入力データ間の不整合や、形式的なラベルと実体内容の乖離の検証。
- 構造化データの背後にある背景の抽出、自然言語による要約。
2. 役割の転換
AIにゼロから思考・生成させるのではなく、ロジックが生成した下書きを検証させるスタイルがおすすめです。API料金は入力より出力が高いため、AIが生成する文字数を物理的に減らすことが直接的な節約に繋がります。
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非効率なパターン
- 全データをAIに流し込み、分類・計算・要約のすべてを一括で行わせる。
- AIの思考ステップが増え、出力トークンが大きくなる。
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効率的なパターン
- ロジックが事前に仮説としての一次判定結果を算出し、AIにはその結果と根拠データを渡す。
- AIには判定の妥当性の検証と、最終的な微調整のみを行わせる。
- AIの作業範囲が絞られ、出力が簡潔になり、処理速度も向上する。
3. 入力情報の密度向上
LLMの性能はコンテキストの質に依存します。生のデータをそのまま流し込むのは、コストと精度の両面で非効率です。
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前処理によるノイズ除去
- 解析に不要な自動生成ファイルやバイナリデータ、定型文などをロジック側で事前にフィルタリングし、AIに渡す情報から除外する。
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構造化データの付与
- 巨大な生データをそのまま渡すのではなく、ロジック側で「差分」や「主要な項目」だけを抽出した中間データを作成して渡す。AIが注目すべき範囲をあらかじめ絞り込むことで、誤認を防ぐ。
まとめ
| 比較項目 | AIのみ | ロジック + AI(ハイブリッド) |
|---|---|---|
| コスト | 高い | 低い |
| 正確性 | 不安定 | 絶対的 |
| 柔軟性・解釈力 | 高い | 高い |
AIを万能ツールとしてではなく、システム内のひとつの推論モジュールとして扱うのが良いと思います。ロジックで土台を作り、AIで解釈を加えることで、精度とコストの両立ができると思います。