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Express.js完全入門

Last updated at Posted at 2023-04-13

Express.jsとは

Express.jsは、Node.jsのための軽量で柔軟なWebアプリケーションフレームワークです。
Express.jsを使用すると、Node.jsを使用してWebアプリケーションを作成するための様々な機能を簡単に実装できます。

MVCアーキテクチャを採用し、ルーティング、テンプレートエンジン、ミドルウェア、セッション、Cookieの処理、静的ファイルの提供、データベースの操作など、Webアプリケーション開発に必要な基本的な機能を提供しています。
また、豊富なサードパーティーモジュールを使用することで、より高度な機能を追加することも可能です。

Express.jsの使い方

事前準備

Node.jsをインストールし、npmを使用できる環境を作っておく必要があります。

確認コマンド
>node -v
v14.16.0

>npm -v
6.14.11

環境構築

1. プロジェクトの作成

新しいディレクトリを作成し、そのディレクトリでnpmプロジェクトを初期化します。

プロジェクト作成コマンド
>mkdir my-express-project

>cd my-express-project

>npm init --yes
Wrote to C:\【path】\my-express-project\package.json:

{
  "name": "my-express-project",
  "version": "1.0.0",
  "description": "",
  "main": "index.js",
  "scripts": {
    "test": "echo \"Error: no test specified\" && exit 1"
  },
  "keywords": [],
  "author": "",
  "license": "ISC"
}

2. Express.jsのインストール

npmを使用して、以下のコマンドを実行してExpress.jsをインストールします。

Express.jsインストールコマンド
>npm install express

+ express@4.18.2
added 57 packages from 42 contributors and audited 57 packages in 2.353s

7 packages are looking for funding
  run `npm fund` for details

found 0 vulnerabilities

3. サーバーの作成

index.js ファイルを作成して、以下コードを作成します。

index.js
const express = require('express');
const app = express();

app.get('/', (req, res) => {
  res.send('Hello World!');
});

app.listen(3000, () => {
  console.log('Server listening on port 3000');
});

package.json にstartコマンドを追加します。

package.json
{
  "name": "my-express-project",
  "version": "1.0.0",
  "description": "",
  "main": "index.js",
  "scripts": {
    "start": "node index.js",
    "test": "echo \"Error: no test specified\" && exit 1"
  },
  "keywords": [],
  "author": "",
  "license": "ISC",
  "dependencies": {
    "express": "^4.18.2"
  }
}

動作確認

1. サーバ起動

以下のコマンドを実行してサーバを起動します。

サーバ起動コマンド
>npm start

> my-express-project@1.0.0 start C:\【path】\my-express-project
> node index.js

Server listening on port 3000

2. サーバ確認

curl コマンドを使用してサーバの実行を確認します。

curlコマンド
>curl http://localhost:3000
Hello World!

3. サーバ停止

ctrl + c でサーバを停止できます。
(Macでは control + c

ルーティング

Express.jsにおけるルーティングとは、HTTPリクエストのURLに応じて、アプリケーション内で実行する処理を決定する仕組みです。ルーティングは、HTTPメソッド(GET、POST、PUT、DELETEなど)とURLパターンによって定義されます。

Express.jsでは、app.【HTTPメソッド名】() 関数を使用してルートを定義します。
app.get()app.post()app.put()app.delete() などのHTTPメソッドに対応した関数を使用することができます。

以下は、GETリクエストのルートを定義する例です。

GETリクエストのルート定義例
app.get('/', function (req, res) {
  res.send('Hello World!')
})

上記の例では、ルートに対するGETリクエストを定義しています。
ルートに対するリクエストが発生した場合、第2引数に指定されたコールバック関数が呼び出されます。
この関数内で、レスポンスを返すための処理を行います。
各コールバック関数の第1引数 req はリクエストオブジェクト、第2引数 res はレスポンスオブジェクトです。

また、URLパラメータを使用して、動的なルートを定義することもできます。

動的なルート定義例
app.get('/users/:id', function (req, res) {
  res.send('User ID: ' + req.params.id)
})

この例では、/users/:id というパスを定義しています。
:id はURLパラメータで、リクエストURLに含まれる任意の文字列にマッチします。
このURLパラメータは、req.params オブジェクトを介して取得することができます。

また、複数のハンドラ関数を使用して、ルートに対する処理を定義することもできます。

複数のハンドラ関数を使用したルート定義例
app.get('/users/:id', function (req, res, next) {
  // ミドルウェアの処理
  next()
}, function (req, res) {
  res.send('User ID: ' + req.params.id)
})

この例では、2つのハンドラ関数を使用しています。
最初のハンドラ関数は、リクエストに対するミドルウェアの処理を行います。
このミドルウェアの処理が完了した後、次のハンドラ関数が実行され、レスポンスが返されます。

Express.jsのルーティングを用いてREST APIを実装することができます。

REST APIとは

REST (Representational State Transfer) APIは、Webサービスを開発するためのアーキテクチャスタイルの1つで、HTTPプロトコルを使用してWeb上でのデータのやりとりを行うための方法論です。

REST APIでは、リソースを一意の識別子(URI)によって表現し、HTTPメソッド(GET、POST、PUT、DELETEなど)を使用してリソースに対して操作を行います。

HTTPメソッド 操作
GET リソースを取得する
POST リソースを作成する
PUT 指定したIDのリソースを更新する
DELETE 指定したIDのリソースを削除する

REST API実装

index.js を以下のように修正すると、 GET, POST, PUT, DELETE のHTTPメソッドを使用してリクエストを処理するようにできます。

index.js
const express = require('express');
const app = express();

// GETリクエスト
app.get('/', (req, res) => {
  res.send({
    msg:'GET request'
  });
});

// POSTリクエスト
app.post('/', (req, res) => {
  res.send({
    msg:'POST request'
  });
});

// PUTリクエスト
app.put('/:id', (req, res) => {
  res.send({
    id: req.params.id,
    msg:'PUT request'
  });
});

// DELETEリクエスト
app.delete('/:id', (req, res) => {
  res.send({
    id: req.params.id,
    msg:'DELETE request'
  });
});

app.listen(3000, () => {
  console.log('Server started on port 3000');
});

curl コマンドを使用してサーバの実行を確認できます。

curlコマンド
>curl -X GET http://localhost:3000/
{"msg":"GET request"}
>curl -X POST http://localhost:3000/
{"msg":"POST request"}        
>curl -X PUT http://localhost:3000/123
{"id":"123","msg":"PUT request"}
>curl -X DELETE http://localhost:3000/123
{"id":"123","msg":"DELETE request"}

ミドルウェア

Express.jsにおけるミドルウェアとは、HTTPリクエストとレスポンスの間に挟まる処理を指します。
ミドルウェアは、アプリケーション全体で共通の処理や、特定のルートで実行する必要がある処理などに使用されます。

Express.jsでは、app.use() 関数を使用してミドルウェアを登録します。
登録されたミドルウェアは、HTTPリクエストが発生するたびに呼び出されます。
ミドルウェアの実装方法は、以下のようになります。

ミドルウェア実装
// ミドルウェアの実装
const myMiddleware = function(req, res, next) {
  // ミドルウェアの処理
  next(); // 次のミドルウェアへ処理を移す
};

// ミドルウェアの登録
app.use(myMiddleware);

このように、app.use() 関数に登録するミドルウェア関数には、reqresnext という3つの引数が渡されます。
req はリクエストオブジェクト、res はレスポンスオブジェクト、next は次のミドルウェア関数へ処理を移すための関数です。

ミドルウェア実装

index.js を以下のように修正すると、 HTTPリクエストのメソッドとURLをログに出力するようにできます。

index.js
const express = require('express');
const app = express();

const loggerMiddleware = function(req, res, next) {
  console.log(`[${new Date()}] ${req.method} ${req.url}`);
  next();
};

app.use(loggerMiddleware);

// GETリクエスト
app.get('/', (req, res) => {
  res.send({
    msg:'GET request'
  });
});

// POSTリクエスト
app.post('/', (req, res) => {
  res.send({
    msg:'POST request'
  });
});

// PUTリクエスト
app.put('/:id', (req, res) => {
  res.send({
    id: req.params.id,
    msg:'PUT request'
  });
});

// DELETEリクエスト
app.delete('/:id', (req, res) => {
  res.send({
    id: req.params.id,
    msg:'DELETE request'
  });
});

app.listen(3000, () => {
  console.log('Server started on port 3000');
});

curl コマンドを使用してサーバの実行を確認できます。

curlコマンド
>curl -X GET http://localhost:3000/
{"msg":"GET request"}
>curl -X POST http://localhost:3000/
{"msg":"POST request"}        
>curl -X PUT http://localhost:3000/123
{"id":"123","msg":"PUT request"}
>curl -X DELETE http://localhost:3000/123
{"id":"123","msg":"DELETE request"}

上記コマンド実行時にサーバ側のコンソールで以下のログが表示されます。

コンソール
[Sun Mar 19 2023 01:42:24 GMT+0900 (日本標準時)] GET /
[Sun Mar 19 2023 01:42:29 GMT+0900 (日本標準時)] POST /
[Sun Mar 19 2023 01:42:34 GMT+0900 (日本標準時)] PUT /123
[Sun Mar 19 2023 01:42:39 GMT+0900 (日本標準時)] DELETE /123

静的ファイル

Webアプリケーションでは、静的ファイル(画像、CSS、JavaScriptなど)を扱うことが一般的です。

以下では、Express.jsで静的ファイルを扱う方法について解説します。

静的ファイルの配置場所を指定する

まず、静的ファイルが配置されている場所を指定する必要があります。
Express.jsでは、express.static ミドルウェアを使用して、静的ファイルのディレクトリを指定できます。

例えば、以下のように記述することで、publicディレクトリ内の静的ファイルを使用できます。

app.use(express.static('public'))

ルーティングの設定による静的ファイルの提供

ルーティングを設定して、public/imagesディレクトリ内のファイルを提供しています。

optionsオブジェクトには、ファイル送信時の設定が含まれています。

fileNameには、リクエストパラメータのファイル名が格納されます。

app.get('/images/:filename', function(req, res) {
  var options = {
    root: __dirname + '/public/images/',
    dotfiles: 'deny',
    headers: {
      'x-timestamp': Date.now(),
      'x-sent': true
    }
  };

  var fileName = req.params.filename;
  res.sendFile(fileName, options, function (err) {
    if (err) {
      next(err);
    } else {
      console.log('Sent:', fileName);
    }
  });
});

この例では、/images/:filenameというパスに対して、public/imagesディレクトリ内のファイルを提供するルーティングを設定しています。

optionsオブジェクトには、ファイル送信時の設定が含まれています。

rootには、ファイルのルートディレクトリを指定します。

dotfilesには、ドットで始まるファイルの扱い方を指定します。

この例では、denyを指定して、ドットで始まるファイルを送信しないようにしています。

headersには、レスポンスヘッダーを指定します。この例では、x-timestampとx-sentを指定しています。

fileNameには、リクエストパラメータのファイル名が格納されます。res.sendFileメソッドを使用して、ファイルを送信します。

送信が完了したら、コールバック関数が実行されます。エラーが発生した場合は、next関数にエラーを渡します。

静的ファイルのキャッシュ

Express.jsでは、静的ファイルのキャッシュ機能を提供しています。キャッシュを使用することで、同じファイルに対して複数のリクエストがあった場合でも、サーバーからのレスポンス時間を短縮することができます。

キャッシュを有効化するには、maxAgeオプションを使用します。以下は、キャッシュを有効化する例です。

app.use(express.static('public', { maxAge: 86400000 }));

maxAgeには、キャッシュの有効期限をミリ秒単位で指定します。上記の例では、1日間キャッシュを有効化しています。

キャッシュを有効化することで、同じファイルに対して複数回のリクエストがあった場合でも、サーバーからのレスポンス時間を短縮することができます。

ただし、キャッシュ期間が長すぎると、ファイルの変更が反映されない場合があるので、適切な期間を設定する必要があります。

静的ファイルの実装

index.js を以下のように修正すると、 /test-image パスにアクセスして public/images/test.png が返却するようにできます。

index.js
const express = require('express');
const app = express();
const path = require('path');

const loggerMiddleware = function(req, res, next) {
  console.log(`[${new Date()}] ${req.method} ${req.url}`);
  next();
};

app.use(loggerMiddleware);

// 静的ファイルの提供とキャッシュの有効化
app.use(express.static('public', { maxAge: 86400000 }));

// test-imageリクエスト
app.get('/test-image', (req, res) => {
  res.sendFile(path.join(__dirname, 'public/images/test.png'));
});

// GETリクエスト
app.get('/', (req, res) => {
  res.send({
    msg:'GET request'
  });
});

// POSTリクエスト
app.post('/', (req, res) => {
  res.send({
    msg:'POST request'
  });
});

// PUTリクエスト
app.put('/:id', (req, res) => {
  res.send({
    id: req.params.id,
    msg:'PUT request'
  });
});

// DELETEリクエスト
app.delete('/:id', (req, res) => {
  res.send({
    id: req.params.id,
    msg:'DELETE request'
  });
});

app.listen(3000, () => {
  console.log('Server started on port 3000');
});

このコードでは、/test-imageパスにアクセスするとpublic/images/test.pngが返却されます。

path.join(__dirname, 'public/images/test.png')を使用して、現在のディレクトリからの相対パスでファイルを指定しています。

localhost:3000/test-imageにアクセスしてサーバの実行を確認できます。

image.png

GitHub

今回の記事で紹介したソースコードをGitHubで公開しています。

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