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ダッシュボードを制作する上での4つの重要なTips

Last updated at Posted at 2024-03-12

はじめに

ダッシュボードは、ビジネスの意思決定をサポートする貴重なツールですが、その効果を最大限に引き出すためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。

私が経験から学んだ4つの重要なTipsをご紹介いたします。

1. 過去の振り返りではなくて、将来の意思決定をしたい

ダッシュボードの目的は、将来のビジネス課題に対する意思決定を支援することです。
これを言い換えると、利用者が知りたいのは「これからどうしたらいいか」です。

そのためには、ダッシュボードは過去の分析ではなくて、将来の方向性を示す必要があります。
アドホックな分析との違いを明確にし、将来を見据えたデータ提供を心掛けています。

ダッシュボード アドホック分析
強み - 汎用性が高い情報を常に同じフォーマットで閲覧できる - 特定の課題に対して、柔軟に分析できる
弱み - 特定の課題に対する詳細な分析が必要な場合、十分な情報を提供しきれない - 都度の分析~レポーティングが必要

Tableauの公式ブログでも、ダッシュボードとアドホック分析のサイクルを回すことの重要性が触れられております。
image.png

2. 数値には基準が必要

ダッシュボードに表示する数値には、現状と目標の基準を設定することが重要です。
目標を明確にしておくことで、「ダッシュボードは将来の意思決定のためのもの」という認知に繋がります。

image.png

基準の有無をグラフで表現すると、このような違いがあります。

image.png

基準がない場合は、1月の売上が(2月,3月の売上に比較して)少なく見えますが、基準を可視化することで、1月の売上も(ノルマに対して)十分であることがわかります。

3. 役職と課題の紐付けも重要

利用者の役職や担当する課題に応じて、ダッシュボードの内容を適切に調整することも重要です。

経営層は長期的な視点が必要ですが、部長や係長はより具体的な課題に焦点を当てる傾向があります。それぞれの立場に応じた情報提供を心がけています。

役職と課題の関係は、会社の規模やビジネスモデルごとに異なるかなと思いますが、下表のような状態が理想の1つかなと考えます。

役職 課題 ダッシュボードとの親和性
経営層 5~10年の経営計画 ×
部長 1~3年のKPI進捗
係長 1~3ヶ月のKPI進捗 ⚪︎

また長期的な視点になればなるほど、「現在どうなっているか」よりも「楽観だとどうなるのか、悲観だとどうなるのかといったシナリオ分析」の親和性が高くなります。

4. 細かいアジャストも必要

計画と実績がずれる場合、ダッシュボードを微調整することが必要です。

1~3ヶ月のKPI進捗は、多くの場合、中期経営計画をドリルダウンしたものが目標になるかと思います。
一方で、ドリルダウンしたノルマが1000で、直近の実績が100であるような、ノルマが高すぎる状態も想定されます。そうした場合に、①現実的なノルマや②必達ノルマといった感じで複数のノルマが発生したりします。

image.png

上図のように、(場合によっては)基準の複数化など組織運営上の都度の要望に応えられるに調整してもよいかもしれません。

おわりに

最後までお読みいただきありがとうございました。

本記事では、私がダッシュボード制作〜保守の経験から学んだ4つの重要なTipsをご紹介いたしました!

参考文献

KPIマネジメントやダッシュボードに関する書籍のおすすめです。

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