AVR AT90USB162ボード & ATMEGA88 V-USBボード
以前から気になっていた格安海外基板メーカの実力調査で何か作れないかなと思いまして、
汎用的に使えるAVRマイコンのAT90USB162・ATMEGA32U2の内蔵USB回路とATMEGA88~328のV-USB用のUSB回路をまとめた小型ボードを作ることにしました。
今回はSeeedStudioのFusionPCBを利用して基板製作しました。
基板データ一式
設計した基板は以下の特徴があります。
-
最も安い5cm×5cmのサイズに収まる2つのボード(2.5cm×5cm)を面付け(Panelize)した基板になります。
-
USBコネクタは、最近普及してきているMicroUSB端子にしています。
-
コンデンサと抵抗はチップ部品を利用しています。
チップ部品のJISサイズは1608、2012どちらにも対応しています。
USBの直列抵抗22Ω,68Ωは1608、2012、3216まで対応しています。
10uFの積層セラコンは1608、2012、3216、3225まで対応しています。
部品サイズは2012サイズ以上の方が実装し易いです。 -
ATMEGA88の5V動作用の3.6V-ツェナーダイオードはTMD品(リード部品)
とSMD品(表面実装部品)どちらも実装出来るようにしています。 -
部品は秋月電子で殆ど揃いますが、USB信号の直列抵抗(AT90USB162-22Ω、V-USB-68Ω)の
チップ抵抗が秋月電子にはありませんので(2015/9/13現在)別途調達する必要があります。 -
それぞれ、対応したarduinoのブートローダを書き込めば、arduinoとしても使えます。
- USBの信号ライン、ブートモード選択の信号ラインを変更しているのでソースコードの若干変更が必要です。
基板表
基板裏
回路図
FusionPCBへの注文
SeeedStudioにユーザ登録を行い、FusionタブのFundamental→Fusion PCBより注文
- PCB Qty. - 10
- 注文数量:最小5枚(5cm*5cmだと価格は変わらないので10枚で良い)
- Layer - 2
- 裏表両面なので2
- PCB Thickness - 1.6mm
- 基板の厚み、薄い方がカットし易い。私はミニサーキュラソーテーブルを持っているので標準板厚の1.6mmにしましたが、追加料金無しで最薄の0.8mmが良いと思います
- PCB Dimension - 5cm Max*5cm Max
- 基板データも5cm*5cmにしています
- PCB Color - Green
- 基板のソルダーレジスト(はんだが付かないようにする保護膜)の色
- Surface Finish - Hasl
- 部品の実装するスルーホール(穴)やパッドなど、銅が露出している部分の保護方法
- Haslは、はんだメッキ(鉛有) Hasl(LeadFree)は、はんだメッキの鉛フリー版
- ENIGは、金めっき(フラッシュめっきと呼ばれる薄いメッキ) 普通はHaslで良い
- Panelized PCBs - 1
- 2種類以上の基板を面付けして、FusionPCBでカットしてもらう場合に選択します。自分でカットする場合は1を選択します
- E-Test - 100% E-test(Free)
- 基板の電気検査です。以前は50%検査が標準でしたが、今は100%実施するようです
- Registered Air Parcel (Weight: 0.14kg. Delivery Time: 0-30 days)
- 一番安い郵便小包を選びました
PayPal支払い 9.90USD + 送料4.95USD = 14.85USD (1,574円) 1USD = 105円の頃です
○2014/7/30 22:27に注文
07/30/2014 Confirmed
07/30/2014 PCB Confirmed This order has PCB item(s)
07/30/2014 PCB Confirmed Transaction ID: 75350712FP195412E
Payment Type: PayPal Express Checkout (instant)
Timestamp: 2014-07-30T13:27:12Z
Payment Status: Completed
Amount: 14.85 USD
07/30/2014 PCB Processing PCB File:D125925_56566_PCB.zip is now under processing.
08/02/2014 In production D125925_56566_PCB is coming back from production workshop.
08/04/2014 Processing
08/04/2014 Shipped Order was shipped
08/05/2014 Traceable Order was Traceable
○以下SeeedStudioの注文履歴でTrackingNumberが発行されるので、日本郵便の追跡サービスで検索
2014/08/05 14:54 国際交換局から発送 SINGAPORE S02 SINGAPORE
2014/08/11 13:44 国際交換局に到着 川崎東郵便局 神奈川県
2014/08/11 13:45 通関手続中 川崎東郵便局 神奈川県
2014/08/12 06:05 国際交換局から発送 川崎東郵便局 神奈川県
2014/08/13 07:20 到着 ***郵便局 静岡県
2014/08/13 15:49 お届け済み ***郵便局 静岡県
ガーバデータについて
ガーバデータはMBE Version 0.53.01以降で対応している mm単位の出力に変更しています。
データはMBEから出力したものに以下の修正をしています。
(修正は不要かもしれませんが念のために行っています)
ガーバデータ(GBL,GBO,GBS,GML,GTL,GTO,GTS)は4行目に拡張ガーバ(RS-274X)のパラメータ
%MOMM*% を追加しています。mm単位の意味ですが、先頭にG71(ミリメータ単位指定)の
コードがあるので無くても大丈夫だと思いますが、念のため追加しています。
ドリルデータ(TXT)は3行目にICI,OFF を追加しています。相対座標モードOFFつまり
絶対座標モードの意味です。指定が無い=絶対座標だと思うのでこちらも無くても
大丈夫だと思うのですが、念のために追加しています。
MBEについて
私は仕事で基板設計をしていますが、基板設計のCADと言うのは最初の準備が非常に大変です。
プロ用のCADだと細かい設定が色々あるので、導入するのに何ヶ月もかかったりします。
最近はフリーの基板CADも増えていますが、フリーで機能が限定されていても、準備するのに
それなりに手間がかかります。そのため趣味で基板設計をしようと思っても、実際に設計に
入る前に挫けてしまう事が多いのではないでしょうか?
その点、MBEは非常にシンプルですぐに基板設計が行えるので気に入りました。
ネット取り込み(ラッツネット表示)が出来ないのは、最初どうかと思いましたが、
趣味の場合は自分で回路も考えていますので、回路図が頭に入っていますから
無くても困りませんでした。接続チェックや逆ネットなど肝心な機能は抑えてありますので
小規模な基板や、趣味レベルなら全然問題ないと思います。
きちんとセッティングを行った他のCADと比べると設計は多少しづらいかもしれませんが、
思い立ってから、実際に基板設計に入るまでが早いので勢いで設計が出来てしまいます。
とても気に入りましたので、今後も趣味で基板設計をする場合は使っていこうと思います。
MBEのソルダレジストマージンの設定について
MBEを使用していて注意する点があります。
MBEのソルダレジストのマージン(部品パッドやTHのランドの導体[CMP,SOL]と
ソルダレジスト[STC,STS]の間隔)は0.1mmで固定になってます。
このままですと、ピッチの狭い表面実装部品(SMD)のパッド間にソルダレジストが
無くなってしまいます。
例えば今回だとMicroUSBの部品をデータシート通りに作成すると、信号用のパッドが
0.4mmの幅で0.65mmのピッチで並んでいますので、パッド間は0.25mmしかありません。
ソルダレジストのマージンを0.1mmとすると、0.25-0.1*2=0.05mmしかレジストの幅が
無いことになります。(実際にMBEでSTC,STSレイヤを表示して測ればそうなっているはずです。)
基本的にソルダレジストの最小幅は、FusionPCBのような格安メーカに限らず
日本国内のメーカでも0.1mmが最小値です。
FusionPCBの(製造仕様書)Manufacturer Specificationsを見てもSMT min Solder Mask Widthは
0.1mmとなっています。
そのため、このままFusionPCBに送るとパッド間にレジストが無い基板が製作されてしまいます。
ソルダレジストはその名の通り、はんだに抵抗する(弾く)効果があるため、ただでさえパッド間が
狭くてはんだブリッジし易いのに、レジストも無くなると実装がしづらくなってしまいます。
そのため、パッド幅を小さくするかソルダレジストのマージンを小さくして、ソルダレジストが
0.1mm以上の幅が取れるようにする必要があります。
パッド幅を小さくすると、はんだ付け性や強度に問題がありますので、ソルダレジストのマージンを
小さくすることを考えます。
FusionPCBの製造仕様書はMin Solder Mask Clearanceが0.13mmとなっています。
これは、パッド両側の値なので片側にすると半分の0.065mmになります。
ソルダレジストのマージンを0.07mmにすると、パッド間のレジスト幅は0.12mmとなり最小値をクリア
出来ますので、マージンを0.07mmに変更すれば解決しますが、MBE上だと設定値を変更する事が出来ません。
MBEのSet→Text-format Clipboardをチェックして、部品をコピーしてテキストエディタに貼り付けると
下記のような項目が見つかると思います。ここでマージンを設定していますので、直接エディタ上で
編集してマージン値を変更することで解決しました。
SRMARGIN:1000
↓
SRMARGIN:700
このデータについて
この回路図・基板・部品表のデータの使用については特に制限をしませんので、
改版・流用等ご自由にお使い下さい。
ただし、私は使用に関して生じた損害に対する責任を負いませんので、
各自の責任において使用して下さい。
使用したソフトについて
回路図は水魚堂さんの回路図エディタBSch3V(Ver0.82.00)を使わせて頂きました。
基板設計も水魚堂さんのMinimal Board Editor(Ver0.53.01)を使わせて頂きました。
http://www.suigyodo.com/online/index.htm
また基板設計時のネットリストチェックに、わいずふぁいくとりい 上田義明さんの
yfNetDiff(Ver0.20)を使わせて頂きました。
http://www.ne.jp/asahi/ysfactory/a/


