普段の開発・運用環境を思い浮かべてください。ターミナル、別途用意したSSHクライアント、2007年製みたいなSFTPクライアント、いつの間にか別モニタへ消えるRDPウィンドウ、Linux機用のVNCビューア、ルーター管理画面のブラウザタブ……。これらを1つのウィンドウにまとめるのが KKTerm です。
Rust + Tauri v2 製のWindowsネイティブな管理者ワークスペースで、インストーラ1つで完結し、テレメトリは送りません(local-first)。今回、Dashboardの動的背景に「富士山」を追加したので、その紹介も兼ねてアプリ全体を書いてみます。
KKTermとは
「AI時代のツール群が作り忘れた」Windows管理者向けの統合ワークスペースです。主な機能は以下のとおりです。
- ターミナル:ConPTYベースのPowerShell / cmd.exe / WSL。翻訳シムではなく本物のWindows擬似コンソールです。
- SSH / SFTP:RustのrusshでSSH接続。名前付きtmuxセッションへ自動アタッチするので、ノートPCのWi-Fiが切れてもリモートのclaude / codexセッションが生き残ります。
- RDP / VNC:RDPはMicrosoft純正のRDP ActiveX(mstscax.dll)を使用。mstsc.exeと同じコントロールなので、サードパーティ製の再実装ではありません。
- Dashboard:「30秒ごとにルーターをpingするWidgetを作って」とAIに頼むと、サンドボックス化されたWidgetがグリッドに現れます。Claude Code / Codexの利用枠(5時間枠・週次枠・現在のプラン)を表示するWidgetもあります。
- 認証情報:SSH/FTPパスワードやAPIキーはWindows Credential Managerに保存します。
- 内蔵MCPサーバー(kkterm-cli):外部のコーディングエージェントが、許可ゲート付きのツール経由でワークスペースやDashboardを操作できます。
なぜWindowsファーストなのか
2026年の開発ツールを見渡すと、Claude CodeもCodex CLIもMac/Linux優先で、Windowsは「WSLを使ってね」という扱いになりがちです。一方で、Hyper-V・AD・SCCM・IIS・ドメインコントローラーを実際に回している人たちはWindowsの前に座っています。KKTermはその逆を行き、まずWindowsにネイティブで作っています(macOS / Linux版はロードマップ上)。
新機能:四季が流れる「富士山」の動的背景
KKTermのDashboardには着せ替え可能なアニメーション背景が揃っていて、そこに新しく fuji を追加しました。静止画ではなく、すべて Canvas 2D で描画したリアルタイムの富士山風景です。
特徴は次のとおりです。
- 雪を頂いた円錐形の山体、湖面に映り込む反射(さざ波で揺れます)、流れる積雲と山頂にかかる笠雲、四隅をやわらかくフレーミングするボケた木々。
- 春 → 夏 → 秋 → 冬 をシームレスにクロスフェードし、各季節を約60秒ずつ保持します。空・雪線・斜面・森・水面・舞う粒子まで、季節ごとのカラーパレットをRGB補間でなめらかに変化させています。
- 舞う粒子も季節で変わります。春は桜の花びら、夏は花粉、秋は紅葉、冬は雪。
- Dashboardが非表示のときはアニメーションを止めてCPUを節約します。プレビュー用に季節の長さを変えるフックも用意しています。
派手な機能ではありませんが、ターミナルやSSHセッションの背後で静かに季節が移っていくのは、一日中開いておくツールとして地味に気持ちのいいものです。

ダウンロード
Windowsインストーラ(.exe)はGitHubのReleasesから入手できます。
ちなみに名前の由来は、台湾のサーバールームでよく機材の上に置かれているお菓子「乖乖(Kuai Kuai)」から。「お行儀よくしてね」という意味で、サーバーが安定稼働するおまじないです。KKTermも、あなたの大事なマシンの隣で静かにお行儀よく働くツールを目指しています。
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