R/Shiny でテーブルから選択、制御する方法

はじめに

R/Shiny でインタラクティブにテーブルを操作したいという要求があった。例えばテーブルの選択したデータをプロット上で強調させたり、その数値を表示させたりしたい場合がある。これを可能にするのがDTパッケージと、_rows_selectedコマンドである。

また本記事で使用したデータセットは「Rでの性別、身長、体重、血液型データの作成方法」で作成したものを「R shiny でデータの基礎分析用アプリの作成①」で csv に保存したので、それを用いて行った。

テーブルから選択した行の情報を表示する Shiny アプリケーション

DTパッケージの選択の制御を行うのは、DT::renderDataTableのselectionオプションで制御する。selection=list()の中身で、modeで単数選択か複数選択かを選び、targetで選択する対象（行、列、セル）を決め、selectedで初期に選択済みの行（列、セル）を指定する。例えばtargetを行（row）にした場合、選択したテーブルのidを用いて、サーバー側でinput${id}_row_selectedで、何行目を選択しているかの情報を得ることができる。

以下、Rのサンプルコードを示す。

library(shiny)
library(DT)

df <- read.csv("data.csv")

ui <- fluidPage(
  titlePanel("DT test"),
  mainPanel(
    dataTableOutput("data"),
    br(),
    h4("選択した行："),
    verbatimTextOutput("row"),
    h4("選択した性別："),
    verbatimTextOutput("sex"),
    h4("選択した身長："),
    verbatimTextOutput("height"),
    h4("選択した体重："),
    verbatimTextOutput("weight")
  )
)

server <- function(input, output) {
  output$data <- DT::renderDataTable({
    df
  }, 
  extensions = c('Buttons'), 
  selection = list(mode = 'single', selected = c(1), target ='row'),
  options = list(dom = 'Blfrtip', buttons = c('csv', 'excel', 'pdf'), lengthMenu = c(5, 10, 20), pageLength = 5)
  )
  
  output$row <- renderText({ input$data_rows_selected })
  output$sex <- renderText({ df$SEX[input$data_rows_selected] })
  output$height <- renderText({ df$HEIGHT[input$data_rows_selected] })
  output$weight <- renderText({ df$WEIGHT[input$data_rows_selected] })
}

shinyApp(ui = ui, server = server)

アプリ画面は以下の様になる。

3行目が選択されていて、下部にそのデータフレームの中身が表示されているのが分かる。

おわりに

これを応用して、プロットなどと組み合わせれば、選択した行のデータのみマークを変更するようなアプリケーションも実装可能である。DTパッケージはインタラクティブに使えるオプションが多数あるので、それも記事にしていけたらと思う。