13
10

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

C#10.0のコードがVisual Studio 2022でビルドできない場合はMicrosoft.Net.Compilers.Toolsetのせい

Last updated at Posted at 2022-01-14

言語バージョンを更新したらビルドできない!

VS2019で作成したソリューションのプロジェクトはデフォルトで以下の設定になります。

  • ターゲットフレームワーク:net5.0
  • 言語:C# 9.0(latest)

VS2019で作成したソリューションとプロジェクトは、.slnファイルや.csprojファイルの中身の構造がVS2022では変更されませんでしたのでVS2022でそのまま開くことが可能です。
しかし、この状態でうきうきでC#10.0のglobal usingfile scoped namespaceに書き換えを行っても、{が必要です」といった基本的な文法エラーで殴られてビルドが通らないことがあります。アイエエエ!?CS1513!?CS1513ナンデ!?
(以下、うきうきで変更したら怒られたときの画面)
image.png
上図をよく見たらわかるのですが、実はVS2022のエディタはエラーだと思っていない(問題は見つかりませんでしたとか言ってる)のにビルド時にエラーになってます。
ついでにCS8032で「アナライザー System.Text.Json.SourceGeneration.JsonSourceGenerator のインスタンスは C:\Program Files\dotnet\packs\Microsoft.NETCore.App.Ref\6.0.1\analyzers\dotnet\cs\System.Text.Json.SourceGeneration.dll (ファイルまたはアセンブリ 'Microsoft.CodeAnalysis, Version=4.0.0.0, Culture=neutral, PublicKeyToken=31bf3856ad364e35'、またはその依存関係の 1 つが読み込めませんでした。指定されたファイルが見つかりません。) から作成できません。」とか言われて警告ビンタされます。
本稿ではこれの原因と対処法について説明します。

原因はSourceGeneratorとかに使うMicrosoft.Net.Compilers.Toolset

結論からいうとMicrosoft.Net.Compilers.Toolsetを参照しているプロジェクトはこのライブラリのバージョンを更新しないとビルドが通りません。

こいつの説明に答えが書いてあります。

.NET Compilers Toolset Package.
Referencing this package will cause the project to be built using the C# and Visual Basic compilers contained in the package, as opposed to the version installed with MSBuild.

以下、google翻訳

.NETコンパイラツールセットパッケージ。
このパッケージを参照すると、MSBuildでインストールされたバージョンではなく、パッケージに含まれているC#およびVisualBasicコンパイラを使用してプロジェクトがビルドされます

**そんな仕様だったの!?**という感じではありますが、.csprojファイルで設定したターゲットフレームワークやLangVersionよりも優先してMicrosoft.Net.Compilers.Toolsetに内蔵されたRoslynコンパイラが動作する、というわけです。RoslynコンパイラのバージョンはMicrosoft.Net.Compilers.Toolset.dllによって決まります。このため、dllのバージョンが古いとC#10より前のコンパイラでビルドされるのでビルド時にエラーが出るというわけです。エディタのエラー検出に使うコンパイラはおそらく.csprojの設定に依存して決まるのでしょう。多分。

dllのバージョンとRoslynコンパイラのバージョンの対応

MSDNに対応表があります。2022/01/14時点では3.xまでしか表がありません(英語サイトも)が、そのうち追加されるでしょう。

Roslyn パッケージ バージョン サポートされている Visual Studio の最小バージョン
3.x Visual Studio 2019
2.10.0 Visual Studio 2017 バージョン 15.9
2.9.0 Visual Studio 2017 バージョン 15.8
2.8.2 Visual Studio 2017 バージョン 15.7
2.7.0 Visual Studio 2017 バージョン 15.6
2.6.1 Visual Studio 2017 バージョン 15.5
2.4.0 Visual Studio 2017 バージョン 15.4
2.3.2 Visual Studio 2017 バージョン 15.3
2.2.0 Visual Studio 2017 バージョン 15.2
2.1.0 Visual Studio 2017 バージョン 15.1
2.0.0 Visual Studio 2017 RTM
1.3.2 Visual Studio 2015 更新プログラム 3
1.2.2 Visual Studio 2015 更新プログラム 2
1.1.1 Visual Studio 2015 更新プログラム 1
1.0.1 Visual Studio 2015 RTM

私のプロジェクトでは3.11.0を使っていました。そりゃビルドが通らんわ・・・というわけでUpdate-Packageを実行すればビルドが通ったのでした。
なお、記事作成時点では最新バージョンは4.0.1になります。

あとがき

初めてC#を触ったときから「namespaceなんて99%はファイル全体で同じなのになんでインデントせにゃいかんの?」と思っていたのが、C#10.0でようやく解消できます。ずいぶん待たされましたし、file scoped namespaceが導入される理由が「HelloWorldの簡略化」みたいなとこがありますが、これが嫌だったのは私だけだったんでしょうか?

他にもC#10やNET6にはたくさんの機能追加があります。特にLINQのMaxBy,MinByは待望の機能ではないでしょうか?みなさんもぜひ最新バージョンへのアップデートを行いましょう!

13
10
3

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
13
10

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?