あなたの HubSpot ポータルは、Go-To-Market 戦略の中核です。商談が成立し、マーケティングキャンペーンが始まり、顧客との関係が育まれる場所。それが HubSpot です。このデータは非常に価値が高く、変化したその瞬間に反応できれば、その力はさらに増幅されます。夜間バッチや手動エクスポートを待っていては、貴重なビジネスチャンスを逃してしまうかもしれません。
では、商談ステージが変更されたとき、新しいリードが MQL に昇格したとき、またはコンタクトのライフサイクルが更新された瞬間に、即座に対応できたらどうでしょうか?
それが今、可能になりました。HubSpot Webhook を **RisingWave** に直接統合することで、HubSpot 上の CRM・マーケティング・営業データをストリーミングし、リアルタイムで処理・分析・自動化できるようになります。
なぜ Webhook を使って HubSpot を RisingWave に接続するのか?
HubSpot には多くのネイティブ連携機能がありますが、Webhook 経由で RisingWave にデータを送信することで、データ活用のスピードと柔軟性が格段に向上します。
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リアルタイムに反応する CRM トリガー:
ポーリングはもう不要です。HubSpot のレコードが更新されると Webhook が即時発火し、RisingWave が変更を取り込みます。たとえば商談が「Closed-Won」に変わった瞬間に、顧客アカウントを自動でプロビジョニングするなど、後続の処理をリアルタイムで実行可能です。 -
シンプルかつ効率的なデータ取り込み:
Webhook を通じた直接のデータ取り込みにより、Kafka やカスタムポーリングスクリプトといった中間レイヤーが不要になります。これにより、アーキテクチャが簡素化され、運用コストも削減されます。 -
Streaming SQL による高度なリアルタイム分析:
RisingWave の Streaming SQL を使えば、時間ウィンドウによる集計やパターン検出など、複雑なリアルタイム分析が可能です。たとえば商談の進行速度やリードの転換率、キャンペーン ROI をその場で算出できます。 -
他システムとのデータ連携による顧客情報のリッチ化:
HubSpot データは、他のデータソースとリアルタイムで結合することで、より価値のある情報になります。たとえばプロダクトの利用状況(アプリDB)、Zendesk のサポートチケット、Stripe の決済情報などと組み合わせて分析可能です。 -
BI ツールへのライブデータ連携と即時アラート:
KPI を Grafana や Superset にリアルタイムで表示したり、「高額案件の失注リスク」や「特定チャネルからの MQL 減少」といったビジネスイベントを即座に通知することができます。
RisingWave × HubSpot のユースケース
HubSpot のデータを RisingWave にストリーミングすることで、以下のような実用的なアプリケーションが構築できます:
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営業からオンボーディングへの自動引き継ぎ
- 動作概要: HubSpot のワークフローが、商談ステージの変更(例:「Closed Won」)をトリガーに Webhook を発火。RisingWave がイベントを取り込み、Jira のプロジェクト作成、Slack チャンネルへの招待、アカウントの自動プロビジョニングを即座に実行。
- 効果: 営業から CS(カスタマーサクセス)へのスムーズでエラーのない引き継ぎが、完全自動で数秒以内に完了。
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リアルタイムなリードスコアリングと優先順位付け
- 動作概要: HubSpot 上のリード作成や更新イベントをストリーミングし、Webhook ペイロードから得られる情報を元に RisingWave でスコア計算を SQL で実装。
- 効果: ホットなリードが常に自動で優先順位付けされ、しきい値を超えた瞬間に営業チームへ通知可能。
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ライフサイクルステージの同期とアクション連携
- 動作概要: HubSpot でコンタクトのライフサイクルステージが変更されると Webhook が発火し、RisingWave に反映。
- 効果: 状態変更が即座に他システムにも伝播。たとえばプロダクト上のユーザー権限を変更したり、広告ターゲティングリストに追加するなどの処理が可能に。
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マーケティングキャンペーンのリアルタイム分析
- 動作概要: 特定のキャンペーンと関連する新規コンタクトを取り込み、商談データと結合し、「接点→売上」までを追跡。
- 効果: 今まさに成果を出しているキャンペーンが可視化され、即座の戦略見直しと予算再配分が可能に。
仕組み:2 ステップのシンプルな実装フロー
Step 1:HubSpot Webhook を受け取るテーブルの作成
-- RisingWave にて:HubSpot Webhook イベントを安全に受け取るテーブル定義
CREATE TABLE hubspot_raw_events (
data JSONB -- HubSpot はイベント全体を JSON で送信
) WITH (
connector = 'webhook'
) VALIDATE AS secure_compare(
-- HubSpot ヘッダーから取得した署名
headers->>'x-hubspot-signature',
-- RisingWave 側で生成する署名との一致を検証
encode(
sha256(
convert_to(
('YOUR_HUBSPOT_APP_SECRET' ||
'POST' ||
'https://<HOST>/webhook/<DB>/<SCHEMA>/hubspot_raw_events' ||
convert_from(data, 'utf8')
), 'UTF8'
)
), 'hex'
)
);
この署名検証により、不正なリクエストを遮断し、セキュアな取り込みポイントを構築します。
Step 2:マテリアライズドビューで構造化データに変換
-- JSON をパースして使いやすい形式に変換する Materialized View
CREATE MATERIALIZED VIEW hubspot_contact_updates AS
SELECT
(data->>'vid')::int AS contact_id,
data->'properties'->>'email'->>'value' AS email,
data->'properties'->>'firstname'->>'value' AS first_name,
data->'properties'->>'lastname'->>'value' AS last_name,
data->'properties'->>'lifecyclestage'->>'value' AS lifecycle_stage
FROM hubspot_raw_events;
JSON の複雑さはここで一度処理すれば、あとは常に構造化された状態で SQL クエリが可能です。
Step 3:HubSpot 側の Webhook 設定
- HubSpot で Automation > Workflows にアクセス
- 適切なトリガーを設定(例:「ライフサイクルステージが更新されたとき」)
- アクションで「Webhook を送信」を選択
- Method は
POST
を指定し、RisingWave 側で生成された URL を貼り付け - 署名方式は RisingWave 側の設定と一致させる
今すぐ HubSpot × RisingWave を始めよう
HubSpot のリッチな CRM データを RisingWave のリアルタイムストリーム処理と組み合わせれば、顧客インサイトに瞬時に反応するアジャイルな業務基盤が構築できます。