はじめに
生成AIのデザイン活用を検証するため、ChatGPTに「日本語入りチラシ画像」の作成を依頼しました。
本記事では、実際の生成結果・問題点・実務での活用方法をまとめています。
使用した環境
- ChatGPT プラン:GPT Plus
- 使用モデル:GPT-5.1(画像生成・編集機能を使用)
- ブラウザ版 ChatGPT
とりあえず、ChatGPTにチラシ生成を依頼してみた
まずは通常の画像生成依頼をしてみます。
ChatGPTには、以下の点を伝え、イベントのチラシを作成してもらいました。
- デザインの方向性(雰囲気、構成)
- 必要な要素(タイトル、開催日時、場所など)
- イベント内容
※この段階では、日本語フォントについては、特に指示していません。
▼ ChatGPTに指示した内容
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プロンプトを表示(折りたたみ)
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以下の情報をもとに、商店街イベント向けのハロウィンチラシを制作してください。
【デザインの方向性】
- ハロウィンの世界観を感じるポップで楽しい雰囲気
- 参加者(特に子ども・ファミリー)がワクワクする構成
- 色はオレンジ・黒・紫を基調
- かぼちゃ、オバケ、コウモリ、夜空などのモチーフを適度に配置
- 情報は見やすく、イベント内容がひと目で分かるレイアウト
- 写真またはイラストを使った視覚的に楽しいデザイン
- A4縦レイアウト(印刷用途)
【必要な要素】
- タイトルを大きく配置
- 開催日時・場所を目立たせる
- 主要イベント(仮装コンテスト/仮装パレード/お菓子掴み取り/グルメ屋台/スタンプラリー)をアイコン付きで分かりやすく
- 注意事項と問い合わせ先は下部にまとめて配置
- QRコードを配置するスペースを用意(実際のQRは後から差し替える想定)
【元となるチラシ内容(Markdownで記述済み)】
# 🎃 商店街ハロウィンフェスタ 202X
〜仮装して、食べて、遊んで楽しもう!〜
## ■ 開催概要
- **日時:〇月〇日(〇) 13:00〜17:00**
- **会場:〇〇商店街**
- メイン会場:中央広場 or 特設ステージ
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## ■ イベント内容
### ● 仮装コンテスト
- 子ども・大人・ファミリー部門あり
- 受付時間:13:00〜14:00
- 結果発表:16:30
- ステージで写真撮影を実施
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### ● 仮装パレード
- スタート:13:30
- 商店街をゆっくり一周
- みんなで「トリックオアトリート!」
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### ● お菓子掴み取り
- 時間:15:30〜
- スタンプラリー達成者 or 参加券所持者が対象
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### ● グルメ屋台
- かぼちゃスイーツ、軽食、ドリンクなど
- 開始:14:30〜
- 期間限定メニューも登場
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### ● スタンプラリー
- 商店街を巡ってスタンプを集めよう
- コンプリートで「お菓子掴み取り券」または「抽選券」をプレゼント
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## ■ 持ち物・参加方法
- 仮装は自由(簡単な仮装でもOK)
- スタンプラリー台紙は会場入口で配布
- 小学生以下は保護者同伴を推奨
- 雨天時の対応:〇〇(必要に応じて記載)
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## ■ 注意事項
- 商店街内は車両通行にご注意ください
- パレード中はスタッフの指示に従ってください
- ゴミは所定の場所へ
- 体調不良の場合は参加をお控えください
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## ■ 主催・お問い合わせ
- 主催:〇〇商店街振興組合
- お問い合わせ:〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
- HP / SNS:〇〇〇〇(任意)
この内容に基づき、参加者向けのわかりやすさとイベントの楽しさが伝わるチラシデザインを作ってください。
▼ 生成されたチラシ画像
デザイン的には、なかなか良い雰囲気ですが、
よく見ると日本語が文字化け(?)しています。
日本語フォント(TTF)を渡してみたが…
グラフについては、日本語フォントを利用して描画する方法が分かっています。
※詳しくは下記をご覧ください。
ですので、同様に、ChatGPTに日本語フォント(TTFファイル)を渡し、
「このフォントで生成してほしい」と依頼してみることにします。
しかし、ChatGPTからは
「外部フォントは画像生成には使用できない」 という回答が返ってきました(泣)。
PPTX(PowerPoint)出力での編集も試した
上記で、「外部フォントは画像生成には使用できない」 という回答後、
ChatGPTからは、次のアクション提案がありました。(さすがですね)

では、ご提案の1つ、「PowerPoint(pptx形式)」 で出力をお願いしましょう。
フォント(文章)は、PowerPointで編集することにしましょうか。
▼ 出力されたPPTXの中身
・・・なんと言えばいいのでしょうか。
思い描いていたアウトプットではありません。
(テキストだけだし、スライドからはみ出てるし、なんか変なオブジェクトがあるし)
ChatGPTの画像編集機能で再修正を依頼
もう諦めかけていたまさにその時、ChatGPTの画像編集機能なるものを見つけました!
▼ 編集指示時の画面
先ほど作成した画像をクリックすると、右上に編集アイコンが出てくるので、クリック。

▼ 修正後の画像
無事、画像が作成されたので、修正前と比較してみます。
・・・あまり良くなっているようには見えません。
(デザインはすごく素敵なのですが)
実務ではどう活かすべきか?
ChatGPTだけで日本語入り画像を完璧に生成するのは、現時点では難しい印象です。
しかし、活用方法を工夫すれば十分に使い道があります。
✔ デザイン案の生成には最適
- レイアウト
- 配色
- 世界観
- 構図
ChatGPTはこうした「たたき台」を作るのが非常に得意です。
✔ 日本語テキストは手動で差し替える
現時点で最も効率の良い運用フローは以下かなと思いました。
- ChatGPTで雰囲気・レイアウトなどのデザイン案を生成
- 気に入った案を PowerPoint / Canva / Illustrator へ取り込み
- 日本語テキストや細かい配置は人が丁寧に調整
この流れにすると、アイデア出しから初稿作成までの時間を大幅に短縮できます。
まとめ
- GPT-5.1 でも日本語フォントを正確に扱った画像生成はまだ困難
- ただし、デザイン案・構成案の生成には非常に優れている
- 実務では「AIでラフ案 → 人が仕上げる」の流れが最適
ChatGPTは、日本語画像の生成が “あと一歩” という段階ではありますが、
現時点でも クリエイティブ作業を大幅に加速できる強力な補助ツール であることは間違いありません。



