Webサイトの状態を表す基礎的な指標についての解説です。
自社の新人研修(エンジニア3名、営業職2名)向けに作成した資料ですが、エンジニアでもWebサービス系を経験してないと、使わたことなかったりするので、あらためて社内勉強会でも共有しました。
PV数(PageView数/ページビュー数)
Webページが読み込まれた回数
以下の図の場合、全体のPVは5。ページAのPVは3、ページBのPVは2となる
セッション数
ユーザがサイトに訪問した回数。
ユーザがセッション内で取れだけページをみてもセッション数は1
Google Analyticsにおいて、セッションが終了したと認識されるのは、次の3つ
- 操作が行われない状態で30分経過
- 午前0時を超えて、日付が変わる
- 前回とは違う参照元(別サイト)や、別の検索キーワードを経由しての再訪問
UU数(Unique User数/ユニークユーザ数)
指定した集計期間内に訪問した「ユーザ」の数のこと
アクセス解析ツールによって、どういう集計方法をとるのか様々
IPアドレスやCookieなんかでユーザを特定
Google Analyticsでは、Cookieが使われる。
演習問題1
問題
Aさんは、昨日だけサイトに訪れて3ページ閲覧しました
Bさんは、昨日と今日の2回サイトに訪れて、合計5ページ閲覧しました
2日間のPV数、セッション数、UU数は、それぞれいくつになるでしょうか
正解はこちら
離脱率
サイトから離れることを離脱といいます。
そのページにアクセスしたセッションのうち、そのページを最後に離脱してしまった訪問(セッション)がどれぐらいあるかを表すのが離脱率
離脱率(%)=(そのページから離脱したセッション数÷そのページにアクセスしたセッション数)
例
ページA を含むセッションは、セッション1、セッション3、セッション5の3つ
ページA で離脱したセッションは セッション5の1つ
ページAの離脱率(%)=(1÷3)=33.3%
直帰率
1ページだけみてサイトから離脱することを直帰という
直帰率は、直帰したセッションの割合
直帰率=1ページだけみて離脱したセッションの数÷全セッション数
例
1ページだけみて離脱したセッションは、セッション2とセッション4の2つ
直帰率=2÷5=40.0(%)
滞在時間
ページ/サイトがどれだけの時間、閲覧されていたか
一般的には、短いよりは長い方がよいとされますが、長けりゃいいってものでもない
(例えば、ユーザーが迷っているから滞在時間が長いとか)
ページの滞在時間
閲覧開始して、次のページに遷移するまでの時間
サイトの滞在時間
サイトに訪問して、別のサイトに遷移するまでの時間
離脱ページの罠
Google Analyticsに限らず、ほとんどの解析ツールでは、サイトを離脱したことはわかりますが、離脱した時間を正確に測定することはできません。そのため離脱ページの滞在時間は測れません。
Google Analyticsの場合、離脱ページの滞在時間は0分として、滞在時間を算出しています。
下図の例では、PVは3ですが、滞在時間は2ページ分しか測定されていないことになります。
ご注意ください。
CTR(Click Through Rate/ クリックスルーレート)
URLとかバナーがどれだけクリックされたかを示す指標
何を母数とするかの定義が曖昧だったりするが、基本的には
CTR=クリック数÷表示回数
バナーが100回表示されて、そのうち20回クリックされたら、CTR=20÷100=20(%)
CVR(Conversion Rate/コンバージョンレート)
顧客転換率ともいう
コンバージョンした率
Google Analyticsでは、セッション数で計算します。
CVR=コンバージョンしたセッション数÷全セッション数
だからコンバージョンって何よ?
コンバージョンとは、要するにユーザにやって欲しいこと
購入・資料請求・お問い合わせ・会員登録なんかをコンバージョンとして設定することが多いです。
マイクロコンバージョン(中間コンバージョン)
最終のコンバージョンに至るまでの中間点を「マイクロコンバージョン(中間コンバージョン)」として定義することもよく行われます
最終のコンバージョンに到るプロセスの、どこで離脱してしまうのか、どこにボトルネックがあるのかを探るには、マイクロコンバージョン(中間コンバージョン)の設定が大事
CVRあれこれ
Google Analytics的にはセッション数(訪問数)でCVRを計算しますが、目的によって算出方法がいろいろ
問い合わせ数は少ないけど、CVR高くて、契約件数稼げた・・みたいな会話にでてきたり、サイトに人は来るけど会員登録のCVRが低くて登録者数が伸びない、どこで離脱してるんだろう・・みたいな会話にでてきたり
- 件数でカウント(CVR=契約件数÷問い合わせ件数)
- 人数でカウント(CVR=会員登録者数÷サイト訪問者数(UU数))
CVRを指標として扱う場合は、どの数値をつかってカウントするかを明確にする必要があります。
DAU(Daily Active User)
1日にサービスを利用したユーザ(アクティブユーザ)数
SNSやスマホアプリなんかではよく使われる指標
MAU(Monthly Active User)
1ヶ月にサービスを利用したユーザ(アクティブユーザ)数
ファンくるでは、MAUを使うことが多いです。
アクティブとは
何をもって、アクティブとするのかは、サービスにより様々です。
ファンくるの場合は、「応募した」=「アクティブ」としています。
アクティブ率
アクティブ率といったときの、言葉の意味も様々です
アクティブ率=MAU➗総会員数
登録ユーザーのうち、どれぐらいの人がつかってくれているか
アクティブ率=MAU/ダウンロード数
アプリをダウンロードしたユーザーが実際にどの程度利用しているか
アクティブ率=DAU/MAU比率
Webサービスやアプリが、どれぐらいの頻度で利用されているか(スティッキネス(粘着性)
##LTV(Life Time Value /顧客生涯価値)
一人のユーザーさんが、生み出してくれる価値(利益)のこと
ECだと、例えば
LTV = 一回の平均収益 × 平均年間購入回数× 顧客の継続利用年数
のような計算式で算出できます。
この式だと、すごいざっくりなので、実際にはユーザセグメントや、獲得チャネル毎に細かくみていきます。
まとめ
これらの指標は、サイトの健康状態を表す値です。継続してみていくことが大事です。
(その瞬間の値だけでは、普段より良いのか、悪いのか判断できません)
また、同じ指標名でも、場合によって定義や算出方法が変われば、結果も意味も異なってきます。
コロコロ定義を変えてしまうと、継続性がなくなってしまいますので、
「何を測定したいのか」、各指標の定義・意味を正しく理解して、正しいコミュニケーションを