#概要
- 機械学習(主にディープラーニング向け)環境「PyTorch」をWindows使えるようにするまでのハンズオンです
- Windows環境にPythonやPyTorchや開発環境をインストールして最低限試せる環境を構築します
環境
- Windows 7,8,10
- CPU向け(GPU不要)
対象読者
機械学習どころか、PyTorchどころか、Pythonもはじめてという人
手順
Anaconda3 のダウンロード
AnacondaはPythonの環境を簡単に構築できるパッケージマネージャでPyTorchでもこれを推奨している。
以下のサイトよりAnacondaをインストールする。
ここでは、Python 3.7版のAnacondaをダウンロードする
Anaconda3のインストール
今回はC:\Anaconda3にインストールしたいので管理者権限でダウンロードしたexeを実行しインストール開始
画面に従ってインストールしていく。
しばらく待つ。
インストールがおわったら、
以下のディレクトリにパスを通す
C:\Anaconda3;
C:\Anaconda3\Scripts;
C:\Anaconda3\Library\bin;
Pytorchのインストール
以下のコマンドでPyTorchをインストールする
conda install pytorch-cpu torchvision-cpu -c pytorch
>conda install pytorch-cpu torchvision-cpu -c pytorch
Collecting package metadata: done
Solving environment: done
## Package Plan ##
environment location: C:\Anaconda3
added / updated specs:
- pytorch-cpu
- torchvision-cpu
The following packages will be downloaded:
package | build
---------------------------|-----------------
conda-4.6.14 | py37_0 2.1 MB
ninja-1.9.0 | py37h74a9793_0 263 KB
pytorch-cpu-1.1.0 | py3.7_cpu_1 79.2 MB pytorch
torchvision-cpu-0.3.0 | py37_cuNone_1 1.7 MB pytorch
------------------------------------------------------------
Total: 83.3 MB
The following NEW packages will be INSTALLED:
ninja pkgs/main/win-64::ninja-1.9.0-py37h74a9793_0
pytorch-cpu pytorch/win-64::pytorch-cpu-1.1.0-py3.7_cpu_1
torchvision-cpu pytorch/win-64::torchvision-cpu-0.3.0-py37_cuNone_1
The following packages will be UPDATED:
conda 4.6.11-py37_0 --> 4.6.14-py37_0
Proceed ([y]/n)?y
Proceed ([y]/n)?y
と聞かれるのでyを入力してエンター。
Downloading and Extracting Packages
torchvision-cpu-0.3. | 1.7 MB | ############################################################################ | 100%
ninja-1.9.0 | 263 KB | ############################################################################ | 100%
pytorch-cpu-1.1.0 | 79.2 MB | ############################################################################ | 100%
conda-4.6.14 | 2.1 MB | ############################################################################ | 100%
Preparing transaction: done
Verifying transaction: done
Executing transaction: done
無事にインストールが終了した。
jupyter notebookでPyTorchを使ってみる
PythonとPyTorchがインストールできたので、早速簡単なコードを書いてみる。
ここでは、簡単にコードを書いて実行できるツールJupyter Notebookを使っていく。
Jupyter Notebook はPythonのコード作成と実行、実行結果表示、自由コメント(Markdown)編集の3つの機能をそなえたツールで、気軽に利用できるので、Jupyter Notebook上で試す。
PyTorchプロジェクト用のディレクトリpytorch_pjを作る
mkdir pytorch_pj
cd pytorch_pj
ディレクトリに移動したら
jupyter notebook
でJupyter Notebook(ジュピターノートブック)を起動する。
これから、Python用のノートブックを作成する。
右上あたりにある New を押して、ポップアップしたメニューからPython3を選択
すると、もう1枚タブが開いて、以下のようなノートブック画面が表示される
さっそく、コードを書いてみる
from __future__ import print_function
import torch
x = torch.rand(5, 3)
print(x)
これは、ランダム値で初期化した5x3のテンソルを生成して表示するだけのコードとなる。
このコードをjupyter notebookのテキストボックスに貼り付ける
この状態で、ボタンをおすと、ソースコードを実行し、結果が表示される。
とても簡単に実行結果を確認することができ、これをもって、PythonとPyTorchが無事インストールされていることを確認することができた。
PyCharmでPyTorchを使う
前の章ではJupyter Notebookを試したが、本章では本格的なPython向けIDEである、PyCharmを使ってみる。
PyCharmはJetBrains社が開発・提供しており、WebStormやPHP Storm、Android Studioなど有名IDEとの姉妹シリーズとなる。
PyCharmには有償のProfessional版と無償のCommunity版があり、本稿ではCommunity版を導入する。
以下を開いて、Community版をダウンロードする。
(ダウンロードサイズは230MBくらい)
ダウンロードしたexeファイルを実行し、画面に従いインストールしていく。
インストールが終わったら、PyCharmを起動する
UIテーマを選び(すきなほうを)
プラグインインストール画面を経て(なにもインストールしなくてOK)
Start Using PyCharmをクリックするとPyCharm起動画面がでる。
起動画面で、右下のConfigureをクリック
Settings for New Projectsというウィンドウが開くので、左側ペインのProject Interpreterを選択する。
すると、上部Project Interpreterの選択ボックスがでてくるのでShow Allを選択する
右上の**+**ボタンを押す
開いたAdd Python Interpreterウィンドウの左側ペインでSystem Interpreterを選択し、**Interpreter:**がさきほどインストールしたAnaconda3のディレクトリ以下のPython.exeになっていることを確認して、OKをクリック。
すると、Project Interpretersウィンドウに反映されるのでここでもOKをクリック。
以下のように、Project Interpreterが設定された。
ここでOKを押すと以下のように、Updateing Python Interpreterとなり設定が反映される。(5分~10分程度かかる)
反映がおわると、ダイアログが閉じる。
プロジェクトのディレクトリを指定しをクリック。ここでは、ディレクトリはc:\temp\mytestとした。
使用するインタプリタを聞いてくるので、を選択。せきほど、設定したインタプリタを選択できる。
すると、プロジェクトが作成されるので、さっそくPythonファイルを新規作成する。
左上のディレクトリの上を右クリックして、New>Python Fileでexample.pyというファイルを作った。
そこにさきほどのPyTorch用のコードを書く。
エディタ上で右クリックしてコンテキストメニューを出し**Run 'example'**を選択すると、今書いたコードを実行できる。
ちゃんと実行され、結果が表示された。
まとめ
- Windows環境でPyTorchを使える状態にしました
- 開発環境(Jupiter Notebook,PyCharm)のインストールも行いそれらを使ってPyTorchの開発ができるところも簡単に確認しました
- PyTorch入門編にあるチュートリアルくらいならWindows PCのCPU環境でも十分試すことができます
本格的に機械学習をまわしたいならGPUがあると便利
今回は、手元のWindows PC用にCPU向けの環境を構築しましたが、CPUを使った機械学習で物たりなくなったらGPUの出番です。最近はGPUまでも無料で使える選択肢があります。
選択肢その1 Google Colabで無料GPUをつかう
- Google Colab をつかえば無料でGPU(TPU)使って機械学習をすることができます。
しかも、Jupyter Notebook方式なのでとっつきやすいです
https://colab.research.google.com
選択肢その2 専用機械学習GPUマシン
- 手元の専用マシンで好きなだけ学習ぶん回したい場合はLinux環境を準備するのがトラブルが少ないようにおもいます。
- 以下にLinux+GPUで本記事と同等の環境を作ることができる記事も公開しましたので、ご参考になればと思います。
ボーナスでたら、ゼロからLinuxのGPU機械学習環境を作る ~Ubuntu18.04のインストールからPyTorch実行まで全手順~