投稿論文「DWHとPostgreSQL,pandasを利用した免疫抑制・がん化学療法実施患者におけるB型肝炎ウイルス再活性化予防の取組み」についてポスター発表をしてきました。
ポスター発表とはまず学会に論文(抄録)を投稿し、採用された抄録についてプレゼン用のポスターを作成し、それについて5分程度で簡潔に内容の説明をするというものです。学会でそのような発表をした経験が無かったためかなり緊張しましたが何とか事無きを得ました。
特定の疾患に対するチェック機構の構築のため、電子カルテのデータベース(DWH)から必要なデータを抽出し、SQL及びスクリプト言語を使用してアラートファイル作成までを自動化する、というものです。自分的にはjupyter notebookを使用するなどかなり進んだことをやってるんじゃないかなと思ってます。
今回のシステムではB型肝炎再活性化を予防するための核酸アナログ投与または必要検査によるモニタリングを診療科に促すアラートの作成が目的となっています。手順としては
電子カルテDWHからデータ抽出(対象薬投与患者の抽出)
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PostgreSQLに格納
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case when式にてステロイド換算
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Python(pandas)にてクエリ実行
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クエリ結果をアラートファイルにまとめる(Pythonを使用)
となっています。アルゴリズムは日本肝臓学会策定の「免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン」に準拠しています。
http://www.jsh.or.jp/files/uploads/R2-HBV%20Ver2.2.pdf
作成したSQL文、Pythonによるコードは一部githubに公開しました。
https://github.com/riow1983/HBV-R
特にステロイド換算に対応しているところが特徴となっています。類似運用は多数報告されておりましたがステロイド剤のステロイド力価まで正確に把握するところまでは行っていませんでした。
オープンソースのPostgreSQLとjupyter notebookを使用しているためどの医療機関でも対応可能であるというところが特徴です。今後は専用サーバをHISネットワーク内に導入して作業の更なる省エネ化・バックアップ体制の強化を目指したいと思っています。