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個人開発で最初の10人のユーザーを見つけるために、AI Agentで探索プロセスを改善してみた

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はじめに

最近、個人開発における「最初のユーザー探し」について考える機会が増えました。

生成AIによって、アプリやSaaSを作るハードルは以前より大きく下がっています。

アイデアを考える。

↓

プロトタイプを作る。

↓

Webサイトを公開する。

この流れ自体は、以前より圧倒的に速くなりました。

しかし、実際に個人開発を続けていると、別の問題に気付きます。

それは、

「作ること」よりも「誰に届けるかを見つけること」の方が難しい

ということです。

個人開発で一番難しかったこと

以前は、良いプロダクトを作れば自然にユーザーが集まると思っていました。

しかし、実際には違いました。

どれだけ便利なツールを作っても、

  • その問題を本当に抱えている人は誰なのか
  • その人はどこにいるのか
  • どんな言葉で悩みを表現しているのか

が分からなければ、最初のユーザーには届きません。

特に初期段階では、

  • 広告費を使うことができない
  • 大きなコミュニティを持っていない
  • ブランド認知もない

という状態です。

その状態で必要なのは、

「すでに問題を感じている人を探すこと」

でした。

従来のユーザー探索方法

一般的には、以下のような方法があります。

SNS検索

XやRedditなどでキーワード検索する方法です。

例えば、

AI resume
AI video tool
productivity app

のようなキーワードを検索します。

しかし、ここには問題があります。

検索結果の多くは、

  • 製品紹介
  • ニュース記事
  • 宣伝投稿
  • すでに有名なサービスについての議論

でした。

コミュニティを手動で確認する

もう一つの方法は、コミュニティを直接確認することです。

例えばRedditの場合、

Subreddit確認
↓
投稿を読む
↓
問題を発見する
↓
プロフィールを見る
↓
ユーザー候補を判断する

という作業になります。

もちろん、この方法は有効です。

しかし、毎日数時間使っても確認できる投稿数には限界があります。

キーワード検索だけでは本当の需要を見つけにくい

ここで一つ気付きがありました。

ユーザーは必ずしも、自分が欲しいツール名で悩みを書いているわけではありません。

例えば、

AI履歴書作成ツールを探している人を見つけたい場合、

AI resume builder

で検索できます。

しかし、本当に困っているユーザーは、

I have applied to 50 jobs and still got no response.

How can I improve my resume?

のように書いているかもしれません。

つまり、

検索キーワード

ユーザーの本当の問題

ではない

ということです。

重要なのは、

「何を検索するか」

ではなく、

「どんな問題を抱えている人なのか」

を理解することでした。

そこで、AI Agentを使ってユーザー探索プロセスを改善できないか試してみることにしました。

AI Agentで構築したユーザー探索パイプライン

ユーザー探索の課題を整理した後、次に考えたのは、

「人間が数時間かけて行っている情報収集作業を、AI Agentで効率化できないか」

ということでした。

ただし、目的は完全自動化ではありません。

ユーザー探索では、

  • 本当に困っている人なのか
  • 今解決策を探しているタイミングなのか
  • 自分のプロダクトと相性が良いのか

という最終判断が必要です。

そのため、

AIには、

  • 探す
  • 情報を整理する
  • 問題を分析する

部分を担当させ、

人間は、

  • 判断
  • コミュニケーション
  • フィードバック取得

に集中する形を目指しました。

構築したユーザー探索フロー

今回作った流れは以下です。

flowchart TD

A[Product Idea]
↓
B[AI Agent]
↓
C[Community Search]
↓
D[Pain Point Analysis]
↓
E[User Intent Analysis]
↓
F[Potential User Discovery]
↓
G[User Interview]
↓
H[Product Improvement]

従来の方法では、

検索
↓
大量の投稿確認
↓
手動判断
↓
連絡

という流れでした。

改善後は、

AIによる候補発見
↓
問題内容の整理
↓
優先順位付け
↓
人間による確認
↓
ユーザーとの会話

という形に変更しました。

AI Agentに担当させた3つの処理

1. Problem Extraction(問題抽出)

最初の役割は、

「この投稿者は何に困っているのか」

を理解することです。

例えば、以下のような投稿があります。

I have tried several AI writing tools,
but none of them fit my workflow.

という投稿があります。

単純なキーワード検索では、

「AI writing toolについて話している投稿」

として処理されます。

しかし、内容を分析すると、

  • すでに複数サービスを試している
  • 現在の解決方法に不満がある
  • 新しい選択肢を探している

という情報があります。

これは単なる情報収集ではなく、

「解決策を探しているユーザー」

である可能性があります。

AI Agentには、投稿内容から以下の情報を整理させました。

  • 課題
  • 現在の解決方法
  • 不満点
  • 求めているもの

単純に投稿内のキーワードを見るのではなく、

「なぜこの人はこの投稿を書いたのか」

という背景まで理解することが重要でした。

2. User Intent Analysis(ユーザー意図分析)

次に重要だったのは、

「その人が本当にプロダクトを必要としているか」

という判断です。

コミュニティには大量の投稿があります。

しかし、すべての投稿者がユーザー候補になるわけではありません。

例えば、

情報収集目的の投稿:

What are the best AI tools in 2026?

このような投稿は、興味はありますが、すぐに解決策を求めているとは限りません。

一方で、

I tested three tools, but they are too expensive.

Is there any alternative?

という投稿の場合、

  • すでに既存サービスを試している
  • 現在の解決方法に不満がある
  • 代替案を探している

という状態です。

このようなユーザーは、初期ユーザー候補として価値があります。

AI Agentには投稿内容から、

  • 問題の強さ
  • 解決意欲
  • 現在利用している方法
  • 代替サービスを探しているか

などを分析させました。

3. User Matching(ユーザーマッチング)

最後のステップは、

「この人は自分のプロダクトの対象ユーザーなのか」

という判断です。

例えば、AI動画生成ツールを開発している場合でも、

すべての動画関連投稿者が対象になるわけではありません。

重要なのは、

  • なぜ動画を作っているのか
  • 現在どんな問題を抱えているのか
  • どんなツールを利用しているのか
  • 新しい解決策を試す可能性があるか

です。

つまり、単純なキーワード一致ではなく、

Keyword Match

↓

Problem Match

↓

User Need Match

へ変えることを目指しました。

利用したAI Agentツール

今回、このユーザー探索フローを実現するために、

AI AgentツールとしてAgenmaticを利用しました。

役割分担は以下のような形です。

工程 役割
Community Search 関連する議論を発見
AI Agent 投稿内容を分析
Problem Analysis ユーザーの課題を整理
Intent Analysis 優先順位を判断
Human Review 最終判断・連絡

重要だったのは、

AI Agentに「ユーザーを決めてもらう」ことではありません。

大量の情報の中から、

「見るべき場所を教えてもらう」

ことでした。

最初に失敗したこと

AI Agentを使えば、すぐに良いユーザー候補が見つかると思っていました。

しかし、実際に試してみると、いくつかの問題がありました。

AIを導入するだけでは、ユーザー探索の問題は解決しませんでした。

重要だったのは、

「AIに何を探させるか」

「どの情報を重要視するか」

を設計することでした。

失敗1:キーワード検索だけに頼っていた

最初は、

「正しいキーワードを設定すれば、ユーザーを見つけられる」

と考えていました。

例えばAI関連サービスの場合、

AI tool
AI generator
AI automation

のようなキーワードで検索します。

しかし、実際には多くの重要な投稿を見逃していました。

なぜなら、ユーザーは必ずしもプロダクト名や技術名で悩みを書かないからです。

例えば、

I spend 3 hours every week doing this manually.

という投稿。

ここには、

AI

Automation

Tool

という言葉はありません。

しかし、

「現在の作業に時間がかかっている」

という明確な課題があります。

そこで検索対象を、

Keyword

から、

Problem
Context
Intent

へ変更しました。

失敗2:投稿数が多ければ良いと思っていた

次に失敗したのは、

「たくさんの投稿を集めれば、良いユーザーが見つかる」

と思っていたことです。

しかし、実際には、

1000件の関連投稿を見るより、

10件の強い課題を持った投稿を見る方が価値があります。

例えば、

What AI tools are popular?

という投稿より、

I tried several tools but none solved my problem.

という投稿の方が、初期ユーザー候補として重要です。

必要だったのは、

情報量ではなく、

問題の強さ

でした。

失敗3:AIの判断をそのまま信じていた

AI Agentを使い始めた頃は、

AIが良いユーザー候補を判断してくれる

と思っていました。

しかし、AIにも限界があります。

文章だけを見ると困っているように見えても、

実際には単なる情報収集の場合があります。

逆に、

短い投稿でも、

すでに複数サービスを試していたり、

具体的な不満を書いている場合があります。

そのため現在は、

AI

↓

候補整理

↓

人間確認

↓

コミュニケーション

という流れにしています。

AIは大量の情報処理が得意です。

しかし、

「この人に連絡するべきか」

という最後の判断は、まだ人間が行う必要があります。

改善後のユーザー探索ループ

改善前:

キーワード検索

↓

大量の投稿確認

↓

手動判断

↓

アプローチ

改善後:

Product Idea

↓

AI Agentによる探索

↓

問題・意図の分析

↓

優先度付け

↓

人間による確認

↓

ユーザーとの会話

↓

フィードバック取得

一番大きかった変化は、

「ユーザーを探す」

という考え方から、

「問題を抱えている人を理解する」

という考え方に変わったことです。

実際に初期ユーザーを探してみたケース

ここまでの仕組みを使って、実際に初期ユーザー探索を試しました。

対象にしたのは、

AIを活用した履歴書作成サービスです。

最初は、

AI Resume
Resume Builder
AI Job Search

のようなキーワードで検索していました。

しかし、見つかった投稿の多くは、

  • AIツールの紹介
  • サービス比較
  • ニュース共有

でした。

そこで検索方法を変更しました。

探したのは、

「AI履歴書ツールを探している人」

ではなく、

「就職活動で履歴書作成に困っている人」

です。

すると、

I have applied to many jobs,
but I don't know why my resume is not working.

のような投稿が見つかりました。

この投稿には、

AI

Resume Builder

という言葉はありません。

しかし分析すると、

  • 就職活動中
  • 現在の方法に不満がある
  • 改善方法を探している

という明確な課題がありました。

これは、単純なキーワード検索では見つけにくいユーザーでした。

初期ユーザー探索で重要だったこと

この経験から、初期ユーザーを探す時に重要なのは、

「自分のプロダクトについて話している人」

を探すことではないと感じました。

むしろ重要なのは、

「自分のプロダクトが解決できる問題について話している人」

を探すことです。

例えばAI動画生成ツールの場合、

探すべきなのは、

AI video generator

という投稿だけではありません。

本当に価値がある可能性があるのは、

I spend too much time editing videos.

Creating short videos takes me hours.

のような投稿です。

ユーザーは、問題をプロダクト名で検索しているわけではありません。

多くの場合、

「困っている状況」

から始まります。

今後改善したいこと

現在のAI Agentによるユーザー探索フローも、まだ改善途中です。

1. 対応コミュニティの拡大

現在は主にRedditを中心に探索しています。

しかし、初期ユーザーが存在する場所は一つではありません。

今後は、

  • Hacker News
  • Indie Hackers
  • X
  • Discord
  • 専門コミュニティ

などにも広げたいと考えています。

コミュニティごとにユーザーの行動や投稿スタイルは異なるため、

それぞれに合わせた分析が必要になります。

2. ユーザー意図分析の精度向上

現在は投稿内容から、

  • 問題の強さ
  • 解決意欲
  • 現在の代替手段

などを分析しています。

今後はさらに、

  • 購入タイミング
  • 利用中サービスへの不満
  • 予算感
  • 緊急度

なども判断できるようにしたいです。

3. ユーザーとの会話データを活用する

初期ユーザー探索で最も価値がある情報は、

実際の会話から得られるフィードバックです。

そのため、

探索

↓

ユーザー発見

↓

会話

↓

課題理解

↓

プロダクト改善

というサイクルをより高速に回せる仕組みを作りたいと思っています。

まとめ

今回、AI Agentを使って個人開発における初期ユーザー探索プロセスを改善してみました。

実験を通して分かったことは、

「AI Agentがユーザーを自動的に見つけてくれる」

ということではありません。

本当に重要だったのは、

AIを使って、

大量の情報の中から、

「今話を聞くべき人」

を効率的に見つけることでした。

生成AIによって、プロダクト開発のスピードは大きく変わりました。

しかし、個人開発で成功するために必要なのは、

単純に速く作ることだけではありません。

誰のどんな問題を解決するのか。

その問題を抱えている人はどこにいるのか。

そして、その人の声をどうプロダクト改善につなげるのか。

これからの個人開発では、

開発能力だけではなく、

ユーザー理解の能力もますます重要になると感じています。

AI Agentは、そのユーザー理解を支援するための新しい開発パートナーになれる可能性があります。

今後も、AIを活用した個人開発のプロセスを改善しながら、

より効率的なユーザー探索方法を検証していきたいと思います。

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