はじめに
Oracle Database のデータをリアルタイムに別のデータ分析基盤や外部のオブジェクトストレージ(S3等)へ連携したい、というニーズは年々高まっています。本記事では OCI GoldenGate for Distributed Applications and Analytics(GoldenGate for DAA、旧称 GoldenGate for Big Data) を使って、Oracle Database をソースに、Snowflake や Amazon S3 Tables へ Apache Iceberg 形式 / Parquet 形式 でデータ連携したいという方向けに、簡単な構成イメージや見積もりの考え方について整理します。
特に「異種DB間の連携ではGoldenGateのデプロイメントが分かれる」という、初見だと見落としがちなアーキテクチャ上のポイントについても解説します。
OCI GoldenGate for DAA とは
OCI GoldenGate は、リアルタイムの異種間データレプリケーション/統合を実現するフルマネージドサービスです。その中でも GoldenGate for DAA は、Oracle Database から Databrics、Snowflake にデータ連携を行ったり、Iceberg TablesをOCI Object Storage / AWS S3 tables へ配信するなどが可能となります。
- GoldenGateの機能
- GoldenGate for DAA 26aiによるOCI Object Storage上のApache Iceberg
- Oracle GoldenGate for Distributed Applications and Analytics 26ai 提供開始の発表
OCI GoldenGate ビッグ・データ接続の種類一覧
出典: ビッグ・データ接続 - Oracle Cloud Infrastructure GoldenGate(2026年時点)
| # | 接続先テクノロジ |
|---|---|
| 1 | OCI キャッシュ・クラスタ |
| 2 | OCI ストリーミング |
| 3 | Apache Kafka を使用した OCI ストリーミング |
| 4 | Oracle AI Data Platform |
| 5 | Oracle API for MongoDB |
| 6 | Oracle Autonomous AI JSON Database |
| 7 | Oracle JSON コレクション |
| 8 | Oracle NoSQL |
| 9 | Oracle Object Storage |
| 10 | Oracle WebLogic Java Message Service (JMS) |
| 11 | Amazon DocumentDB |
| 12 | Amazon Kinesis |
| 13 | Amazon Redshift |
| 14 | Amazon S3 |
| 15 | Apache Iceberg |
| 16 | Apache Kafka |
| 17 | Confluent Kafka |
| 18 | Confluent Schema Registry |
| 19 | Azure Cosmos DB for MongoDB |
| 20 | Azure Data Lake Storage |
| 21 | Azure Synapse Analytics |
| 22 | Azure Event Hubs |
| 23 | Databricks |
| 24 | Elasticsearch サーバー |
| 25 | Google BigQuery |
| 26 | Google Cloud Storage |
| 27 | Google Pub/Sub |
| 28 | Hadoop Distributed File System (HDFS) |
| 29 | Microsoft Fabric Lakehouse |
| 30 | Microsoft Fabric Mirror |
| 31 | MongoDB |
| 32 | Redis |
| 33 | Snowflake |
※ 対応接続はリリースごとに追加・更新されるため、最新情報は公式ドキュメントをご確認ください。
データ変換
GoldenGateを使ってデータ連携する際には、データフォーマットの変換が可能です。ターゲットの接続先毎に詳細なルールを確認する必要があります。
-
OCI Object Storageの場合
Oracle Object Storageターゲット用のReplicatの追加- delimitedtext
- json
- json_row
- xml
- avro_row
- avro_op
- avro_row_ocf
- avro_op_ocf
- parquet
※追加プロパティを適用する必要があります。詳細は、「Oracle Object StorageのParquet」を参照してください。
-
AWS S3の場合
Amazon S3のReplicatの追加
出力のフォーマット方法を選択可能です。- delimitedtext
- json
- json_row
- xml
- avro_row_ocf
- avro_op_ocf
- parquet
※追加のプロパティを適用する必要があります。詳細は、「Amazon S3のParquet」を参照してください。
アーキテクチャ:異種DB間ではデプロイメントが「分かれる」
OCI GoldenGate の Deployment(デプロイメント) には、ソース/ターゲットの技術に応じたタイプがあります。
デプロイメントとは、「レプリケーション処理(Extract / Replicat など)を動かすための実行環境(インスタンス)のことです。実際にはCompute上にデプロイします。
Connection(接続)のタイプは、デプロイメントタイプと紐づいています。例えば、Oracle DB間であれば一つのデプロイメントとなりますが、異種間連携のユースケースでは、複数のデプロイメントを用意する必要があります。
価格(見積もり)
OCI GoldenGateは、時間単位でのCPUのリソース課金となります。
https://www.oracle.com/jp/cloud/costestimator.html
カテゴリは、「Integration」より、「GoldenGate」を選択します。

-
Oracle DB -> snowflake 連携の場合、異種間DBということで、デプロイメントが2つになるため、以下の計算式となります。
(4ocpu ✖ 744時間)✖ 2デプロイメント
まとめ
本記事では、OCI GoldenGate for DAA を使って Oracle Database から Snowflake や Amazon S3 Tables などにデータ連携する際の構成と見積もりの考え方を整理しました。ポイントは以下の3点です。
- 多彩な接続先と柔軟なデータ変換: GoldenGate for DAA は Snowflake・S3・Iceberg をはじめ多数のビッグ・データ接続をサポートし、ターゲットに応じて Parquet や JSON などのフォーマットへ変換して配信できます。
- 異種DB間ではデプロイメントが分かれる: Oracle → Snowflake のような異種間連携では、ソース用とターゲット用で複数のデプロイメントが必要になります。Oracle DB同士の連携の場合は、一つのデプロイメントで対応できます。
- 見積もりはデプロイメント数を前提に: OCI GoldenGate は OCPU の時間単位課金です。異種間連携ではデプロイメントが2つになるため、コストもその分(デプロイメント数 × OCPU × 稼働時間)で見積もる必要があります。
リアルタイムなデータ連携基盤を検討する際の参考になれば幸いです。実際の構成手順や設定値は、本文中の公式ドキュメント・ブログもあわせてご確認ください。

