1. はじめに
こんにちは。最近メインPCをMacBook Air 2020(Intel)から、Mac mini M4に買い替えました。(超静かでめちゃくちゃ快適になった!!)
…が、とある事情で500GBほどのデータを64GBのUSBメモリを使って、データコピー作業を何度も繰り返さないといけない羽目になってしまいました。
その際に、どうしてもUSBメモリの容量が小さいので、何度もデータを削除して書き直さなければなりません。
ここで出てくるのがフォーマット(=記憶領域の初期化)です。1
フォーマットには様々な形式があり、どれかひとつを選択して実施します。
しかしいずれも何を意味して、どう異なるのかさっぱりわからなかったので調べてみました。結果として、各フォーマットの特徴やOSとの相性など、勉強になったことが多いので記事にして残しておこうと思います。
2. フォーマットってそもそも何をしているの?
フォーマットは言ってしまえば、SSDやHDD、USBメモリといった記録メディアを初期化する処理のことです。ただし初期化とは、データをすべて消去することのみではありません。
フォーマットでやっていることを以下にざっくりまとめてみましょう。
- データがあればそれらを全て削除する
- データをどのように管理・保存するかを決める
つまりフォーマットを実施しておかないと、どういうルールで保存するのか、データの読み出し方などが無定義状態となってしまいます。要は「メディアを使えるようにするための初期設定」をしています。
上記のように、記録メディアの使用前にフォーマットは必要不可欠なのですが、意識したことがない方、はたまた知らなかったという方もいらっしゃるかもしれません(私も深く考えたことはありませんでした)。
なぜなら私たちが購入したスマホやPCに内蔵されているストレージは、既にフォーマットが完了しており、外付けのUSBメモリなどを購入したとしても、フォーマット済みになっていてすぐに使える状態になっているものも多いためです。
3. 主なフォーマット形式
● NTFS (NT File System)
Microsoftによって開発、1993年導入。最大ファイルサイズは8PB。
Windows標準のファイルシステムで、ジャーナリング機能によるデータ保護、大きなファイルのサポート、圧縮や暗号化などの機能が豊富。
Windows環境でのみ使用するなら、これ一択でほぼ問題なし。
● FAT32 (File Allocation Table 32-bit version)
Microsoftによって開発、1996年導入。最大ファイルサイズは4GB。
Windows98以降やmacOSなど、多くのデバイスと互換性があるが、扱えるファイルサイズが最大4GBと相当小さい。買ってきたUSBメモリに大容量の動画をコピーしようとして、弾かれるのはこいつのせい。後述のexFATにフォーマットし直すのがおすすめ。
● exFAT (extended File Allocation Table)
Microsoftによって開発、2006年導入。最大ファイルサイズは128PB。
FAT32の最大ファイルサイズ制限が撤廃。WindowsとMac両方で使うデバイス(USBメモリ・SDカード)ならこちらを選択すべし。
● HFS+ (Hierarchical File System Plus)
Appleによって開発、1998年導入。最大ファイルサイズは8EB。
macOSでのみ対応。Macのディスクユーティリティでは「Mac OS 拡張(ジャーナリング)」と表記されることも。
ジャーナリング機能、ファイル単位での暗号化も可能。しかしmacOS High Sierraで、後述のAPFSが標準となり、macOS Mojaveでは、ついにHFS+は起動ボリュームに設定不可となってしまった。
● APFS (Apple File System)
Appleによって開発、2017年導入。最大ファイルサイズは8EB。
最大ファイルサイズは先代のHFS+と同様だが、フラッシュメモリおよびSSDに最適化されており、暗号化に重点を置いて開発された。現在のiOS、watchOSなども標準でAPFSを採用している。Apple環境オンリーならこちら。
● XFS (eXtents File System)
シリコングラフィックスによって開発、1994年導入。最大ファイルサイズは8EB。
シリコングラフィックスが開発し、同社のIRIX v5.3にて初導入された。現在も主にLinuxで使用されている。ジャーナリングも搭載。
● Btrfs (B-tree file system)
オラクルによって開発、2009年導入。最大ファイルサイズは8EB。
Linuxに対応。耐障害性、修復機能に優れ、スナップショット機能が備わっているため、一部のNASなどで利用されている。2010年のサン・マイクロシステムズ吸収合併により、ZFSと社内で競合してしまっているらしい。
4. おしまい
以上、簡単にファイルシステムのフォーマットについてと、フォーマット形式のご紹介でした。
今回は各フォーマットがどのように論理ブロックに分割するのかだったり、ファイルシステムの基礎構造についてはほとんど触れず、用途や機能メインで記載しました。
自分の環境や使用するデバイスによって、最適なものを選択して使用していきましょう!
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ちなみに今回はフォーマットを使用してUSBメモリのデータ削除を行っていましたが、普通にUSB内のデータを全削除しても問題はありません。ただ、通常削除だと謎に消しきれていないファイルが残ってしまうなど、今回の使用用途だと若干微妙なことが起こり得る場合もあります。
一方でフォーマットは完全な初期化であるため、「毎回全容量ちゃんと使えて嬉しい!」となるわけです。 ↩