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連載の構成
- この記事は、マネジメントについて一人で考える Advent Calendar 2022の連載記事です
- 1記事目から読んでいただいても良いですし、気になる記事から読んでいただいても問題ありません
- 全25回分の構成は、次の通りです
- 第1〜6回:ドラッカーの『マネジメント』を中心に解説します
- 第7〜13回:『図解人材マネジメント入門』を中心に解説します
- 第14〜22回:『エンジニアのためのマネジメントキャリアパス』を中心に解説します
- 第23〜25回:私の経験談を中心に、まとめに入ります
ドラッカーとは
- マネジメントに携わる役割を担っていると、ほぼ間違いなく聞いたことある"ドラッカー"
- 結論、ドラッカーは人名です
- また、マネジメントに関するドラッカー著作を指して、"ドラッカーを読め"のように言われることもあります
ピーター・ファーディナンド・ドラッカー(Peter Ferdinand Drucker、ドイツ語名:ペーター・フェルディナント・ドルッカー 、1909年11月19日 - 2005年11月11日)は、オーストリア・ウィーン生まれのユダヤ系オーストリア人[1]経営学者。「現代経営学」あるいは「マネジメント」(management) の発明者。
引用:ピーター・ドラッカー - Wikipedia
- ちなみにたまに間違われていますが、ドラッガーではなくドラッカー(drucker)です
- Qiitaのタグで"ドラッカー"を付けようとすると"ドラッガー"に引っ張られて勝手に正規化されてしまうので、フルネームでタグ登録しています
ドラッカーの記事を書く理由
- Qiitaはエンジニアのためのサービスなのに、なぜドラッカーの記事?関係ある?
- 結論、前の記事で書いた通りです
- エンジニアのためのマネジメントキャリアパスのような名著もありますが(この連載第14〜22回で解説します)、STEP2と捉えています
- ドラッカーが小学校教育で、EM系の本は中学校教育
- 連立方程式を解くためには、まずは基礎の基礎である四則演算ができないと話になりません
- マネジメントに関する座学は学校教育で学んだ経験が無い方ばかりなので、まずはドラッカーから話をする必要があると考えています
なぜドラッカーなのか
- ドラッカー以外にも、マネジメントに関する書籍は世の中に多くあります
- その中でドラッカーを敢えて取り上げる理由は何でしょうか
- 上で引用した通り、ドラッカーはマネジメントの発明者と言われています
- 今や当たり前に使われている"マネジメント"や"マネージャー"という言葉、他にも身近なところだと"MBO"なんかもドラッカー発の概念です
- エンジニアリングマネージャーに関する今回の連載において、
- エンジニアリング + マネージャー
- つまりマネージャー部分の基礎として、ドラッカーは避けて通れない道です
ドラッカーがマネジメントを「発明」したとされるのには、二つの意味がある。一つはフレームワーク、あるいは体系を確立したという意味での発明、もう一つはスキルを生み発展させたという意味での発明である。
実際、マネジメントに関するコンセプトやスキルとは八割以上がドラッカー由来であり、多くの経営学者、マーケティング、戦略の専門家がそのことを事実として受け入れている。
引用:『ドラッカー入門 新版』(上田惇生, 井坂康志著)より
- それでは早速、ドラッカーを引用しつつ、マネジメントについて考えていきましょう
マネジメントとは何か
- マネジメントって何ですか?
- と聞かれて、すらすら即答できるマネージャーは案外少ないはずです
- 管理すること?
- リーダーシップを発揮すること?
- 成果を発揮すること?
- 結構、人によって定義が分かれるでしょう
辞書を引いてみるとManageはman(手)でage(為る)ことから、馬術、馬を手綱で操ることとあります。そしてmanage to doとは「なんとかして(どうにかして)~する」。自分の手によって困難な状況をなんとかするもの、それがマネジメントの語源です。
引用:図解 人材マネジメント入門 人事の基礎をゼロからおさえておきたい人のための「理論と実践」100のツボ
ドラッカー著作のほとんどを翻訳してきた上田惇生氏の講演で、私は「なぜ“management”という言葉が日本では『管理』と訳されているのでしょうか」と質問したことがあります。上田氏の答えは「私は自分の翻訳の中で“manage”という言葉を『管理』と訳したことは一度もない。“management”という言葉に対応する適切な言葉は漢語にも大和言葉にもないのです」というものでした。そろそろ私たちも、“management”とは「管理」ではなく、「どうにかこうにか何とかしていくこと」だと、認識を改めるべきではないでしょうか。
引用:(第2回)「マネジメント」は管理することではない
- これらを元に考えると、マネジメントとは
- どうにかする
- なんとかする
- よしなにする
- のような表現になりそうです
- 少なくとも、"管理"と訳すのは避けた方が良いでしょう
- あくまでも管理はそのための手法の1つに過ぎないので
ドラッカー著作はどこから手を付けるべきか
- ドラッカーの本は一般のビジネス書よりやや厚かったり難解なことも多いです
- そして70冊近く書籍が出ているので、どれを読んだらいいか分かりづらいです
- 私も全て読んだわけではないですが、入り口としてのオススメは『もしドラ』ですね
- そこからマネジメント エッセンシャル版へ入っていくことを勧めます
- 他にもいろいろな媒体や書籍があるので、そのあたりは過去記事で触れています
終わりに
- 次回はマネージャーとは何か?に触れていきます
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