ライトニングトークのススメ(意義編)の続きです
LT発表までの流れ
前回の記事の続きです。
初めてのLT!
と言えど、何を話せばいい?どう構成すればいい?どう喋ればいい?と、テクニックに関する悩みは多いはず。
全体の流れですが、
- 目的・テーマを決める
- 話す内容を整理する
- 資料を作る
- 練習する
- 本番
となります。
1. 目的・テーマを決める
まず目的を定めます。
- 聴衆は誰か?
- どれくらいの理解度か?
を踏まえ、誰に何を伝えたいか? を想像します。
その目的次第で、話すテーマも、伝えるべきメッセージも変わってきます。
例えば会社紹介のプレゼンをするとして、
- 会社説明会で学生に向けてするプレゼン
- そもそも会社の存在を知らない、知っていても事業内容まで知らない人が多いので、基礎的なところから
- 入社者研修で、新入社員に向けてするプレゼン
- 理念とかざっくりどんな事業やっているか知っているので、その詳細を伝える
- 同じ事業部の人に、仕事内容を伝えるプレゼン
- 会社の全体像は知っているので、よりツッコんだ内容を伝える
と、レベル感によって内容が大きく変わります。
そのため、必ず目的を最初に定めましょう。
目的が決まったらテーマを決めます。
まずは、自分の得意分野で、聴衆が興味を持ち、スキルアップに繋がりそうなものにすると良いでしょう。
2. 話す内容を整理する
目的とテーマが決まったら、次に話を整理します。
よくやりがちなミスとして、テーマが決まったらいきなりパワポを開いて資料を作りはじめる…というパターンです。
パワポは文字サイズやレイアウト、画像挿入等いろいろ触りだすと時間を消費してしまい、話の全体像が見えづらくなったり、伝えたいメッセージを入れ忘れたりします。
そのため、最初はメモ帳にキーワードをバーっと並べていくか、パワポで作るにしても大枠の流れを書いていき、いきなり内容をガッツリ書こうとしないようにしましょう。
キーワードが揃ってきたら全体の構成を考えます。
よく使われる話の組み立て方として、PREP法とSDS法があります。
PREP法
- Point(要点)
- 例)ライトニングトークは、視聴者のためだけではありません。発表者自身のスキルアップにも繋がります。…
- Reason(理由)
- 例)なぜなら、人に教えようと伝える工夫をする過程で、トークテーマに対する理解が深まるからです。…
- Example(例)
- 例)例えば後輩とのペアプロをしている中で、質問に答えられず調べたら新しい知識を得た経験はありませんか?…
- Point(要点)
- 例)以上のことから、スキルアップをしたいエンジニアにとって、ライトニングトークで発表することに大きな意義があります。…
のように構成するやり方です。
本記事の「1. 目的・テーマを決める」もその流れで構成しています。
これにより、いつまで経っても結論が聞けなくて視聴者のフラストレーションが溜まるようなことなく、スッと理解ができる構成になります。
SDS法
- Summary(概要)
- 例)プログラマには、三大美徳と呼ばれる思想があります。それは…
- Details(詳細)
- 例)1つ目は〜、2つ目は〜、3つ目は〜、…
- Summary(概要)
- 例)以上のことから、一見ダメなように思える言葉でも、プログラマはこの思想を大切にしています。…
この記事も大枠ではSDS法の構成で、
- 最初のブロックで全体の流れが1. 目的・テーマを決める 〜 5. 発表
- 1.から5.の詳細解説
- 最後に再度まとめ
という流れです。
これにより、全体像見えていない中で延々と話をされるより、全体のどこを喋っているのか理解しやすく、記憶に残りやすい構成となります。
3. 資料を作る
パワポで資料を作るはずですが、いくつかアンチパターンを置いておきます。
3-1. やたら凝ったパワポテーマを使ったり、いろんな色を使わない
かっこよく見せようとパワポテーマをいろいろ変えるケースが多いですが、素人がやると逆効果です。
単色黒文字とかでOKです。
色も多くて3色。基本フォントカラーと、強調したいところに使う1〜2色程度で。
3-2. 小さい文字を使わない
デフォルトのパワポテーマの文字サイズだとやや小さいので、16pt〜をおすすめします。
小さい文字は主張が弱々しく見えるデメリットもありますし、このご時世だとあまり関係ないですがリアルイベントでプロジェクターを使って発表するケースだと、小さい文字は後ろの方の視聴者が全然読めないです。
3-3. 話す内容とパワポ内容に大きな乖離を作らない
書いてあることは3行なのに、そこに書いていないことを延々と喋るパターンや、10行ぐらいびっちり書いてあるのに全く触れないとか、やたらグラフ多くてどこに注目させたいのか分からないとか…
結構やりがちなミスなので、1スライド1メッセージを心がけて、スライドにないことはあまり喋りすぎないようにしましょう。
採用しても面白いかもしれないテクニック
- 高橋メソッド
- 発表形式のフォーマット。日本Rubyの会の高橋さん発祥。スライドにバカでかい文字でセンタリングした1メッセージのみ、図やグラフを使わない
4. 練習する
あとは発表練習。
発表練習は怠らないようにしましょう。
原稿用意して読む形式だと台本読んでる感が出て感情が出づらいので、台本なんか無くてもスライド見ながら喋れるぐらいまで練習すると、伝わりやすい発表になります。
また、発表練習は多くの方に聞いてもらうと良いでしょう。
自分では気づけなかった喋りの癖や伝わりづらい点を指摘してもらいやすいです。
特に、「あー」「えー」という『言葉のひげ』を無意識に付けて喋ってしまう人は指摘してもらって矯正していくと良いです。
言葉のひげは集中力を欠く大きな要因となり、せっかく良い内容でも伝わりづらくなります。
5. 本番
あとは本番あるのみ。
明るくハキハキと。
また、スライドは戻らず一方通行が良いです。戻ると、これもまた集中を欠く要素になってしまうので。
ライトニングトークは以下の5ステップで準備するということをお伝えしました。
- 目的・テーマを決める
- 話す内容を整理する
- 資料を作る
- 練習する
- 本番
是非ライトニングトークに挑戦してみてください。