はじめに
2025年3月の Pixel Feature Drop で Google Pixel 端末に Linux ターミナルが追加されました。これにより、Linux ターミナルで様々な Linux コマンドを実行できるようになりました。
前回の記事 Google Pixel の Linux ターミナルを使って AWS Bedrock API を実行する では、Linux ターミナルを使って AWS Bedrock API を実行する方法を紹介しました。
今回の記事では、Linux ターミナルを使って Amazon Q Developer のチャットを実行する方法を紹介します。
参考情報
日本語訳のページは情報が少ないため、原文である英語ページを参照してください。
前提条件
- Android 15 を搭載した Google Pixel 端末
- 2025年3月の Pixel Feature Drop が適用済み
- 前回の記事などを参考に Linux ターミナルが起動する状態
環境構築
ドキュメントにある ZIP ファイルからのセットアップ を参考にセットアップを行います。
Ubuntu/Debian (Linux) の項目に deb パッケージを使ったインストール方法がありますが、これは ARM64 には対応していません。
ZIP ファイルからのセットアップ
ファイルのダウンロード
Linux ARM (aarch64) の項目にある URL からファイルをダウンロードします。
curl --proto '=https' --tlsv1.2 -sSf "https://desktop-release.codewhisperer.us-east-1.amazonaws.com/latest/q-aarch64-linux.zip" -o "q.zip"
ファイルの解凍とインストール
ダウンロードしたファイルを解凍し、インストールを行います。
unzip q.zip
chmod +x q/install.sh
./q/install.sh
実行ファイルは、droid ユーザーの ~/.local/bin
にインストールされます。
ドキュメントには以下のコマンドが書かれていますが、誤りです。おそらく、apt コマンドの手順をコピーして誤ったものと思われます。
chmod +x q/install.sh
sudo install -y q/install.sh
また、sudo ./q/install.sh
を実行した場合、以下の警告が表示されます。どうしても root 権限でインストールする場合は --force オプションが必要です。
Installing as root is not supported.
If you know what you're doing, run the command again with --force.
install.sh を実行すると、シェルの設定変更を自動的に行うか、Builder ID を使った無料版と有料版の選択を求められます。そして、認証を行うための URL が表示されます。この URL に別の端末からアクセスし認証を行います。Builder ID にログインしていない場合は、ログインを行ってください。
qterm を起動
install.sh により .bashrc
が更新されているので、変更を反映します。
source ~/.bashrc
q doctor
コマンドを実行すると以下のエラーが出力されます。
Amazon Q terminal integration: qterm is not running in this terminal. Please try restarting your terminal.
Q_TERM=
エラーメッセージのとおりターミナルを再起動するか、以下のコマンドを実行します。
.local/bin/qterm
エラーが解消されました。
チャットを実行
q
コマンドを実行すると、以下のような CLI オプションが表示されます。
q chat
コマンドを実行するとチャットを実行できます。日本語でも質問できますが、日本語だと回答が完了しないことがあったため、英語で質問することをお勧めします。
まとめ
Google Pixel 端末の Linux ターミナルで Amazon Q Developer のチャットを実行することができました。これがあれば、外出先で PC が使えない環境でも開発が捗るかもしれません。Pixel 端末をお持ちの方は是非試してみてください。