初めに
前回の続きです。
ネットワークを構成する装置
最もシンプルなネットワークは、コンピュータ同士をケーブルで直結しているものです。
ですがこれでは、計2台のネットワークしか構築できません。
もっと沢山のコンピュータに繋げたい場合はハブ
という機器を使わないといけませんし
インターネットに繋げたい場合はルータ
という機器が必要になります。
このように様々な機器を用いることでネットワークを構成することができます。
OSI基本参照モデルとの関係
先ほど出てきたハブやルータなどの機器は
OSI基本参照モデルの各階層に振り分けることが出来ます。
※第10回 OSI基本参照モデル――7階層による道案内で,データを迷わせない 参照
◯第1層 物理層
・LANケーブル
LANを構築するためのケーブルで、ハブやルータに接続するために用いられます。
・NIC(Network Interface Card)
コンピュータをネットワークに接続するための拡張カードでLANボード
とも呼ばれます。
最近では基本パーツの中にNICの機能が含まれており
LANケーブルを接続すればOKというものが多くなってきています。
役割としては、データを電気信号に変換してケーブル上に流したり、それを受け取ったりします。
つまり、コンピュータがネットワークでやり取りするためには必要不可欠
です。
NICをはじめとするネットワーク機器には
製造段階でMACアドレス
という番号が割り振られています。
これはIEEE(米国電気電子技術者協会)によって管理される製造メーカー番号と、自社製品に割り振る製造番号の組み合わせで出来ており、世界中で重複しない番号として保証されています
。
イーサネットでは、このMACアドレスを使って各機器を識別しています。
・リピータ
一方のケーブルから流れてきた電気信号を単純にもう一方のケーブルに送り出すという機器で
流れている電気信号を増幅
し、LANの総延長距離を伸ばします。
LANの規格では、10BASE5や10BASE-Tなどの方式ごとに総延長距離が定められており
それ以上の距離で通信すると信号が歪んでしまってまともに通信できません。
ですが、リピータを間に挟むことによって、この信号を整形して送ってくれます。
結果、信号の歪みを解消することができる訳です。
しかし、パケットの中身を確認せず、ただ電気信号を増幅するだけなので宛先関係なく送信してしまいます。
現在では単体の製品はなく、ハブに置き換わりました。
・ハブ
差込口(ポート)を複数持つコンピュータやプリンタなどのケーブルを集線する機器です。
LANの接続形態(トポロジー)のスター型で使われ、複数の端末のケーブルを一ヶ所に集約することが出来ます。
コンセントが沢山付いている延長コードみたいな感じですね。
内部にリピータを複数束ねているリピータハブ
と
後述するブリッジという機器を複数束ねたスイッチングハブ
の2種類があります。
リピータハブは、パケットが流れてくると無条件に全ての差込口(ポート)
に流しますが
対して、スイッチングハブは宛先のMACアドレスに該当する差込口(ポート)
にだけ流します。
◯第2層 データリンク層
・ブリッジ
リピータと同様に2つの差込口(ポート)があり、MACアドレスを学習します
。
そして、宛先のMACアドレスを持つ機器がどの差込口(ポート)にあるかを判断し、データをその機器に送ることができます。
◯第3層 ネットワーク層
・ルータ
異なるネットワーク(LAN)同士の中継役として、流れてきたパケットのIPアドレス(コンピュータの住所)情報を確認した後、最適な経路へと送ります。
ブリッジと似ていますが、ブリッジはあくまでMACアドレスが確認できる範囲内
で異なるLAN宛にデータは送れません。
ですがルータはパケットに付与されているIPアドレスを確認し、ルータ自身が持つ経路表(ルーティングテーブル)
と照らし合わせて最適な転送先を選びます。
このことを経路選択(ルーティング)
と呼びます。
ですがインターネットのように、接続されているネットワークが膨大な数となる場合には
直接、相手のネットワークに転送するのはまず不可能です。
なので、ルータ同士がバケツリレーのようにパケットの転送を繰り返し、目的地へと運びます
。
現実世界で例えると、郵便みたいな感じですね。
郵便ポストに手紙を入れたら、市の集配所に届けられます。
そこから県の配送センターで仕分けされ、宛先に先ほどの逆の手順で目的地へと送られます。
ルータの役割は、それぞれの地域(LAN)を担当する郵便局みたいなものです。
◯第4層以上
・ゲートウェイ
携帯のメールとインターネットの電子メールは互いにやり取り出来ません。
それはプロトコル(ネットワークを通じてコンピュータ同士がやり取りするための約束事)が違うから
です。
ですが、私も含めてみんな当たり前にやり取り出来ていますよね。
それはゲートウェイが異なるプロトコル間に位置して変換しているから
です。
翻訳家みたいな役割を担っています。
基本的には、第4層(トランスポート層)以上の変換をしていますが
必要であれば全階層を変換することもあります。
おわりに
今日はここまでです。
間違っている部分や気になるところがあればコメントして下さい。