#はじめに
今回は、英語論文を読むときにすこぶる便利な方法について紹介します。
若干攻撃力が高い題名になってますが、キャッチーな題名にしたかっただけです。すみません。
今回の内容が、皆さんの役に少しでも立てば幸いです。
最初に準備するソフトの解説をした後、そのソフトを使用して論文を読む具体的な方法について解説します。
#ソフトの準備
用意するソフトは2つです。
それは、DeepLという英語翻訳ソフトと、Mouse Dictionary というChromeの拡張機能です。
##DeepLについて
DeepLは、本当に優秀な翻訳ソフトです。これを知ってしまったら、もうGoogle翻訳には戻れません。
以下の翻訳が、Google翻訳とDeepLの比較です。
プログラミングの初心者でも、経験豊富な開発者でも、Pythonの学習と使用は簡単です。
プログラミングが初めての方でも、開発経験のある方でも、Pythonを使いこなすのは簡単です。
どちらの方が自然な翻訳に感じますか?恐らく、多くの方が下の翻訳の方が自然だと感じるのではないでしょうか。
上がGoogle翻訳の訳で、下がDeepLの訳です。
正直この程度の文章だとどちらを使っても良い感じに読めてしまうので、あまりDeepLの魅力が伝わらないかもしれませんが、難解な英語論文を読むときに、DeepLは真価を発揮します。
それではDeepLをこちらからダウンロードしてみましょう。
ソフトをダウンロードすると、Ctrl + Cを二回押すと翻訳できるようになります。この機能も便利ですよね。
しかし、DeepLにも弱点があります。それは、改行を認識してしまうため、訳がおかしくなってしまうことです。
試しに、論文の翻訳を見てみましょう。
機械学習と材料プロジェクトを用いて、安定性と準安定性に優れたペロブスカイト系材料の研究を行っています。
を用いて、ABO3化合物397化合物のデータセットを作成しました。最高性能の分類モデルである勾配ブースト決定
ツリー(GBDT)は397の化合物を143の非ペロブスカイトと254のペロブスカイトに94.6%の精度で分類することができます。
10倍以上のクロスバリデーションを行った結果、9つの記述子が成形性の優れた特徴であることがわかりました。
ペロブスカイト:許容係数、八面体係数、AとOの半径比、A-OとB-O結合長、電子陰性度
A-O(B-O)の差に、A(B)とOの半径比を乗じたものが、AとBのメンデリーブ数である。
891 ABO3の場合、GBDTモデルでは、331はペロブスカイト構造を有し、トップ174は確率≧85%の範囲内であると予測されている。さらに、凸部ハル(
Ehull)、37 熱力学的に安定な
を有するABO3ペロブスカイト
0 36 eV原子ハル<と13個の準安定ペロブスカイトを有する
36 70 E meVアトム船体 <
は、さらなる合成と応用が予測される。
手動で改行を消していけば、綺麗な訳にしてくれるんですが、面倒くさいですよね。
しかし、この改行を消す最良の方法があります。
こちらのサイトの右上のファイルを開く
から読みたいPDFファイルを開いてください。
もう一度DeepLにかけてみましょう。
機械学習と材料プロジェクトは、397のABO3化合物のデータセットに基づいて、安定で準安定なペロブスカイト材料を調査するために使用されています。最高性能の分類モデルであるGradient Boosting DecisionTree(GBDT)は、397化合物を143の非ペロブスカイトと254のペロブスカイトに分類することができた。 精度は94.6%であり、9つの記述子がペロブスカイトの成形性に関する優れた特徴であることを示している:許容係数、八面体係数、AとOの半径比、A-OとB-O結合長、A-O(B-O)の電子陰性度差にA(B)とOの半径比を乗じた値、AとBのメンデリーブ数。さらに、凸殻上のエネルギー(ffihull)に基づいて、熱力学的に安定なABO3ペロブスカイト37個(0EmeV原子036hull)と準安定なペロブスカイト13個(0EmeV原子3670hull)を予測し、今後の合成と応用が期待される。
良い感じに翻訳されましたね。
##Mouse Dictionaryについて
Mouse Dictionaryは、英単語にカーソルを合わせると自動的にその単語を辞書で調べた結果を表示してくれる拡張機能です。
上の画像だとカーソルが消えていますが、Whetherの部分にカーソルを合わせています。
こちらからインストールしてください。
また、Mouse Dictionaryの使い方については以下の記事を参考にしてください。
Chrome拡張の高速な英語辞書ツールをつくりました(Mouse Dictionary)
しかし、このMouse Dictionaryにも弱点があって、ブラウザでしか使用できません。
今回は、英語論文を読む方法
であり、また多くの論文はPDF形式です。これではMouse Dictionaryは使えませんね。
大丈夫です、PDFに対してMouse Dictionaryを使う方法、あります。
それは、こちらのサイトから、保存したPDFを開く方法です。
右上の赤い部分からPDFを開くを選択すると、その開いた論文に対してMouse Dicrionaryを使うことができます。
#実際にソフトを使用して論文を読む方法
こちらの論文を読む方法を考えます。
自分の場合、まず最初にDeepLで概要を掴んでから、Mouse Dictionaryで英語を読んでいきます。
DeepLの翻訳にかけましょう。
概要を掴んだら、実際に英語を読んでいきます。Mouse Dictionaryを使いましょう。
この方法を使えば、英語力が低くても論文を読むことができます。これからどんどん英語論文を読んでいきましょう。
#補足 スキャンされた論文を読む方法
大学生の皆さんなら分かると思います。
教授や准教授から「この論文面白いから読んでおいて」と言われて渡された論文が、スキャンされた論文だったときの絶望を...。
そうです、通常スキャンされた論文は文字がぐちゃぐちゃになっていて、まともに翻訳ソフトを使うことができません。
しかし、安心してください。スキャンされた論文を読む方法、あります。
以下に方法を解説します。
###スキャンされた論文をスクショする
論文をスクショしましょう。
Win + Shift + S
ボタンを同時に押すと起動する、Snip & sketch が便利です。
翻訳したい部分をスクショしたら、それを適当な場所に保存します。
###スクショをGoogleドライブにアップロードする
論文をスクショしたら、それをGoogleドライブにアップロードしましょう。
自分は、test.png
という名前でアップロードしました。
###Googleドキュメントで開く
ドライブにアップロードした後は、これをGoogleドキュメントで開きましょう。
右クリックした後に出てくる、アプリを開く
から選択します。
そうすると、以下のように文字認識をしてくれます。
###DeepLにかける
ここまで来たら、後は好きな翻訳ソフトにかけるだけです。
ドラッグして、DeepLにかけましょう。
#終わりに
ここまでで今回の記事は終了です。
今回の記事が、皆様の役に立つことを願っています。
さらによい論文の読み方があれば、コメント等でお知らせ頂ければ幸いです。
お疲れさまでした。