はじめに
今年の2月から、チームのリーダーを務めることになりました。それから半年ほど経ち、この一連のQiita記事でも書いてきたような技術的な課題や、複数チームを横断する調整の場面に数多く関わってきました。今回は、個別の技術トピックから少し離れて、この半年間でTLという立場そのものについて感じたことを振り返ってみます。
経験は「一度で身につく」ものではなかった
この半年を振り返って一番強く感じているのは、多くのことは、実際に一度失敗してみないと本当の意味で身につかないということです。
この記事シリーズで書いてきた技術的な話(BigQueryのCASTやslotの落とし穴など)も、マネジメント寄りの話(QA表の運用や複数チームの課題推進など)も、事前に「気をつけよう」と思っていたことであっても、実際に一度うまくいかない場面を経験して初めて、本当の意味で自分の中に落とし込めたと感じています。
知識として知っていることと、痛い思いをして身につけたことの間には、思っていた以上の距離がありました。今振り返ると、この半年は「うまくいかなかったことを一つずつ拾い集めて、次に活かす」の繰り返しだったと思います。
一人で抱え込まない、という判断
もう一つ、この半年で意識が変わったのは、自分がすべてを抱え込む必要はないということです。
TLになりたての頃は、技術的な調査もチーム間調整も、判断に迷う場面ではつい自分で巻き取ろうとしてしまいがちでした。ただ、実際にはメンバーに任せられる部分は任せた方が、結果としてチーム全体の動きが良くなる場面が多くありました。
任せることで、メンバー自身が「自分の担当領域として責任を持って動く」という状態になり、モチベーション高く取り組んでくれる場面も見てきました。抱え込みすぎないことは、単に自分の負荷を減らすためだけでなく、チームとしての動き方を良くするためにも必要な判断だったと感じています。
技術と調整、両方に足を置く難しさ
TLになってから感じた難しさの一つが、技術的な深掘りと、チーム間調整のどちらにも中途半端に関わってはいけないということでした。
BigQueryのMERGE周りの技術的な課題を自分の手で調査・検証する場面もあれば、複数チームのQA表を整理してマネージャーに報告する場面もあります。どちらも片手間でやると質が落ちるため、状況に応じて「今は技術的な深掘りに集中する時間」「今は全体調整に集中する時間」を意識的に切り替える必要がありました。
この半年で書いてきた技術記事と、マネジメント寄りの記事が両方存在しているのは、この半年間、実際にその両方に足を置き続けてきたことの表れだと思っています。
メンバーとの関わり方
メンバーのマネジメントについては、進捗管理の記事でも書いたとおり、「表に書いてあるから伝わっているはず」という前提を捨てることを繰り返し意識しました。
同時に、任せる部分は任せ、細かく管理しすぎないことも意識しています。メンバーが安心して相談できる、あるいは自分の状況を正直に共有できる関係性を作りながらも、任せた仕事には口を出しすぎない、というバランスは今も試行錯誤が続いています。
まとめ
TLとしての半年は、技術的な課題解決とチーム間調整の両方に関わりながら、
- 多くのことは実際に失敗してみないと身につかないこと
- 一人で抱え込まず、任せることでメンバーのモチベーションにもつながること
- 技術と調整、それぞれに集中する時間を意識的に切り替える必要があること
- 「書いてあれば伝わる」という前提を捨て、地道な運用でチームの関係性を作ること
を実感する時間でした。この一連の記事で書いてきた個別の技術・運用の工夫は、すべてこの半年間の経験から出てきたものです。今後も一度ずつの失敗から学びながら、チームとしての動き方を育てていきたいと思います。