月額$10〜$20を払わずにAIコーディングを実現する
GitHub Copilot(月額$10)やCursor(月額$20)が当たり前になってきたが、「プロプライエタリなツールにコードを送りたくない」「コスト削減したい」「モデルを自分で選びたい」という需要は根強い。
Continue.devはその答えのひとつだ。VS Code・JetBrains対応のオープンソース拡張で、Claude・GPT-4・Geminiといったクラウド系モデルはもちろん、OllamaやLM Studioで動くローカルLLMにも接続できる。設定はYAMLで完全にコントロール可能で、コードが自社環境の外に出ない構成も作れる。
2026年3月時点でGitHub Stars 22,000超。VS Code Marketplaceでのインストール数は300万を超え、「Copilotの代替」を超えて独自の地位を確立しつつある。
本記事ではContinue.devの導入から設定・4つのモードの実践的な使い方を解説する。
Continue.devが提供する4つのモード
Continue.devには用途に応じた4つのモードがある。
| モード | 用途 | ショートカット |
|---|---|---|
| Chat | コードについての対話・説明・質問 | Ctrl+L |
| Edit | 選択範囲のインラインリファクタリング | Ctrl+I |
| Autocomplete | インライン補完(Copilotと同様) | 自動発火 |
| Agent | 複数ファイルにまたがるタスク実行 | Chat画面から切替 |
CopilotのAutocomplete + Chatが合わさり、さらにAgent(自律型エージェント)まで含まれる。
インストール(VS Code)
VS Code Extensionsパネルまたはコマンドラインからインストールできる。
# コマンドラインの場合
code --install-extension Continue.continue
インストール後、サイドバーに Continue のアイコンが表示される。初回起動時にモデルのセットアップガイドが表示される。JetBrainsの場合は Plugins → Marketplace から「Continue」を検索してインストールする。
config.yaml の基本構造
Continue.devの設定はすべて ~/.continue/config.yaml(または .continue/config.yaml をプロジェクトルートに置くとプロジェクト固有設定)で行う。
# ~/.continue/config.yaml
models:
- name: Claude 3.7 Sonnet
provider: anthropic
model: claude-sonnet-4-5
apiKey: ${ANTHROPIC_API_KEY}
roles:
- chat
- edit
- apply
- summarize
- name: Qwen 2.5 Coder 1.5B
provider: ollama
model: qwen2.5-coder:1.5b
roles:
- autocomplete
- name: nomic-embed-text
provider: ollama
model: nomic-embed-text
roles:
- embed
ポイント:モデルごとに roles を割り当てることで、「チャットはClaude・補完はローカルモデル」という組み合わせが可能だ。Autocompleteにローカルモデルを使えばコードが外部に送信されない。
Chat モードの使い方
Ctrl+L でチャットパネルを開く。コードを選択した状態でショートカットを押すと、選択コードがコンテキストとして自動添付される。
# このコードを選択してCtrl+Lで質問する例
def calculate_discount(price, discount_rate):
return price - (price * discount_rate)
チャット例:
> このコードの問題点を指摘して、型ヒントを追加したバージョンを書いて
コンテキストに追加できる情報はコードだけではない。@ コマンドで様々なソースを参照できる。
@file src/utils.py の実装を参考にしながら、
@url https://docs.example.com/api を確認して
新しいAPIクライアントクラスを設計して
主な @ コマンド:
| コマンド | 内容 |
|---|---|
@file |
特定ファイルをコンテキストに追加 |
@folder |
フォルダ全体を追加 |
@codebase |
コードベース検索(embedモデルが必要) |
@url |
URLの内容を取得して追加 |
@docs |
インデックス化されたドキュメントを参照 |
@terminal |
直近のターミナル出力を追加 |
Edit モードの使い方
コードを選択して Ctrl+I を押すとインラインエディットモードが起動する。Diffビューで変更前後を確認してから適用できる。
// これを選択してCtrl+I → 「async/awaitに書き換えて、エラーハンドリングを追加して」
function getUserData(id) {
return fetch(`/api/users/${id}`).then(r => r.json())
}
Continue.devはDiffを提示し、Ctrl+Shift+Enter で承認、Ctrl+Shift+Backspace で却下できる。意図しない変更をワンキーで拒否できるのが、完全自律型エージェントとの大きな違いだ。
Autocomplete モードの設定
インライン補完はデフォルトで有効だが、パフォーマンスを上げるにはローカルモデルを使うのが効果的だ。
models:
- name: Qwen 2.5 Coder 7B
provider: ollama
model: qwen2.5-coder:7b
roles:
- autocomplete
autocompleteOptions:
maxPromptTokens: 1024
debounceDelay: 150 # 入力停止から補完発火までのms
maxSuffixPercentage: 0.8
transform: false # マルチライン補完の精度向上に
Ollama のセットアップ:
# Ollamaをインストール(macOS)
brew install ollama
# モデルをダウンロード
ollama pull qwen2.5-coder:7b
ollama pull nomic-embed-text
# サーバー起動
ollama serve
Ollamaが localhost:11434 で起動している状態であれば、Continue.devは自動で接続する。
Agent モードで複数ファイル変更を自動化する
2026年に最も注目される機能が Agent Mode だ。チャットパネル上部のセレクタから「Agent」に切り替えると、ファイルの作成・編集・シェルコマンド実行を自動で行うエージェントが起動する。
Agent Modeを使うにはモデルが tool_use をサポートしている必要がある。Claude 3.7 SonnetやGPT-4oなど、ツール呼び出し対応のモデルを指定する。
models:
- name: Claude 3.7 Sonnet (Agent)
provider: anthropic
model: claude-sonnet-4-5
apiKey: ${ANTHROPIC_API_KEY}
roles:
- chat
chatOptions:
baseAgentSystemMessage: |
あなたは経験豊富なソフトウェアエンジニアです。
変更を加える前に影響範囲を確認し、テストを意識したコードを書いてください。
Agent Modeの使用例:
Expressの/api/usersエンドポイントにページネーション機能を追加して。
- クエリパラメータ: page, limit (デフォルト: page=1, limit=20)
- レスポンスに total, hasNext を含める
- 既存のテストファイルにもテストケースを追加して
このプロンプト1つで、Continue.devは以下を自動実行する:
- 既存の
routes/users.jsを読み込む - ページネーションロジックを実装して編集を提案する
-
tests/users.test.jsにテストケースを追加する - 変更内容をDiffで提示して確認を求める
各ステップで変更を承認・却下できるため、完全自律型エージェントと異なりコントロールを維持できる。
プロジェクト固有の設定:.continue/config.yaml
チームで使う場合はプロジェクトルートに .continue/config.yaml を置くとよい。APIキーは環境変数で参照し、設定ファイル自体はリポジトリに含められる。
# .continue/config.yaml(リポジトリに含める)
models:
- name: Claude 3.7 Sonnet
provider: anthropic
model: claude-sonnet-4-5
apiKey: ${ANTHROPIC_API_KEY}
roles: [chat, edit, apply]
context:
- provider: file
- provider: codebase
- provider: terminal
rules:
- このプロジェクトはTypeScript + Prisma + Expressで構成されている
- テストはVitestを使用する
rules フィールドに書いたテキストはすべてのチャット・エディットのシステムプロンプトに自動挿入される。Cursor Rulesと同等の機能だ。
Copilot・Cursorとどう使い分けるか
| 観点 | Continue.dev | GitHub Copilot | Cursor |
|---|---|---|---|
| 価格 | 無料(モデルAPIは別途) | $10/月〜 | $20/月 |
| オープンソース | ✅ | ❌ | ❌ |
| IDE | VS Code / JetBrains | 全IDE | VS Code fork |
| モデル選択 | 完全自由 | 限定的 | Claude/GPT/Gemini |
| ローカルLLM | ✅ Ollama対応 | ❌ | ❌ |
| Agent Mode | ✅ | ✅ | ✅ |
| プライバシー | ローカルなら完全 | クラウド送信 | クラウド送信 |
Continue.devが最適なケース:
- コードを外部サービスに送りたくない(金融・医療など)
- APIキーを既に持っていてツール代を抑えたい
- JetBrains IDEを使っている(CursorはVS Code専用)
- モデルを頻繁に切り替えて試したい
Copilot/Cursorが勝るケース:
- セットアップ不要ですぐ使いたい
- GitHub / PRレビュー連携が必要(Copilot)
- Cursorの Composerによる大規模リファクタを多用する
2026年3月のアップデート:Planning Agent
2026年3月のアップデートでPlanning Agentが追加された。複雑なタスクを渡すと、実装に入る前に PLAN.md を生成して確認を求める。承認後にコーディングに移行する2ステップ設計だ。
新しいダッシュボードページを作って。
- ユーザーのアクティビティグラフ(過去30日)
- 最新の注文一覧(上位5件)
- KPIカード(売上・注文数・ユーザー数)
上記を入力すると、まず実装計画(コンポーネント構成・APIエンドポイント・実装順序)が PLAN.md として生成され、承認後に実装が始まる。エージェントが意図と異なる実装を進めるリスクを大幅に減らせる。