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いつも一番に食べ終わるあなたへ:会話のロードバランシング入門

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「みんな食べ終わるの遅いなぁ……」

飲み会、会食、ランチなど、複数人でテーブルを囲む場面は職場でもある程度あるかと思います。
そんな時、あなたは大体どのタイミングで食べ終わりますか?

私は最後に食べ終わることが多いです。
咀嚼が特別遅いわけではありません。話題を振って、相槌を打って、沈黙ができたら次の話を探して……とやっているうちに、気づけば自分の皿だけ残っているのです。

ふと顔を上げると、ほとんど喋らない人の皿は、他の人がまだ半分ほど残している頃にはとっくに空になっています。
そして膝に手を置いて、「みんな食べるの遅いなぁ」という顔でこちらを待っている。

他の人がなぜ遅いのか、考えたことはありますか?

この記事は、ギクッとした方や「ちょっと頑張ってみようかな」と思った方向けに書いています。
あなたが食べている間に何が起きているのか、こういうことがあるんだなくらいの感覚で捉えていただければ幸いです。

早く食べ終わることを責めたいわけでも、場を回すのが正義と言いたいわけでもありません。
意識して参加できるようになりたいと思う方は読んでみてください。
(私が毎回最後になってしまうのは改善の余地しかないので、その辺はまだまだ模索・精進中です。)

回す側から見えている景色

場を回すタイプの人間※として、まずは私の頭の中をご紹介します。
(※他者からも一定の評価をいただいてるのであしからず……)

複数人で会話する場面では、常にこんなことを考えています。

  • まだ一言も喋っていない人は誰か
  • 話題にできそうなポイントは何か
  • 次に沈黙になったら、どれを話題に出すか

これを食事と並行して行う必要があるわけです。しかし、喋っている間は咀嚼ができません。

厄介なことに、喋っていない側はこの負荷に気づくことができません。悪気はなく、「場は回っているし、自分が喋らなくても大丈夫」と思っている。
でも場が回っているのは、誰かが回しているからなんです。

その差は、皿の減り方にはっきり出ます。
もしあなたがいつも一番に食べ終わっているなら、その間、誰かがずっと喋っていたのかもしれません。

どうすれば会話も食事もいい感じにできるのか、私なりの考えをまとめていきます。

回す人は最低でも2人:会話は団体戦

私の感覚では、場を回すタイプの人が最低2人はいないとかなりキツいです。

1人だけだとどうなるか。
ロードバランシングが効かず、人も場もしんどくなります。

せっかくQiitaなので、SEらしく例えてみます。
話題を振る、相槌を打つ、沈黙を埋める……場で発生するリクエストが、全部1台のサーバーに集中している状態です。

しかも実際には、サーバー(参加者)は他にも何台もあります。
ただ全員が待機系のまま、自分宛てに振り分けられたリクエストしか処理しない。
稼働系が落ちかけても、フェイルオーバーしてくれる気配はありません。

最低でも2人いれば冗長構成になり、片方が食べている間も、もう片方が処理を引き受けられます。
お互いに話を振り合うだけで「場が盛り上がっている感」を出せるのも大きいですね。

会話は団体戦、一人に任せずみんなで回していけるのが理想的です。
回す人が1人しかいない場なら、あなたが2人目になるだけで、場はぐっと楽になります。

会話はキャッチボールではなく、バレーボール

では、団体戦の会話とはどういうものなのか。私はバレーボールだと捉えています。

「会話はキャッチボール」とよく言われますよね。でも複数人の会話に限って言えば、私は 「基本はバレーボールで、適宜キャッチボールを挟むもの」 だと思っています。

キャッチボール バレーボール
人数 1対1 複数人
ボールの行き先 投げた相手に必ず届く 誰のところに来るかわからない
待っていると 相手が投げてくれる ボールが落ちる(=沈黙)
求められること 受けて、返す 自分から拾いに行き、次の人につなぐ

複数人の会話で誰かが話を投げたとき、それは特定の誰かではなく「場」に向けられていることがほとんどです。バレーで言えば、コートの真ん中にふわっと上がったボール。

ここで全員が「自分じゃないだろう」と待つと、ボールは床に落ちます。会話ではこれが気まずい沈黙になり、毎回それを拾いに走るのが回す側の人間です。

もちろん、誰か一人の話をじっくり深掘りする場面ではキャッチボールでOK。
明らかに立場が違う上司や、その場の主役がいるときなど、決め打ちでキャッチボールに切り替えるべき場面も多々あると思います。

ただそれは試合中に挟む一場面であって、基本は全員がコートに立っているという意識が大事です。

「指名されないと話せない」問題

会話に参加しない人の多くは、話すのが嫌いなわけではありません。
体感ほぼ全員、名前を呼ばれて質問されればちゃんと答えてくれます。

つまり、 キャッチボールはできるけど、バレーボールの意識がないんです。自分に投げられたボールしか取らないので、指名されるまでじっと待っている。

するとどうなるか。

回す側が一人ずつ名前を呼んで、質問を投げて、返ってきた答えをまた別の人に振って……と、 全員分のキャッチボールを一人で回すことになります。
なんならキャッチボールどころか千本ノックです。

指名を待つのは、遠慮や「邪魔したくない」という気遣いからかもしれません。でも回す側からすると、自分から拾いに来てくれるほうが何倍も助かります。

会話している人がみんな、「純粋におしゃべりが好きだから喋っている」わけではありません。
場のために頑張って喋っている人もいる、ということを覚えておいてもらえると嬉しいです。

頑張ってみたい人へ:会話のロードバランシング実践編

ここからは、「ちょっと頑張ってみようかな」と思った方向けです。

全部やる必要はありません。ハードルの低い順に並べたので、できそうなものから一つずつ意識してみてください。

①リアクションを返す

一番簡単で、一番回す側も助かるのがこれです。話を聞いたら「へえ!」「それはすごいですね」と、少し大きめに「言葉で」反応する。
しっかり喋らなくても、一言反応があるだけで場は保たれますし、話し手も安心できます。

話すのが苦手な人こそ「参加してる感」を出すのが大事です。
食べ終わって膝に手を置いて待っているより、「へえ」と一言返すだけで、印象も場の空気もかなり良くなりますよ。

②相槌に質問を一つ足す

「へえ」で終わらせず、「へえ、それっていつ頃の話ですか?」と一言足します。これで話し手は話を続けやすくなり、会話が途切れにくくなります。

コツは Yes/Noで終わらない質問にすること。
5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)は会話でも有効です!

例
「楽しかったですか?」 ⇒「はい」で終了
「何が一番楽しかったですか?」 ⇒話が広がる

③他の人に話を振る

自分に振られた話やその場で繰り広げられている話題を、別の人にもつなげます。

  • 「〇〇さんもそういうのありますか?」
  • 「それ、〇〇さんが詳しそうですよね」

これは本来、回す側がやっている仕事です。誰かが一回やってくれるだけで、回す側はやっと一口食べられます。

パスでも新規話題としても、その場で前に出た話題やその人の属性を利用するのがおすすめです。出身地、仕事内容、趣味など、その人について知っていることをきっかけにしちゃいましょう。
「こんなん聞かれ飽きてるだろうなぁ……」こそ便利です。

例
「〇〇さんの現場は最近どうですか?」
「〇〇さんって△△出身でしたよね。そっちだとどうですか?」
「そういえば〇〇さん、××は続けてます?」

④自分の話を一つ乗せる

話題に関連する自分の経験を一つ出します。上手い話でなくても大丈夫。「私も似たようなことがあって……」の一言で、場に新しいボールが生まれます。
ただし、自分の話で完結させず、最後に「〇〇さんはどうですか?」と誰かに振れると完璧です。

後輩がいる場では、もう一歩前へ

特に意識してほしいのが、後輩など、自分が立場的に上になる相手と一緒の場です。
後輩にとって、先輩が黙っている場はかなり話しにくいもの。
「自分が話題を出していいのか」「先輩の話を遮らないか」と気を遣って、結局誰も喋らない。あるいは、一番気を遣える後輩が無理をして回すことになります。

先輩同士なら「お互い様」で済むかもしれません。でも後輩がいるなら、ボールを拾う役は先輩が引き受けるくらいの気持ちでいてほしいです。

【先輩ができること】

  • 後輩はリアクションだけでも十分、と思っておく
  • 後輩が話しやすい話題を選んで、話を振る
  • 後輩が一人で回していたら、先輩が代わる

もちろん後輩の立場から頑張ることは立派です!
先輩陣が頼りないときは自分で頑張っちゃいましょう。

おわりに

会食の場で、いつも最後まで食べ終わらない人間から見えている景色をまとめてみました。

この記事のまとめ

  • いつも早く食べ終わるなら、その間誰かが喋り続けているのかもしれない
  • 会話は団体戦。回す人が1人だけの場はしんどい
  • 複数人の会話はバレーボール。指名を待っているとボールは落ちる
  • 会話のロードバランシングは、リアクション一つから始められる
  • 後輩がいる場では、ボールを拾う役は先輩が引き受ける

今回は会食を例にしましたが、会議や雑談など、複数人で話す場面ならどこでも同じです。
上手に喋れなくても問題ありません。大事なのは、会話を一人に任せず、チームで回す意識です。

次の会食で、ふと「みんな食べるの遅いなぁ……」と思ったら、ちょっと周りの皿を見てみてください。
一番残っている人が、たぶんずっとボールを拾い続けている人です。

「会話なんて得意な人がやればいいじゃん」という考えもあるかもしれません。人それぞれだと思うので、こういう考え方もあるのだな程度に思っていただけたら幸いです。

私も精進して上手く回す力をつけていきたいと思います!
皆さんの場の回し方や経験談等、コメントにてお待ちしております。

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