目次
1. はじめに
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この記事について
- この記事は「DevToxicClub Advent Calendar 2024」の2日目を担当します。@Keichan_15 さん素敵な企画をありがとうございます!
- 概要: VMware Workstation上にRHEL、Windows Server、さらにESXiをインストールし、それぞれのネットワーク疎通を確認する。
- 目的: VMware Workstationで仮想化技術を活用する方法を学び、複数の仮想環境を構築・接続するスキルを身につけること。備忘録も兼ねています。
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本テーマの構成
- Part1(本記事): VMware WorkstationにRHELとWindows Serverをインストールして、ネットワーク疎通を確認します。
- Part2(明日公開): VMware WorkstationにESXiをインストールし、その上にRHELとWindows Serverを載せてネットワーク疎通を確認します。
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想定する読者
- 無料で仮想化技術を学びたい初心者から中級者。
- VMware Workstationを初めて使う方や、仮想ネットワークの基礎を学びたい方。
- windows などで複数の端末を管理する機能があることを知ったものの、実機で複数の端末を用意できなくて手を動かせないもどかしさを感じている方。
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この記事を読むメリット
- RHEL、Windows Server、ESXiの仮想環境構築手順が分かる。
- 仮想環境間のネットワーク接続の基本的な設定を学べる。
- VMware Workstationで多層的な仮想化を試すきっかけになる。
- サーバー仮想化ソフトウェアを何か一つ知っておけば、ほかの製品でも応用が利くはず(xxのyyは、VMwareでいうところの△△に似たようなもの。みたいな感じで。)
2. VMware Workstationの準備
2.1 無償化されたVMware WorkstationとFusion
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個人使用向け無償化
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2024年5月13日より、VMware FusionとWorkstationが個人使用に限り無料で利用可能になりました。
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詳細はこちら:VMware Fusion Pro: Now Available Free for Personal Use
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商用利用も無料に
さらに2024年11月11日からは、商用利用も無償化され、あらゆるユーザーが無料で利用できるようになりました。
2.2 リソース
- 執筆者の検証環境
- AMD Ryzen9、メモリ64GB、ストレージ1TB、Windows 11 Home
- 構築するだけ、低スペックマシンを複数台作るだけ、というのであればここまでいりません。
- AMD Ryzen9、メモリ64GB、ストレージ1TB、Windows 11 Home
- VMware Workstation
- 無償版の「VMware Workstation Pro 17.0 for Personal Use (Windows)」を利用。
- 最新バージョン(例: 17.6.1)をダウンロード。
2.3 VMware Workstationのダウンロードとインストール手順
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VMware公式サイトにアクセス
- 登録は済ませておきましょう。https://support.broadcom.com/web/ecx
- VMware Workstation Proダウンロードページにアクセス
- 画面左のリストから「My Downloads」→検索窓に「workstation」→VMware Workstation Proを選択
- トグル展開で「17.6.1」など最新バージョンを選択し、ダウンロードを開始
- チェックを入れた後にダウンロード可能
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インストール手順
2.4 注意事項: Windows版とMac版の違いについて
- 本記事では Windows版のVMware Workstation Pro を使用して解説を進めます。
- ただし、基本的な操作手順や設定方法は Mac版のVMware Fusion でもほぼ同じはずです。(未検証)
3. RHELとWindowsServerのインストール
3.1 RHELのダウンロードとインストール
3.1.1 RHEL ISOファイルのダウンロード
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Red Hat公式サイトにアクセス
- 登録は済ませておきましょう。Red Hat Enterprise Linux
- 後で使うのでユーザーネームとパスワードは他のモノと間違えずに覚えておきましょう。
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評価版のISOファイルをダウンロード
- 今回は8.10を用意しますが、適当なのでお好きなバージョンを指定してください。RHEL 8.10
- 注意: 評価版は60日間利用可能ですが、継続して使用する場合はライセンスが必要です。
3.1.2 VMware Workstationに仮想マシンを作成
- 新規仮想マシンの作成:
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仮想マシンの設定:
- 基本的には自動で入力されるので、「次へ」を選択します。
- 詳細な設定が必要な場合は「ハードウェアのカスタマイズ」で、メモリなどを設定します。デフォルトであれば仮想ネットワークアダプターは「NAT」になっているはずです。
3.1.3 RHELのインストール
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仮想マシンを起動し、RHELのインストーラーを起動します。
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インストールオプションを選択:
- 言語とキーボード設定を指定。
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必要な項目を埋めていきます。どんな順番でもいいですが、NWの設定を先に済ませてしまいましょう
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管理者の設定します。
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初期インストール項目を選択します。
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全項目を埋め終えたら先に進みましょう。
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インストールが終了したら再起動して、問題なく起動できるか確認します。
3.2 Windows Serverのダウンロードとインストール
3.2.1 Windows Server ISOファイルのダウンロード
- Microsoft公式サイトからWindows Serverの評価版をダウンロードします。
- 今回2022をダウンロードします。これもお好きなものを選んでください。Windows Server 2022。
- 必要に応じてMicrosoftアカウントを作成し、ISOファイルを取得。
- 注意: 評価版は180日間利用可能です。
3.2.2 VMware Workstationに仮想マシンを作成
- 3.1.2章と同じ手順です。
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新規仮想マシンの作成:
- 「新規仮想マシンの作成」を選択。
- 「インストーラー ディスクイメージ ファイル(ISO)」にWindows ServerのISOを指定。
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仮想マシンの設定:
- 基本的には自動で入力されるので、「次へ」を選択します。
- 詳細な設定が必要な場合は「ハードウェアのカスタマイズ」で、メモリなどを設定します。デフォルトであれば仮想ネットワークアダプターは「NAT」になっているはずです。
3.2.3 Windows Serverのインストール
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仮想マシンを起動し、Windows Serverのインストーラーを起動します。
「ライセンス条項が見つかりません。」と表示されたら
参考:[Windows Server 2019]ライセンス条項が見つかりません。
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インストールオプションを選択:
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初期設定:
- 管理者パスワードを設定。
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Windows serverの起動
4. 疎通確認
4.1 Windows Serverの設定
4.2 疎通確認
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RHELからWindows ServerへのPing
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RHELのターミナルで以下を実行:
ping 192.0.2.0 # Windows ServerのIPアドレス
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通信が確認できれば完了です。あと一歩です。
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Windows ServerからRHELへのPing
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Windows Serverでコマンドプロンプトを開き、以下を実行します。
ping 192.0.2.0 # RHELのIPアドレス
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通信が確認できれば完了です。お疲れさまでした。
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5. おわりに
本記事のまとめ
- 本記事では、VMware Workstationを用いて仮想化環境を構築し、RHELとWindows Serverのインストールおよびネットワーク疎通確認を行いました。
- Part1(本記事) では、VMware Workstation上にRHELとWindows Serverをインストールし、それぞれのネットワーク接続を確認する手順を解説しました。
- 次回の記事(Part2) では、VMware Workstation上にESXiをインストールし、その上にRHELとWindows Serverを構築する手順を紹介します。
- 仮想化環境を活用することで、物理的なハードウェアを用意することなく、ネットワークやシステムの検証を行うことが可能だと思います。また、仮想化の第一歩、手を動かして学ぶきっかけになれば幸いです。Let's 雑に作る!