#はじめに
ベクトルを表す表記として、文字の上に矢印をつける方法と文字を太字にしてさらに斜体にする方法があります。TeXでこれらを表現する場合、前者は\vec{ベクトルにしたい文字}
とすればよいので簡単ですが、後者は方法を知らないと意外と面倒です。
そこで、今回は太字かつ斜体で文字を楽に表記する方法を紹介したいと思います。
200128追記
(@fr0077 さんからもコメントにて情報提供いただいたので、こちらもご参照ください。)
#方法
結論としては\mbox{\boldmath $ベクトル表記にしたい文字$}
とすれば太字かつ斜体で文字を表示することができます。しかし、文章中で何度もベクトル表記をする場合、いちいちこのコマンドを書くのは面倒です。
そこであらかじめコマンドを定義しておくことで、楽に記述することができます。
具体的に説明すると、TeXで文章を書く際は例えば以下のように
\documentclass[a4paper]{jsarticle}
%例なので\usepackage{}は省略
\begin{document}
%本文を書く
\end{documet}
として書き始めると思いますが、\documentclassと\begin{document}の間に以下のように書くことで事前にコマンドを定義しておくことができます。
\documentclass[a4paper]{jsarticle}
%例なので\usepackage{}は省略
%↓新しくこの一行を加えた
\newcommand{\bvec}[1]{\mbox{\boldmath $#1$}}
\begin{document}
%本文を書く
\end{documet}
このように新たに一行加えることで、\bvec
というコマンドを定義することができます。
そのため、数式中で\bvec{(ベクトルにしたいもの)}
とすることでベクトル表記にすることができます。
実際にTeXclipで試してみます。TeXclip上で
\newcommand{\bvec}[1]{\mbox{\boldmath $#1$}}
\begin{displaymath}
m\bvec{a}=\bvec{F}
\end{displaymath}
と入力すると以下のようになります。
実際に新たに定義した\bvec
というコマンドが作用し、ベクトル表記になっていることがわかるかと思います。
#まとめ
ベクトル表記にするために、太字かつ斜体で文字を表記するには
\mbox{\boldmath $ベクトル表記にしたい文字$}
とすればよいのでうが、何度も表記する場合には面倒です。
そこで、
\newcommand{\bvec}[1]{\mbox{\boldmath $#1$}}
と新たに定義すれば\bvec{}
とするだけで楽に書くことができます。
#あとがき
この度は貴重な時間を割いて読んでいただき誠にありがとうございました。
最近ようやく修論が一段落したので、これを機会にアウトプットを始めていきたいと思い、投稿を始めてみました。少しでもお役に立つことができたなら幸いです。
当面は私が研究で主に使っていたTeXとMathematicaに関する投稿が中心になるかと思います。よろしくお願いします。