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生成AIに「要件定義プロンプト」を作らせてみたら、未来が見えた話

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生成AIに「要件定義プロンプト」を作らせてみたら、未来が見えた話

要件定義って何から書けばいいの? 😕
いつも同じような項目で悩んで時間がかかる… ⏳
もっと効率よく、質の高い要件定義書を作りたい! 😫

そんな悩みは 生成AIに「要件定義プロンプト」を作ってもらう で解決できるかもしれません。


1️⃣ なぜ生成AIにプロンプトを作らせようと思ったか?

「要件定義」はプロジェクトの成功を左右する重要な工程ですが、品質が担当者によってバラついたり、何を書くべきか迷うことも多いですよね。

そこで、「デキる人が書いた質の高い要件定義書」を学習データとしてAIに渡せば、汎用的な「要件定義書作成のためのプロンプトの雛形」をAI自身が作れるのでは?と考えました。

これにより、要件定義の質を標準化し、効率化できると期待したわけです。✨


2️⃣ 試したことの概要

今回の実験のポイントはこちらです👇

  • 使用AI: Gemini 2.5 Pro
  • 学習データ: ネットで見つけた、優れたエンジニアが作成したと思われる要件定義書
  • ゴール:
    • 汎用的な「要件定義書作成用プロンプト」をGeminiに生成させる。
    • 生成されたプロンプトをGeminiのGem(カスタム指示)に「要件定義者」として登録し、再利用性を高める。

3️⃣ 具体的なステップ

3-1 📚 学習データの準備 (参考要件定義書)

まず、Geminiに学習させる「お手本」となる要件定義書を準備しました。構成はこんな感じです。

要件定義書 (社内FAQチャットボット開発)

1. 背景

現在、社員からの人事・総務関連の問い合わせが増加しており、担当部門の対応負荷が高まっている。また、社員が必要な情報を得るまでに時間がかかるケースも見られる。

2. 課題

問い合わせ対応の効率化と、社員が迅速かつ自己解決できる情報提供手段の確立が急務である。特に、繰り返し発生する定型的な質問への対応工数を削減したい。

3. 解決のための方策

社内のイントラネット上で利用可能なFAQチャットボットを開発する。このチャットボットは、事前に登録されたFAQに基づいて、社員からの質問に24時間自動で応答する。

4. 必要な機能

  • 質問応答機能:
    • 利用者が入力した自然言語の質問に対して、関連性の高いFAQを提示する。
    • 一問一答形式での応答。
    • 該当する回答が見つからない場合、その旨を伝え、有人対応窓口へ誘導する。
  • FAQ管理機能 (管理者向け):
    • 新規FAQの登録、既存FAQの編集・削除ができる。
    • カテゴリ別管理、キーワード設定が可能。
  • 利用状況分析機能 (管理者向け):
    • よくある質問のランキング表示。
    • 未解決だった質問のログ確認。
    • チャットボットの利用頻度や解決率の統計表示。
  • 多言語対応機能 (将来的な拡張性):
    • 初期リリースは日本語のみとし、将来的に英語対応も可能な設計とする。

3-2 🤖 Geminiへの指示 (プロンプトエンジニアリング)

次に、準備した参考要件定義書を元に、Geminiに「要件定義書作成用のカスタム指示」を考えてもらうためのプロンプトとして、以下のように入力しました。

あなたは一流のシステムエンジニアです。
以下要件定義のようなアウトプットが今後も可能になるように
geminiのGemのカスタム指示を考えてください。

###参考要件定義書
(ここにステップ3-1で準備した参考要件定義書の内容を貼り付け)

ポイントは以下の2点です。

  • 役割設定: 「あなたは一流のシステムエンジニアです。」と役割を与えることで、専門的で質の高いアウトプットを期待。
  • 具体的な指示: 「geminiのGemのカスタム指示を考えてください。」と明確に依頼。

3-3 ✨ 生成された「要件定義書作成用プロンプト」

上記のプロンプトに対し、Geminiが提案してくれたカスタム指示の雛形がこちらです。


特定フォーマット要件定義支援

1. あなたの役割

キーワードから、指定された4項目(背景、課題、解決のための方策、必要な機能)で構成される要件定義書の草案を作成する専門家です。

2. あなたへの入力

新しいシステムや機能に関する「キーワード、短いフレーズ、またはアイデアの断片」。

3. あなたに期待する主要な出力(要件定義書フォーマット)

以下の4項目で、構造化された要件定義ドキュメントの草案を作成してください。

  • 背景: (例:大量の実験データが存在し、特定条件下で関連性の高いデータを効率的に検索する必要がある。)
  • 課題: (例:膨大なデータの中から、ターゲット炉心の感度スペクトルに対して相関が高いデータを効率的に見つける。その際、必要な情報を抽出する。)
  • 解決のための方策: (例:ベクトルデータベースを構築し、cos類似度で関連データを効率的に取得する。)
  • 必要な機能: (例:データベース構築機能、類似度検索機能、検索結果からのデータ抽出機能。)(詳細例:実験ケース名、実験値、核種・反応タイプ、感度スペクトルの抽出。)

4. 対話の進め方

  • 入力情報が不足している場合、上記項目を具体化するために必要な点を質問してください。
  • 提示された情報を元に、上記の4項目に沿って要件定義書を作成してください。

このカスタム指示では、ユーザーが提供すべき情報と、Geminiのアウトプットが明確に定義されています。

3-4 💎 Gemへの登録

image.png

Geminiが生成したカスタム指示案を、Geminiの「Gem」機能に登録しました。

  1. GeminiのインターフェースからGem(カスタム指示)の設定画面を開きます。
  2. 新しいGemを作成し、名前を「要件定義者」としました。
  3. 「カスタム指示」の欄に、ステップ3-3でGeminiが生成したカスタム指示の内容を貼り付けます。
  4. 保存して完了です。

4️⃣ 考察・わかったこと

今回の試みを通じて、以下の点がわかりました。

  • 生成AIにプロンプトを作らせるアプローチの有効性:
    質の高いお手本を与えることで、生成AIはタスクの意図を理解し、汎用的な指示(プロンプト)を生成する能力がある。
  • 役割設定の重要性:
    「一流のシステムエンジニア」といった役割を与えることで、アウトプットの質をある程度コントロールできる可能性がある。
  • Gem機能の利便性:
    作成したプロンプトをGemとして保存することで、繰り返し同じ指示を入力する手間が省け、作業効率が大幅に向上する。

📝 まとめ

  • 生成AIに質の高いお手本を学習させると、汎用的な「指示テンプレート」を作らせることができる。
  • GeminiのGem機能と組み合わせることで、特定のタスクに特化したAIアシスタントを簡単に作成可能。
  • このアプローチは、要件定義だけでなく、様々なドキュメント作成やタスク実行の効率化に応用できる。

皆さんも、生成AIに「プロンプトを作らせる」試み、いかがでしょうか? 🚀

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