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USB PDで鉄道模型を動かす:ATtiny13A+CH224による汎用・低コストコントローラの提案

Last updated at Posted at 2025-07-18

はじめに

鉄道模型の電源は長らく専用ACアダプタに依存してきました。
しかし今の時代、多くの人がスマートフォンやノートパソコンの充電器としてUSB PDアダプタやモバイルバッテリーを持っており、そこから鉄道模型の駆動に十分な電力を供給できます。

このプロジェクトでは、マイコンボードのArduinoを用いて開発し、安価なマイコンであるATTiny13AとPDトリガーICであるCH224Kを使用してUSB PDから鉄道模型を駆動する低コストなコントローラを開発します。
「専用アダプタはレガシー」そんな思想から生まれた設計です。

背景

鉄道模型のコントローラは、専用ACアダプタを使う製品が主流で、安価なものでも4,000円以上が相場です。
また、モバイルバッテリーからのUSB給電例もいくつか報告されていますが、いずれもDC5Vを昇圧して12Vを得る方式です。
昇圧には電力ロスが伴い、最大出力も12W程度に限られ、効率や安定性に課題があります。

一方、USB PD技術を使えば、12Vかつ20W以上の電力を直接供給でき、昇圧回路を不要にすることで電源設計の効率と安定性が大きく向上します。
CH224Kを用いることで、PD充電器やモバイルバッテリーから12Vを安定して取り出すことが可能となり、電源の軽量化・汎用化・高効率化に貢献します。

さらに、Arduinoで開発したコードを生マイコンであるATtiny13Aに移植することで、より安価かつ小型なコントローラを構成できます。
Arduinoで終わらず、製品化を視野に入れた移植設計を行うことで、コスト・サイズ・実装性の面で優れた構成が可能になります。

本記事は、USB PDによる直接給電と生マイコンへの移植を組み合わせた、鉄道模型コントローラとして初の実装提案です。
Qiita上に同様の事例は確認できず、従来のArduino+昇圧方式とは一線を画す構成となっています。
また、専用アダプタを廃し、ユーザーがすでに持っているPD充電器を活用することで、電源の再利用性と導入のしやすさも大きく向上します。
近年ではPD 20Wのアダプタが1000円程度で手に入り、PD対応ケーブルも100円ショップで入手可能です。そのためアダプタ+ケーブル+コントローラ一式を新規購入しても3000円未満に抑えられる上、既存のスマホ充電器やモバイルバッテリーに繋ぐことも可能です。

更に、本記事はUSB PDから12Vを直接取り出すことで、従来のACアダプタ依存からの脱却を技術的に示すものでもあります。
鉄道模型のような12V駆動機器においてもPD充電器の活用が十分可能であることを証明することで、「12VにはPDが不要」という誤解を払拭し、ACアダプタ文化の淘汰に向けた根拠となることを目指しています。
USB PD充電器はすでに多くの家庭に普及しており、専用アダプタを新たに購入する必要がない点でも導入障壁が低いです。
「持っているもので動かす」ことを前提に設計することで、鉄道模型の電源設計はより持続可能で、誰にでも開かれたものになります。

構成部品(予定)

  • ATtiny13A(マイコン、実験基板としてArduinoを使用)
  • CH224K(PDトリガーIC)
  • Type-C変換基板
  • MOSFET(モーター駆動用)
  • 可変抵抗(速度調整用)
  • USB PD充電器(ユーザー持ち)

実装方針

ArduinoはAVRのラッパーであり、ATtiny13Aでも同じコードが動作します。
そのため、Arduinoで開発・デバッグし、ATtiny13Aに移植することで、
初心者でも始めやすく、量産にも適した設計が可能です。

設計思想

1. 汎用性と導入のしやすさ

  • 誰でも持っているPD充電器やモバイルバッテリーで鉄道模型が動く
  • 「持っているもので動かす」ことを前提に設計
  • USB PD充電器は家庭に広く普及しており、導入障壁が極めて低い

2. コストと実装性

  • 原価数百円、販売価格1500円でも十分利益が出る
  • 新規購入でもアダプタ+ケーブル+コントローラ一式で3,000円未満に抑えられる
  • Arduinoで開発し、ATtiny13Aに移植することで量産にも適した構成が可能

3. 技術的合理性

  • 昇圧回路を廃し、USB PDから12Vを直接供給することで高効率・高安定性を実現
  • CH224KによるPDトリガーで電源設計を簡素化
  • 「つなげば動く」体験の提供

4. 思想と未来への提言

  • 専用アダプタ文化からの脱却
  • 「12VにはPDが不要」という誤解を技術的に払拭
  • 鉄道模型の電源設計をより持続可能で、誰にでも開かれたものにする

今後の展望

  • 実家から部品を回収し、秋葉原でCH224KとType-C基板を調達
  • 実験後、GitHubで回路図とコードを公開
  • Qiita記事に実装例と動作確認を追加

GitHub


本記事は現在開発中のプロジェクトの構想段階です。 進捗は随時更新していきますので、ぜひフォロー・コメントいただけると幸いです。

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