コンサル会社Q-Successは、World Wide Web Technology Surveysという分析サービスを提供しています。
なんかいかにもW3Cとかと関係ありそうな名前ですが、特に関係はないみたいです。
W3Techsでは、Webサイトを収集し、それらがどのような技術で作られているかといった調査結果を無料で分析・公開してくれています。
こんなに公開していて生計はどうやって立てているのかというと、過去の履歴や細かいレポートなどを有料で売っているみたいです。
6450ページのPDFとか細かすぎて逆に使いこなせそうにもなさそうですが、興味のある方は手を出してみてはどうでしょうか。
データを覗いてみると、はっきり言って物凄く意外というかびっくりします。
JavaScript Libraries
とりあえずJavaScriptライブラリを見てみましょう。
灰色は使われているサイトの割合、緑色は市場占有率です。
既に終わったと思われているjQueryが3/4のWebサイトで使用されており、さらに総リクエスト数においては95%という割合であり、控えめに言って圧勝です。
次いでBootstrapが20%強であり、それ以外は1割以下の有象無象でしかありません。
Qiitaなどを見ているだけだと覇権以外の何物でもないReactですら僅か3.4%であり、ModernizrやPopperといった聞いたことないライブラリにさえも及んでいません。
Vue・Angular・Svelteあたりの面々に至っては1%以下に過ぎません。
他の調査などと比べて、どうしてこれほどの差が出るのでしょうかね?
Server-side Languages
もちろんサーバサイドはPHPの独走です。
Web全体のおよそ3/4でPHPが使われており、このシェアは1年間ほぼ変わっていません。
2位のASP.NETですら既にPHPの1/10の6.9%であり、比べ物にならない差があります。
というか2位がASP.NETっていうのもんん??ってなりますね。
Content Management
PHP圧勝の時点で予想がついていると思いますが、CMSは当然WordPress一強です。
こちらは使用率4割強、市場占有率6割強であり独占とまでは言えませんが、2位が未使用だったりするのでCMSとしては圧倒的です。
次点のShopify、Wix、Squarespaceなどは一桁前半であり、ほぼ無いレベルのシェアですね。
CSS Frameworks
もちろんCSSフレームワークも、ご想像通りBootstrapです。
単にCSSフレームワーク未使用が3/4を占めており、CSSフレームワークを使っているサイトの中ではBootstrapがほとんどです。
というかその次のAnimateまででほぼ全部ですね。
Web Servers
となればWebサーバも当然Apacheだろうと思いきや、意外なことにこちらは既にNginxがトップシェアになっていました。
やはり早いは正義。
それにしても下位のWebサーバの種類にびっくりしたのですが、こんなにあるんですねWebサーバ。
シェアは全て0.1%以下です。
その他にも楽しいランキングや分析が目白押しなので、真実のWebを見たい人は覗いてみてはいかがでしょう。
これは本当に2023年のランキングなのか?
って思っちゃいますよね。
データの出所が怪しいのでは?と思えば、データソースはGoogleとTrancoであると明記されています。
Trancoはいまいち知名度がなくてどうかわかりませんが、流石にGoogleといえど統計に嘘は付かないでしょうからデータソースとしては信頼できるでしょう。
Web Technologies of the Year 2022
ちなみにW3Techsは、毎年Web Technologies of the Yearを発表しています。
2022年の優秀賞は、Java・Underscore・Apache・Wix・Matomo・jsDelivrです。
この結果にこれまた目を疑いますね。
これは表彰基準が『一年前と比べてシェアが最も上昇したテクノロジー』であり、元々のシェアが小さいプロジェクトのほうが有利なためです。
たとえばWixは2022年の一年でシェアが1.9%から2.4%に上昇したとかそういうかんじです。
ということで開発者人気ランキングとかではない、実際のWebサーバで使われている現実の意外な姿が見えるランキングでした。