いいものなら普及するなどというナイーヴな考え方は捨てろ。
さて終わった終わったと100億回言われ続けているPHPですが、2026年の今でも世界の2/3がPHPでできています。
また言語自体も着実なバージョンアップを重ね、大きく成長しています。
文法もパフォーマンスもPHP5時代とはまったくの別物になっており、特に型システムまわりなんかは下手な言語ではもはや太刀打ちできないほどです。
ということで現代のPHPに残されている大きな欠点のひとつを指摘した記事、PHP's biggest problemの紹介です。
著者のBrent RooseはPHPフレームワークTempestの作者であり、PhpStormも開発しているようです。
PHP's biggest problem
言語はしっかりしています。
エコシステムも非常に充実しています。
開発ツールはこの10年で大きく成長しました。
PHP財団は持続可能な開発を約束しています。
AIの採用率も他言語と比べて高くなっています。
おそらくは過去の膨大な遺産によるものでしょう。
コミッターの集合による開発方針は決して理想とはいえないが、それでも言語は着実に前に進んでいます。
従って大きな問題ではありません。
ではPHP最大の問題は何か。
それはマーケティングです
プログラミングだけやりたい人にとっては退屈な話かもしれませんが、これが真実です。
適切なマーケティングほど、大きな効果をもたらすことはありません。
マーケティングはとても重要です。
たとえばLaravelを見てみましょう。
好き嫌いは別として、PHPで最も成功したプロジェクトであることは誰も否定できないでしょう。
( WordPressを含めれば2番目かもしれませんが )
Laravelはマーケティング戦略をマスターしており、開発当初からその手腕を駆使してきました。
私はJetBrainsで4年以上働く間に、マーケティングについて多くのことを学びました。
Marketing ManagerではなくDeveloper Advocateという立場であり、マーケティングは専門分野ではありませんが、効果的なマーケティングというものは確かに存在します。
マーケティングはあらゆるプロジェクトに不可欠であり、オープンソースプログラミング言語もその例外ではありません。
PHP財団の使命のひとつ、to ensure the long-term prosperity of the PHP language.が真であるならば、PHP財団はそれに取り組むべきです。
以下は私の具体的提案です。
・PHPが現代的な言語であると認識させたいのであれば、Webサイトにそのことを反映させてください。
バックエンド開発者に無償でさせるのではなく、ちゃんとしたデザイン会社に依頼しましょう。
・ドキュメントだけにフルタイムで関わる人を雇うべきです。
・PHP業界の外からもゲストを招き、講演を行ってもらうように依頼しましょう。
・ソーシャルメディアに投資しましょう。
一部の人がXを好んでいないことは理解しますが、しかしターゲットの多くはそこにいるのです。
政治的な話は棚に上げて、人のいるところに出向きましょう。
PHPはX・Reddit・Newsletters・Blog・Insta・TikTok・Facebook・LinkedIn、あらゆる場所に遍在すべきです。
これは間違いなくフルタイムの仕事です。
・内部事情を公開し ( つまりメーリングリストは廃止 ) 舞台裏で何が起こっているかをBlogやVlogで発信する担当者を配置しましょう。
言語の開発にどれだけの労力がかかっているかを示しましょう。
・インパクトがあり、マーケティング効果の高い機能を実装しましょう。
そして実装されたら、実際にマーケティングを行いましょう。
JetBrainsで働いた経験からすると、これらの業務はおそらくフルタイム3、4人分の仕事量になります。
しかし、今後数十年後もPHPを発展させていきたいのであれば、最も重要な投資であると私は考えます。
コメント欄
完全に同意!
PHPは目覚ましい進歩を遂げているのに、PR活動はほとんどなく、公式サイトも古臭いままです。
これまで様々なシステム、製品、サービスを見てきました。
いいものもあれば悪いものもあり、成功したものも苦戦しているものも消滅していったものもあります。
多くの場合、成功の鍵は品質ではなく、販売方法にありました。
個人的に、PHP最大の問題点はWordPressだと思っています。
何百万人もがWordPressを通じてPHPに初めて触れ、そしてPHPへの印象を抱くでしょう。
最近PHPへの注目が高まっているように感じますが、それは主にLravelの成長のおかげでしょう。
PHP財団が今こそ行動を起こすことを願っています。
PHP5時代の悪い評判がいまだにまとわりついていますが、LaravelやPHP7・8のおかげで徐々に変わりつつあるように感じます。
またPHPエコシステムにも、DHHのような人がきっと必要です。
感想
そんなわけで、とりあえず歴史の重厚さを感じさせる(迂遠な表現)公式サイトをどうにかしよう。
「一部の人がXを好んでいない」というのはPHP RFC: Remove the links to X.com from PHP.netのことです。
PHP公式サイトからXアカウントへのリンクがあるのですが、このアカウントはPHP財団がつくられて組織がしっかりするよりも前に一部のコア開発者がほとんど個人運営なノリで作って運営していたものであり、そしてここ数年間は活動が止まってしまっています。
なのでこのまま動かないのであればリンクを外すのは仕方がないと思うのですが、しかし単純にアカウント放棄されている事実だけ指摘すればよかったのにDue to to the current nature of the site as a political project of a transphobic and white supremacist ownerなんて余計なことを書いたせいでこのRFCは却下されました。
そしてこの記事は、いくら気に入らなかろうと人がいるならそこで活動すべきという主張です。
削除するのではなく積極的に使えという逆の主張ですね。
メーリングリストについてはexternalsやdiscourseで見ることができますし、また中の人だけで話し合う場所も絶対必要だと思うので、無くしてしまうのはどうだろう。
まあなんにしろinternalsのイケてなさだけはどうにかしたほうがいいと思いますが。