JSONをリアルタイムに高速処理できるドキュメント指向データベースRethinkDBですが、会社はうまくいかずに2016年10月に解散しました。
RethinkDBってなに?
高速なレスポンスにリアルタイムPUSHといった高性能、自動スケーリングに自動フェールオーバーといった高可用性を持ち、スマホアプリなどのリアルタイムWebアプリケーションに極めて親和性の高い高性能なデータベースです。
RethinkDBはなぜ失敗したのか
こうなるまでの経緯についてはRethinkDBはなぜ失敗したのか ( 日本語訳 )がたいへん面白いので読んでみるとよいでしょう。
データが厳格で正しいことを保証し、インターフェイスがシンプルで、使い勝手に一貫性がある高性能なデータベースが、つぎはぎだらけでデータがすぐ消えたりする醜いコード群であるMongoDBになぜ負けたのかを明確に説明する名文です。
一言で言うと、「拙速は巧遅に勝る」です。
実際は孫子はそんなこと言ってないらしいですが、まあでもITの世界では真理のひとつではありますね。
さてこの後、RethinkDBはApacheに身売りされ、オープンソースとして出直すこととなりました。
それが2017年のことです。
2017/07/23にはコミュニティ主導の初めてのリリースバージョンが公開されました。
最初のビジネスが失敗するなど紆余曲折はあったものの、OSSとして生まれ変わり新たな人生を踏み出すかに見えました。
リリース
その後のリリースはこんなかんじです。
・2019/12/20 v2.4
・2020/08/15 v2.4.1
・2022/05/08 v2.4.2
・2023/02/05 v2.4.3
・2023/12/11 v2.4.4
2025年まででわずか6バージョンです。
そもそも2番目のバージョンまで2年以上かかってしまっているので、その間にすっかり忘れ去られた感がありますね。
Contribute
ではContributeはどうでしょうか。
OSS化する前からcommit数は激減しており、OSS化したことによる影響は全く目に見えません。
OSS化以降もcontributeしていたのは、元からのRethinkDB開発者Sam Hughesほぼ一人だけでした。
そしてそのSam Hughesも、2024年にはCubeに興味が移ってしまったらしくそちらにかかりきりになり、RethinkDBへのContributeは完全に途絶えることとなりました。
最後のCommitは2023/12/16です。
1年以上動きがないということであり、今後も再起の見込みはほとんどないでしょう。
闇雲にOSS化してもうまくいかないという好例ですね。
はて、そういえばマネタイズに失敗したのでOSS化して蘇るぞって最近全く同じ話を聞いた気がするような?