dev.toでは、新人や投稿を増やすために運営が様々な施策を行っています。
ここではそれら施策の一端を紹介してみます。
私が気付いたものだけなので、きっと他にもやっていることは色々あるに違いありません。
新人さんようこそ!
毎週木曜日に、Welcome Threadという記事が投稿されます。
毎回よくわからない画像や動画とともに、自己紹介を促しています。
DEVにようこそ!
自己紹介をしていってね!
ここに来た理由、今学習していること、あるいは最近あった楽しいことでもなんでもいいよ。
他のコメントへの返信も、挨拶でも質問でも自由にしていってね👋
コミュニティで会えるのを楽しみにしています。
コメントは毎回100件以上ついており、大盛況のスレッドとなっています。
だいたいみんな名前と、自分の持ってるもしくやりたい技術を記載して自己紹介し、そしてそれらの投稿にようこそ!という返信が多々ついています。
そもそも毎週数十人の新参がいるという規模に驚きですね。
さて、どうして運営がこんなスレッドを続けているかというと、おそらく最初にとりあえずなんでもいいから書き込ませることによって、その後の投稿やコメントの敷居を下げるという狙いがあるのではないかと思います。
DEVでは人気のある投稿には数十~100以上のコメントが付くのが普通ですので、おそらく実際に効果があるのでしょう。
たまにスプーンでスープを飲むのが好き!とかよくわかんねえ人もいるのですが、これは何かのスラングだったりするんですかね。
先週の注目記事トップ7
毎週火曜日に、Top 7 Featured DEV Posts from the Past Weekという記事が投稿されます。
Qiitaでも似たようなことをやってはいますが、大きく異なるところが2点あります。
1点目は既存記事を書き替えるのではなく毎回新規記事として投稿されていることです。
せっかくランキングに載ったのにすぐに消えてしまうなんてことがなく、また過去のランキングやどんな記事があったかを読み返すことも容易です。
そしてもうひとつが、個々の記事内容に対して言及していることです。
このおかげで、単に機械抽出しただけの無機質なリストではなく、きちんと読んでくれているんだなという気持ちになることで次もがんばれることでしょう。
今週なにやった?
毎週金曜日に、What was your win this week?という記事が投稿されます。
どんなに小さなことでもいいから、一歩でも進んだことをみんなが書き込みに来ています。
今週は〇〇を作った、××の勉強をした、勉強会に行ってきた、DEVに記事を投稿した、といった順当なものから、履歴書を送った、大学を卒業した、サーフィンに行ってきた、みたいなチラシの裏まで様々なコメントが投稿され、そしてそれらの全てが許されています。
今朝7キロ走ったわとかいうテクノロジーなんも関係ないコメントは、DEVの創始者です。
どんな曲聴いてる?
毎週月曜日に、Music Mondayという記事が投稿されます。
毎回ある程度のジャンルを絞って、最近どんな曲を聴いたか、お勧めしたい曲などを投稿するスレッドです。
もはや技術とか何ひとつ関係ない話題になってしまいましたが、DEVではそれも許されています。
また月曜が来てしまったのだ!
毎週月曜日に、Meme Mondayという記事が投稿されます。
投稿者はDEVの創始者、Ben Halpernです。
Memeはミームのことで、本来は最近流行したものや起こったニュースなどを共有しようってことだったんだろうとは思います。
ということなのですが、結果として毎週謎のコピペ画像が延々張り付けられるシュールなスレッドとなっています。
正直わりかし面白い。
ちなみにこれらのスレッド、スレ立ては自動ではないらしく、たまに遅れたりします。
議論スレッド
DEVでは、本文のない議論専用スレッドの作成が許可されています。
上記のMeme MondayやWhat was your win this week?なんかも議論スレッドのひとつですね。
そんなわけで様々な議論スレッドが立てられています。
まあ、有名投稿者でもなく本文もないような投稿は大半がコメントのつかない過疎地帯なんですけどね。
最近ではどんなバッジがほしい?、健康に気を付けるには、単純にJSONを取ってきたいだけなんだがどうすればいい?などにコメントが集まっていました。
意外なことに、フレームワークやアーキテクチャ同士の優劣バトルとかそういうのはあまり見当たらず、あったとしてもそこまでは盛り上がらないかんじでした。
ちなみに私一番のお勧めは環境晒しスレッドです。
みんな素敵な環境ですね。
賞品付きハッカソン
Linode + DEVハッカソンやMongoDB Atlasハッカソンといった協賛イベントを不定期に開催しています。
いずれも賞品がかなり豪華で、前回のMongoDBのときは最優秀賞5名が商品券1000ドル+Forem Shopクレジット300ドル、準グランプリ10名が商品券500ドル+Forem Shopクレジット150ドルという大盤振舞でした。
これほどの賞品であれば本気を出そうって気にもなりますね。
検索性
関連順、新着順、いいね順など様々な尺度で検索可能です。
新着順一覧が存在せず得体の知れないアルゴリズムで選ばれた記事を強制させられるなんてことはありません。
(存在することが悪いのではなく、それ以外を選べないことが悪い)
次ページの自動ローディング
基本的にどこの画面においても、記事リストを一番下までスクロールしたら次のリストが自動ローディングされ追加されます。
これが非常に快適でストレスを感じることがなく、ついつい先まで見続けてしまいます。
そのかわり2ページ目とかに直接リンクすることはできません。
ただタグページだけは何故かページングも存在するという謎。
ページングしたうえで自動ローディングすると今どこにいるのかわかりませんね。
ちなみに常時自動ローディングには重大な欠点がひとつあって、最下段に存在するフッターリンクとかが常に画面外に逃げていくので確認することができません。
フッタを見たい場合は続きの存在しない個別記事などに行くしかありません。
個別記事とサイトトップでフッタの中身が違ったらどうしよう。
公式からのリンク
なんと高品質の記事にはDEV公式から直接リンクが貼られます。
今のところは一部のジャンルだけですが、公式から永続的にリンクされるとあっては高品質な記事を作ろうという大きなモチベになることでしょう。
技術
そもそもDEVが有名になった一因が、その技術を駆使した異常な高速性です。
最近はガジェット等が増えたためか全体を読み終わるまでの速度はそこまででもないですが、ファーストビューが表示されるまで、操作可能になるまでの速度は相変わらず他の追随を許しません。
そして実際ファーストビューや操作可能になるまでが早い=サイトが早いなので、DEVは今でも非常に快適なブラウジングが行えます。
サイトの質が高く、そして快適ともなればますます人が集まるのも必然と言えるでしょう。
なおソースコードは公開されており、気になったところがあればContributeすることもできます。
そしてうっかりContributeしてしまえば、DEVから離れることは精神的にさらに困難になることでしょう。
また、中の人たちも惜しげもなくテクニックを公開しています。
運営のこのような姿勢に惹かれて集まった人も多いかもしれませんね。
感想
現在の地位に安逸を貪ることをよしとせず、さらなる拡大を狙って様々な施策を行っていることがわかります。
どこかの技術サイトにも見習ってほしいところがたくさんありますね。
全体としては、なんでもいいからとにかくまずはひとつコメントをさせよう、という意図を感じる施策が多いです。
やはりなんでも、初めてはどうしても躊躇しますからね。
しかし一回でもコメントしてしまえばその後もコメントしやすくなりますし、記事を書くことにも抵抗が薄くなるでしょう。
そうやって人を集めてきた結果が100万人以上のユーザであり、一日500件近くの記事投稿であり、盛況のコメント欄です。
様々な施策がうまくいっている証と言えるでしょう。
といっても新着順とかを見るといいねもコメントも0の投稿もたくさん存在するので、まだまだ足りない、まだまだ集めたい、というところも実際かもしれませんね。
きっとこれからも多くの競合が出てくるはずですが、当分の間DEVはその第一線を走り続けていってくれるに違いありません。