他のブラウザは遥か数千年の昔からサードパーティCookieをデフォルト禁止にしていますが、広告収入がなくなると困るChromeだけが必死に抵抗していました。
口先だけはプライバシーは大事だーなどと嘯きつつ、収入を減らさないために何度も何度も延期を繰り返していたわけです。
そしてこのたび、ようやく別の広告収入確保手段に目途が付いたということで、今度こそ本当にサードパーティCookieを禁止することにしたようです。
ただし1%だけな。
ということで以下はGoogle公式ブログから、The next step toward phasing out third-party cookies in Chromeという記事の紹介です。
The next step toward phasing out third-party cookies in Chrome
Chromeは、クロスサイトでのトラッキングを制限する機能をテストしています。
Web上のプライバシーを向上させる取り組みに、終わりはありません。
そのためChromeでは、データを保護し、データの利用方法をより制御できる機能に投資を続けています。
Webサイト間でのアクティビティを追跡する機能を制限することは、この取り組みの一環です。
1月4日、WebサイトのサードパーティCookieへのアクセスをデフォルト禁止にすることで、クロスサイトトラッキングを制限する新機能であるTracking Protection
のテストを開始します。
この機能は、まずはChromeユーザの1%に展開されます。
その後2024年後半には全てのユーザに対してサードパーティCookieを禁止する予定で、これはプライバシーサンドボックスの重要なマイルストーンになります。
The role of third-party cookies
サードパーティCookieの役割
サードパーティCookieは、これまで30年近くにわたってWebの基礎でした。
これらはログイン支援や関連広告表示などのオンラインエクスペリエンスをサポートするために使われていましたが、同時にWebサイトのアクティビティをトラッキングするためにも使われていました。
Googleは、プライバシーサンドボックスを適用することにより、ChromeでのサードパーティCookieを段階的に廃止するための責任あるアプローチを取っています。
様々なユースケースをサポートする新たなツールを用意し、開発者が移行するための時間を用意しました。
またTracking Protection
の導入にあたり、サードパーティCookieなしで対応できているかを開発者が確認できるように、まずは少数のChromeユーザから開始します。
What to expect from Tracking Protection
トラッキング防止の対象者はランダムに選択されます。
選ばれた場合は、デスクトップアプリもしくはAndroidでChromeを起動した際に通知が届きます。
それだけで準備は終わりです。
以降は、サードパーティCookieがデフォルトで禁止にされ、クロスサイトでユーザを追跡する様々な機能が制限されます。
サードパーティCookieがないと正常に動作しないサイトというものもわずかに存在します。
たとえばページのリロードが続くなど、そのようなサイトをChromeが検出した場合は、アドレスバー右側の目のアイコンからサードパーティCookieを一時的に有効にするオプションが表示されます。
我々はWebのプライバシーを高める取り組みを行いながら、同時にオンラインで成功するためのツールを企業に提供します。
それにより、ニュース記事・動画・教育・コミュニティサイト・その他のWebサイトなど、様々な質の高いコンテンツに自由にアクセスできるようにしていきます。
トラッキング防止、プライバシーサンドボックスなど、Chromeが提供する様々な機能により、我々はこれまで以上にプライベートで、なおかつ誰もがアクセスできるWebの構築に引き続き取り組んでいきます。
今すぐサードパーティCookieを禁止する
設定が降ってくるのを律儀に待っているだけでは、今の予定では最大1年間そのままです。
もちろんさらに延長される可能性もあります。
というか絶対すると思ってる。
従って、待つのではなく今すぐ手動で禁止するべきです。
設定 → サードパーティCookie → サードパーティのCookieをブロックする、という手順で比較的簡単にサードパーティCookieを禁止することが可能です。
なお、画像はPC版ですが、Android版Chromeも同様にサードパーティCookieの拒否設定が可能です。
あとついでに『広告プライバシー』『サイトの設定』の項目も全て無効にしておくとなおよいです。
感想
サードパーティCookie禁止による問題はほとんどありません。
前はブラウザでTeamsにログインできないとかいう実害もあったのですが、こちらはいつのまにか修正されてログインできるようになっていました。
Microsoftにすら最近までバグが残っていたくらいなので、他のサイトでも問題が発生している可能性はありますが、対応していない方が悪いですし、何年かサードパーティCookie禁止で過ごしてきて特に問題になったことはないので、あったとしてもたいした問題ではないでしょう。
また、可能であればuBlock Originなどのセキュリティ向上ツールも導入しましょう。
セキュリティのより大きな向上とともに、さらに広告詐欺なども事前に防ぐことができます。
困るのはまともな対策をしないGoogleと存在が不要な広告業者だけなので、何一つ困ることはありません。