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OneNoteのメモをLLMでも再利用する:Markdownへ段階的に移行する考え方

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Last updated at Posted at 2026-08-11

はじめに

OneNoteに蓄積したメモをLLMへ渡したとき、内容は書いてあるはずなのに、意図した関係まで伝わらないことはないでしょうか。

OneNoteでは、文字、画像、手書きなどを同じページに配置できます。人がページ全体を見れば理解できる一方で、位置や大きさに持たせた意味は、テキストだけでは残りません。

この記事では、OneNoteのメモをLLMからも扱いやすくするために、Markdownへ段階的に移行する考え方を整理します。すべてを一度に変換するのではなく、再利用したい情報から移す方針を決めることがゴールです。

対象読者

  • OneNoteに仕事や学習のメモを蓄積している方
  • 保存したメモをLLMで検索、要約、再構成したい方
  • Markdownを使ったナレッジ管理を検討している方

問題はメモの内容ではなく、構造の伝わり方にある

OneNoteでは、ページ上の好きな場所に文字を書き、画像や手書きの情報と組み合わせられます。この自由さは、考えながら情報を置いていくときに便利です。

ただし、次のような意味を配置だけで表すと、テキストとして取り出したときに関係が欠けることがあります。

  • 画像の横にある文章が、その画像の説明である
  • 矢印で結んだ要素に、処理の順序や依存関係がある
  • 近くに置いた複数の要素が、一つのグループである
  • 文字の大きさや場所が、情報の重要度を表している

画像を扱えるLLMへページ全体を渡す方法もあります。しかし、読み取り結果は、画像の品質、ページの複雑さ、利用するモデルなどの条件に左右されます。大量のメモを継続して再利用するなら、関係を毎回推測させるのではなく、見出しや箇条書きとして構造を明示する方法も選択肢になります。

OneNoteが不向きなのではありません。人が自由に記録する用途と、LLMを含む別の仕組みが再利用する用途では、扱いやすい形式が異なるという話です。

Markdownにすると構造を文字で残せる

Markdownでは、見出し、箇条書き、表、コードブロック、リンクなどを記号で表現します。見た目の自由度はOneNoteほど高くありませんが、文書の構造がプレーンテキストに残ります。

例えば、作業手順を次のように整理できます。

# バックアップ手順

## 前提

- 対象: サンプル環境
- 実行前に空き容量を確認する

## 手順

1. 対象を確認する
2. バックアップを実行する
3. 出力ファイルを確認する

この例では、前提と手順の境界、項目の並列関係、実行順序が文字として残っています。LLMが常に正しく解釈する保証はありませんが、位置関係だけに意味を持たせる場合より、関係を入力データとして渡しやすくなります。

OneNoteとMarkdownの違い

今回の移行目的に絞ると、両者の違いは次のように整理できます。

観点 OneNote Markdown
記録のしやすさ 文字、画像、手書きなどを自由に配置できる 見出しや箇条書きなど、決めた構造に沿って書く
関係の表し方 位置、大きさ、図形でも表現できる 見出し、リスト、リンクなどを文字で表す
LLMへ渡すとき 配置や図の解釈が必要になる場合がある 文書構造をテキストとして渡せる
変更の確認 ノートとページを中心に管理する Gitを併用すれば行単位の差分を確認できる
得意な用途 自由なメモ、手書き、視覚的な整理 再利用する文書、手順、コードを含む資料

どちらか一方に統一する必要はありません。考え始めのメモはOneNoteに残し、繰り返し参照する内容だけをMarkdownへ移す運用もできます。

図は複雑さに応じて表現を選ぶ

図をすべて文章へ置き換えると、人にとっての読みやすさが下がる場合があります。そこで、図の複雑さに応じてMermaidとdraw.ioを使い分けます。

単純な流れや関係はMermaidで書く

Mermaidは、テキストの定義から図を生成します。処理の流れや要素同士の単純な関係であれば、図の元となる情報をMarkdown内に残せます。

Mermaidの表示可否や対応する記法は、Markdownを表示する環境によって異なります。利用先で表示できることを確認してから採用します。

複雑な構成はdraw.ioで作る

細かな配置が必要な構成図まで、無理にMermaidへ変換する必要はありません。その場合はdraw.ioで編集可能な元データを保存し、書き出した画像をMarkdownから参照します。

画像だけに意味を持たせず、次の内容を本文または代替テキストでも補足します。

  • 図の目的
  • 主な要素
  • 要素同士の関係
  • 図から読み取ってほしい結論

この補足は、LLMのためだけではありません。画像を表示できない環境や、図の前提を知らない読者にも役立ちます。

移行対象は再利用価値で決める

メモが多いほど、最初に移行対象を絞ることが重要です。古いページから順番に変換するより、今後使う可能性から判断します。

優先しやすいのは、次のようなメモです。

  • 繰り返し参照している作業手順
  • 複数のメモから何度も探し直している情報
  • 他の人へ説明する機会がある知識
  • 今後も更新する予定がある調査結果
  • 記事や手順書の材料にしたい記録

反対に、期限が切れた一時メモや、画像として保管すること自体に意味がある資料は、すぐに移さなくても構いません。

一つのメモから段階的に移行する

実際の移行は、次の流れで進めます。

1. 用途を一文で決める

「障害対応時に確認する手順」「新人へ共有する用語集」のように、誰が何のために使うメモかを決めます。用途が決まると、残す情報と見出しを判断しやすくなります。

2. 文字と添付物を分けて取り出す

本文、画像、ファイル、リンクを確認します。この段階では、元のOneNoteを削除せず、移行元として残します。

3. 配置が表していた意味を言葉にする

画像の横にある説明には見出しを付け、矢印には「参照する」「先に実行する」などの関係を書きます。見た目だけで伝えていた意味を、文章、箇条書き、表へ置き換えます。

4. 必要な図だけ作り直す

単純な流れはMermaid、複雑な図はdraw.ioを候補にします。図を残す場合も、要点を文章で説明します。

5. 人が元のメモと照合する

LLMで変換を補助した場合は、特に次の点を確認します。

  • 数値、固有名詞、URLが元のメモと一致しているか
  • 画像や図の関係を取り違えていないか
  • 元のメモにない説明を事実として追加していないか
  • APIキー、メールアドレス、社内URLなどが含まれていないか
  • Markdownを表示したときに見出し、表、コードブロックが崩れていないか

変換後のMarkdownは完成品ではなく、確認対象の初稿として扱います。

Markdownにも向かない場面がある

Markdownに移せば、すべてのメモが使いやすくなるわけではありません。

手書きで考えを広げたい場面や、ページ全体の位置関係を見ながら整理したい場面では、OneNoteのほうが使いやすいことがあります。また、複雑な図を文章だけで再現すると、作成にも読解にも時間がかかります。

そこで、次のような役割分担から始めます。

  • 考え始めの自由なメモはOneNoteに残す
  • 再利用する文章や手順はMarkdownへ移す
  • 単純なフローはMermaidで記述する
  • 複雑な図はdraw.ioの元データと表示用画像を残す
  • 図の結論は文章でも説明する

移行の目的は、すべてを文字にすることではありません。人とLLMの双方が再利用できる形に、必要な情報だけを整えることです。

まとめ

OneNoteの自由な配置は、人が考えを記録し、視覚的に理解する場面で役立ちます。一方、配置に持たせた意味は、別の仕組みで再利用するときに伝わりにくい場合があります。

Markdownへ移すと、見出し、順序、並列関係をテキストとして残せます。ただし、すべてを移す必要はありません。用途を決め、繰り返し使うメモから一つずつ移すのが現実的です。

まずは、今月二回以上開いたOneNoteのページを一つ選び、「誰が、何のために使うか」を一文で書くところから始めてみてください。

参考資料

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