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はじめてのアドベントカレンダーAdvent Calendar 2023

Day 22

非エンジニアが 2 年連続で Google Cloud 認定の Trainer of the Year と Partner Top Engineer に選ばれたワケ

Last updated at Posted at 2023-12-21

みなさん、こんにちは! エモーショナルエバンジェリストのラリオスです。
今日はラリスマス(誕生日)なので、生まれて初めてアドベントカレンダーを書いてみました。
それではどうぞ!

※ ブログ内の画像はすべて、Google Cloud の画像生成モデル Imagen2 で生成しました!

僕は非エンジニアです。エンジニアリングの経験はひとつもありません。にも関わらずエンジニア向けの Google Cloud 認定トレーニングを担当したり、Google Cloud の Partner Top Engineer に 2 年連続で選出されたりしています。それはなぜなのか。自分なりに紐解いてみようと思います。

目次

1. Google Cloud との出会い

2. 人生に無駄はない

3. 挫折からの転機

4. エバンジェリスト活動と Google Cloud 認定トレーニング

5. 非エンジニアが 2 年連続で Google Cloud 認定の Trainer of the Year と
 Partner Top Engineer に選ばれたワケ

6. まとめ

1. Google Cloud との出会い

まずはじめに、Google Cloud との出会いからお話したいと思います。

今から 11 年前の 2012 年、東日本大震災の復興もなかなか進まない中、僕はある日コイントスをしました。転職をするかしないかを決めるために。結果は「する」。

そこから 41 歳の転職活動が始まります。書類を送れども送れども選考は通りません。なぜなら年齢もあったと思いますが、未経験の IT 業界へのチャレンジだったからです。年齢プラス未経験というハンデを背負いながら書類を送った先は 120 社を超えていました。

そんな中、ようやく東証一部(現東証プライム)上場の IT 企業に採用されました。業務内容は Google Apps(現 Google Workspace)の営業です。しかし、やっとの思いで入社したその会社を、なんとたった 3 ヶ月で辞めてしまいます。その後は職場を転々とし、一時は年収が 200 万円台になったこともありました。

そして 7 年前の 2016 年。IT 業界だったら何でもいいと応募をし続けた結果、Google Cloud (当時は Google Cloud Platform / GCP)を専業にしている会社の営業職で面接が決まりました。当時は周りのエンジニアに「GCP って何?」と聞いても誰も知らない状況でした。それでも「まあ Google 関連の仕事ならそんなに悪いものではないだろう」と面接を受け、営業マネージャーとして採用されました。

コイントス

2. 人生に無駄はない

Google Cloud どころか、IT 業界未経験の僕は四苦八苦しながら営業したり、セミナーに登壇したりしていました。そんなある日、ふと僕の面接を担当してくれた方に、「なぜ僕を採用したんですか」と聞いてみました。すると「たくさん営業希望の人と面接したけど、たった 3 ヶ月とはいえ Google 関連の営業経験があった人はラリオスだけだったんだよね」という回答でした。その時僕は「ああ、人生に無駄はないんだな」と感じました。

ところが、その会社とは考えが合わず、1 年で転職をします。しかも、競合の会社に。ではなぜ競合の会社を選んだのかについても少しだけ触れておきましょう。

その会社は競合とはいえ、Google Cloud を啓蒙していこうという点においては、元の会社とは志が同じだったので、イベントなどでは共同出展をしていました。だから、競合ではあるもののどんな会社か雰囲気はわかっていたし、同じ志を持つということで好意を抱いていました。そんな中、両社による飲み会がありました。飲み会のルールはメンバーでくじ引きをしてチームを決め、それぞれのチームごとに選んだお店をハシゴしていき、最後は全員同じ店で飲むというものです。

その時同じチームになったのは、今勤めている会社のグループ会社の副社長(当時は部長?)でした。きっといい感じにお酒が入ったのでしょう。その副社長は「ラリオスさん、うちに来てくださいよ。うちにはラリオスさんみたいな人材が必要なんですよ」と繰り返していました。その時はお互い酔っていたということもあり話半分に聞いていましたが、その半年後、僕はその言葉を真に受けて転職を決意するのです。そして、2017 年の 10 月にクラウドエース株式会社に入社しました。その時僕は「ああ、人生に無駄はないんだな」と感じました。

乾杯

3. 挫折からの転機

クラウドエースでは最初の頃、Google Cloud 認定トレーニングの事業を担当していました。クラスのスケジューリングや会場の設営をしたり、ときには営業に行くこともありました。そうこうしているうちに事業の責任者となり、初年度の 2018 年は力不足で未達、2 年目は時の運で達成、3 年目は Covid-19 の影響もあったとはいえ、力不足により未達。事業責任者としての資質がないことを思い知りました。

そして、一時は責任を感じて転職を考えるようになっていました。そうした中、実は 2019 年に事業責任者とエバンジェリストという二足のわらじを履くようになっていました。また、2019 年の終わり頃には、Google Cloud 認定トレーナーに合格します。不測の事態に備えて、自分も教えられるようになっておこうというのがきっかけでした。

僕は人前に出るのが大好きで、少しだけ上手にプレゼンをすることができました。そうした資質を見抜いた会社から「エバンジェリストやってみたら?」という声がかかります。当時はまだエバンジェリストという役割はレアだったので、「それっていいな。やってみよう!」と少しずつ活動を開始します。

ただ僕は最初にお伝えした通りエンジニアリングの経験がありません。だから、「テクニカルエバンジェリスト」を名乗るのは申し訳ないという気持ちと、話を聞いてくださるみなさんのハートに訴えるようなエモいエバンジェリストになりたいという思いで、「エモーショナルエバンジェリスト」を名乗るようになりました。

Evangelisst

そうして活動を続けているうちに Google Cloud 認定トレーナーにもなりたいなと思い始めました。セミナーなどには登壇していたものの、やはり Google Cloud に認定されているトレーナーは憧れの的でした。そしてふと自分の夢を思い出すのです。「そういえば。僕の夢は国語の先生だったな」と。でも、何度もお伝えしているように、僕にはエンジニアリングの経験はありません。「もし、難しい質問をされたらどうしよう」「会社の名前に傷をつけたらどうしよう」という思いが頭をよぎります。

そんなときある人から「心配だったら誰かにサポートで入ってもらうとか、気にせず詳しい人に聞けばいいんだよ」というアドバイスをもらい一念発起。そして、2019 年 12 月 20 日。晴れて Google Cloud 認定トレーナーに合格します。かつての夢を叶えた瞬間でした。このとき僕は「とにかくやってみること。そうすれば道は拓けるんだ」と思いました。

道は拓ける

このように順調に見える僕でしたが、先ほどお伝えした通り、翌年の 2020 年は Covid-19 の影響もあり事業の目標は未達。僕は責任を感じて転職を考えるようになりました。そんなとき、転機は訪れるのです。会社から「エバンジェリストと Google Cloud 認定トレーナー専門でやってみないか」と。

4. エバンジェリスト活動と Google Cloud 認定トレーニング

それではここからは、実際のエバンジェリスト活動と Google Cloud 認定トレーニングについてご紹介しましょう。
エバンジェリスト活動の目的はより多くの方に Google Cloud を知ってもらうことなので、活動のメインは「YouTube の配信」「セミナー登壇」「ソーシャルメディアでの発信」などが挙げられます。

「YouTube の配信」は月に 4 〜 6 本程度で、これから Google Cloud を学ぼうとする方を対象に、各プロダクトの概要や最新情報を 5 分ほどにまとめて配信しています。再生数はそれほど多くありませんが、定期的にチェックをして視聴してくださる方が多い印象です。最近はリアルイベントで、「YouTube のラリオスさんですよね?」と声をかけられることも多くなりました。

しかも、名の知れた大企業の方から「YouTube のラリオスさんにお話を聞きたいです」とご指名で商談になることもあります。また、Googler の視聴も多く、Google の本社を訪れると「入社前に勉強のために見てました」と声をかけていただくことも多いです。さらに社内でも新入社員にまずは YouTube を見てもらっていますので、エバンジェリストの役割でもある「社内外への教育・啓蒙」に役立つツールのひとつになっています。是非、チャンネル登録をお願いいたします。

YouTube

「セミナー登壇」は、自社主催のものから他社主催のイベントまで幅広く実施しています。自社主催のものは「Google Cloud 入門セミナー」や、最近注目されている生成AI に関するセミナーなどを初心者向けに実施しています。他社主催のものは「マイナビ」さん「日経BP」さんのイベントで登壇することが多いです。来年(2024 年)の 1 月 12 日には、「丸紅I-DIGIOホールディングス」さん主催のイベントで「LLM インテグレーション」をテーマに登壇するので、もしよかったらご参加ください。

クラウドエース主催のセミナーを見てみる

「ソーシャルメディアでの発信」は、X(@emoiralios) を利用しており、フォロワー数も少なく細々と発信しているのですが、Google Cloud の最新情報や無料イベントのお知らせを呟いています。時々、個人的なことも呟いていますので、是非フォローをお願いいたします。

続いて「Google Cloud 認定トレーニング」についてお話します。Google Cloud 認定トレーニングは、その名の通り、Google に認定されている Google 公式のトレーニングです。したがって、Google が作成したカリキュラムを、Google が作成した資料で、Google が提供するラボを使って、Google に認定されたパートナー企業に所属かつ、Google に認定されたトレーナーが提供します。

もちろん、それにどうアレンジを加えるかはトレーナーの腕次第です。オリジナルの追加資料を作成したり、クイズアプリを使って理解度チェックを盛り上げたりとトレーナーの個性が出る部分です。そして、トレーニングの実施ごとに満足度(CSAT)アンケートがあり、その評価の結果、実施回数、受講者数、実施コースなどを加味して、トレーナーの評価が決まります。これらの年間の総合評価によって Traner of the Year も選出されます。

僕はどちらかというと初級から中級のコースを担当することが多いのですが、その分開講数が多いので誰よりも多くの講義を実施しています。また、新規のトレーニングが公開された際には誰よりも早く手を上げて一番に講義を実施することを心がけています。最近では Google Cloud の生成AI トレーニングを日本で最も早く実施したことによって、来年の 3 月までラリオス指名の予定が埋まっています。

トレーニング

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5. 非エンジニアが 2 年連続で Google Cloud 認定の Trainer of the Year と Partner Top Engineer に選ばれたワケ

ではなぜ、僕が 2 年連続で Google Cloud 認定の Trainer of the Year と Partner Top Engineer に選ばれたのでしょうか。それは自分が非エンジニアであることを恐れなかったからです。というのは嘘で、本当はこの 3 年間恐怖の連続でした。

「難しい質問をされたらどうしよう」「つよつよエンジニアにやり込められたらどうしよう」そんなことばかりを考えていました。でも、実際は違いました。もちろん難しい質問はありましたが、それは他のトレーナーに助けてもらいましたし、やり込めてやろうなどというエンジニアはおらず、真摯に学ぼうという方ばかりで、知っていることでも改めて学ぶ機会だと思って話を聞いてくださる方ばかりでした。

そうした優しい人たちの支えのある中で僕が心がけてきたのは、「専門用語の置き換え」と「ペース」「置き去りにしないこと」です。

僕が担当するコースにはエンジニアの方も参加する一方で、これからクラウドや Google Cloud を学ぼうという方がたくさんいらっしゃいます。だから、「これはわかるだろう」という思い込みはせず、ひとつずつ丁寧に用語を解説します。(講義の直前にアンケートを取って、どんな属性の参加者が多いかを把握して、参加者のレベルに合わせて調整しています)

極端な例を挙げると「デプロイ」があります。「デプロイ」はエンジニアであれば馴染みのある言葉かもしれませんが、初心者の方にとっては「?」になっていることも多いのです。だから僕は「デプロイというのは、(アプリケーションなどを)ちゃんと使える状態にすること」という置き換えをします。

僕が非エンジニアであるからこそ、初めて学ぶ方の気持ちがわかるというのが、ひとつの強みになっていると言えるかもしれません。

つづいて「ペース」は、「ゆっくり話す」程度のことですが、ひとつの塊ごとに「間を置く」ようにしています。自分の話したことがちゃんと伝わってるかな「うん(今の伝え方でいいよな)」という感じです。ここでは「ペース」と言っていますが、ちゃんと自分が自分で理解できる言葉で伝えているかということを確認していると言ったほうがいいかもしれませんね。

そして、「置き去りにしないこと」。最近は特にオンラインでの講義が増えたので、相手の顔が見えません。だからしつこいくらいに「大丈夫ですか?」「早くないですか?」「困ったことがあれば遠慮なく声をかけてくださいね」と言っています。講義を進めていると「あれ?さっき伝えたはずなんだけどな?」ということを、あとあとになって質問されることが意外と多いです。もちろん受講生の方が、画面の向こうで別の作業をしちゃってたりすることもあるのかもしれませんが、できる限りそうならないようにしつこく確認するようにしています。

おそらくですが、こうした心がけが「丁寧でわかりやすかった」「初心者でもわかるように解説してくれてよかった」「聞き取りやすかった」というアンケート結果に繋がっているのかなと思います。

おかげさまで僕の CSAT は 5 段階評価の平均で 4.6 〜 4.7 です。海外に比べて日本は 3 〜 4 の低い評価を付ける傾向にあります。そんな中 4 〜 5 の評価が付いているということなので、自信を持ってもいいのかなと思っています。

そしてこうした CSAT の結果と講義の実施数、受講者数などが評価されて、2 年連続で Trainer of the Year を獲得できたんじゃないかなと思います。

さて、ではなぜエンジニアではない僕が Google Cloud Partner Top Engineer に選ばれたのでしょうか。これは本当に難しい問題なのですが、おそらく僕はエンジニアではないものの、未来の Google Cloud エンジニアを育てる活動をしているからではないかなと思っています。

Google Cloud 認定トレーナーとしての活動や、エバンジェリストとして YouTube の配信を続けていることが評価のポイントになったのだと思います。特に、Google Cloud を日本語で解説している YouTube のコンテンツは Google 公式チャンネルでも少ないので、定期的に Google Cloud を日本語で解説している僕の YouTube が評価されたのかなと思います。

エンジニアは「技術者」という意味ですが、僕はエンジニアを育てる技術を持っているので、広い意味で「エンジニアを育てるエンジニア(技術者)」ということかもしれません。

授賞式

6. まとめ

1.人生に無駄はない
その時は気が付かなくても、経験したことはどこかで役に立つかもしれません。

2.とにかくやってみること
チャンスが訪れたらとにかくやってみると、道が拓けるかもしれません。

3.弱点が強みになることもある
エンジニアではないからこそ、初心者の気持ちがわかります。

4.継続すること
フォロワー数や再生数が少なくても、誰かがどこかで評価してくれるかもしれません。

と、なんだかんだ書いてきましたが、これは僕の力ではありません。挫けそうになっていた僕にチャンスを与えてくれた会社のおかげです。年齢や経験に関係なく、適性を見てポジションを与えてくれる。そんな会社、素敵だと思いませんか? もし、一緒に働いてみたいなと思ったら気軽に声をかけてくださいね。

リクルート

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そして、僕の講義を受けてくださった 3,000 名を超える受講生のみなさん、ありがとうございます。また、YouTube をご視聴いただいているみなさん、ありがとうございます。みなさんが高い評価を付けてくださったり、いつも視聴してくださるおかげで、2 年連続で受賞することができました。

最後に、こんな長文を全て読んでくださったみなさん、ありがとうございます。どうか仲良くしてくださいね! X(@emoiralios) のフォローお待ちしております!
Merry Ralistmas!(メリーラリスマス!)

2023 年 12 月 22 日
クラウドエース株式会社
エモーショナルエバンジェリスト兼 Google Cloud 認定トレーナー
ラリオス 川口

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