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Alibaba CloudのFile Storage NASの特徴と使い方

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クラウドサービスのAlibaba Cloudには、File Storage NASというファイルストレージサービスがあります。このサービスは、高速で安価なストレージを提供するため、多くの企業や開発者に支持されています。AWSやAzureなどを利用している方でも、この記事を読むことで、Alibaba CloudのFile Storage NASがどのような特徴を持ち、どのように使えるのかを理解することができます。本記事では、Alibaba CloudのFile Storage NASの魅力や使い方について詳しく解説します。

File Storage NASとは

Alibaba Cloudが提供する、高い可用性とスケーラビリティを備えたファイルストレージサービスです。ファイルアクセスプロトコルとして、NFSおよびSMBをサポートしており、オンプレミスのシステムとも連携可能です。本記事ではオンプレミスとの連携は記載しておりませんが、他にもECSやHPC、Container Service などとも連携ができます。

特徴・魅力

まず、コストパフォーマンスが高いことが挙げられます。日本での費用の目安は以下の画像のとおりで、中小企業でも使いやすい価格になっています。また、使用している容量に対する従量課金制であるため、使った分しか請求されないこともポイントです。

次に拡張性が高いことが挙げられます。

1ファイルシステムあたり最大で10PBまで拡張できます。表現を変えると10000TBなので、膨大なデータが拡張できることがわかるでしょう。

次に可用性です。ソフト、ハードのどちらの障害にも強くデータが損失する可能性が限りなく低いです。

また、Alibaba Cloudの分散ストレージ技術によって、アップロード、ダウンロード速度が高速で、大容量の転送もスムーズです。

利用シーン

オンプレミスでファイルサーバーを運用している場合には、File Storage NASに置き換えると、サーバーのコスト削減と運用負担の軽減につながります。また、他のクラウドサービスやオンプレミスシステムのバックアップストレージとしての活用方法もあります。AWSやAzureで障害が発生したような場合でも、保管しておくことができます。

なお、ビッグデータの解析にも役立てられます。大量のデータを格納できるため、効率的に管理して解析処理を行えます。

利用事例

引用:株式会社Preferred Networks

株式会社Preferred Networksは東京都千代田区にある深層学習技術をはじめとした機械学習やロボティクスなどの先端技術の開発会社です。2022年4月26日、AIによるキャラクター自動生成プラットフォーム『Crypko』(クリプコ)をリリースしました。その際には開発環境のほとんどをAlibaba Cloudのサービスを利用して構築されました。

『Crypko』は、顔および上半身のイラストが自動生成・編集できるキャラクター生成プラットフォームで、イラストの技術がない人でも作成できるようにするために、深層学習技術が活用されています。『Crypko』を開発する際の課題はGPUを利用したサービス環境をどのように開発するかでした。

コストパフォーマンスと手厚い開発・運用サポートが決め手となってAlibaba Cloudを選択しました。Alibaba Cloud Elastic GPU Serviceを活用し、GPU共有技術によるGPU利用率の向上とコスト削減を目指した結果、GPU利用率を最大4倍に向上させることに成功しました。

使い方

File Storage NASは基本ストレージサービスの中にあります。

選択すると次の画面になります。

ページをスクロールすると、

使用プロセスも記載されていますが、有効化した後のプロセスなので、まずは有効化します。

ページの一番上にある「オープンすぐに」を押します。

画面が切り替わるので、利用規約をチェックして有効化します。

すると、自動的にコンソールのトップ画面が開くので、再度「File Storage NAS」を開きます。

この画面が開ければ、有効化は完了です。有効化できていないと最初の画面が自動的に開きます。

次にSMBを使ったWindowsとのファイルアクセス設定をしていきます。

NFS/SMBを使ったファイルアクセスの設定方法

ページ下部にある「汎用NASの作成」を選択します。

ECSなどと同じようにリージョンなどを選ぶ画面に遷移します。

プロトコルタイプはSMBを選びます。LinuxやVMwareにマウントする場合はNFSを選択してください。

ちなみに、ストレージタイプにはパフォーマンスによって違いがあります。

シビアな入出力を行うような場合はパフォーマンスタイプで、大容量の書き込みが多く、保存し続ける必要がある業務の場合は容量タイプを選択すると良いかと思います。

VPCはマウントするECSのマシンがある場所を選びます。

確認画面が表示されます。

問題なければ、利用規約にチェックを入れて有効化します。

NASファイルシステムのトップページを見ると、汎用NASが1つ作成されていることがわかります。

リージョン名をクリックするとそのリージョンに作成しているNASの一覧に画面が変わります。

ちなみに、左メニューのファイルシステムリストから表示しようとすると自動的に「中国(杭州)」のリストが表示されることがあるので、日本のリストを見るときは今回の手順をおすすめします。

ファイルシステム名をクリックします。概要が表示されるので、「マウント使用」を選びます。

マウントする際のコマンドが表示されます。

Windowsにマウントする際には以下のページにある、事前準備が必要になります。

Mount an SMB file system on Windows

https://www.alibabacloud.com/help/ja/nas/latest/mount-an-smb-file-system-on-windows

以下のコマンドをコマンドプロンプトで実行します。

REG ADD HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services\LanmanWorkstation\Parameters /f /v AllowInsecureGuestAuth /t REG_DWORD /d 1

次にWorkstationサービスを確認します。

起動していて、自動起動になっていることを確認します。

次にネットワーク設定を確認します。

ネットワークアダプタのIPv4設定を開き、詳細設定の中のWINSタブ、 Enable NetBIOS over TCP/IPを選んで確定します。

サービスを開き、「TCP/IP NetBIOS Helper service」が開始していることを確認します。

ここまでで事前準備は完了です。

次にマウントしていきます。

NASファイルシステムにあったコマンドをコマンドプロンプトで実行します。

コマンドは「net use Z: \\file-system-id.region.nas.aliyuncs.com\myshare」で、file-system-id、region部分がそれぞれ違います。

これでマウント完了です。

エクスプローラーから確認します。

しっかりマウントできています。

使い勝手もローカルのフォルダに書き込むのと遜色なく利用できました。

なお、NASファイルシステムはすでにできている状態で、新規にECSでマシンを作成するときは、作成画面にマウントするファイルシステムを選ぶ画面が出ます。

使ってみた感想

汎用NASの作成は簡単でした。特に迷うことなく有効にできて、マウントする際のコマンドまで準備されているところが便利でした。ただ、Windowsにマウントする際の個別手順は英語のページしかなく、見つけられないユーザーもいるのではないかと感じました。

それ以外は特に困ったこともなく、何度もサポートがフォローする旨のポップアップが出るので、わからないことが出てきたら聞きやすいです。

まとめ

Alibaba CloudのFile Storage NASは、高速で安価なファイルストレージサービスとして支持されています。この記事では、File Storage NASの特徴や使い方などについて解説しました。File Storage NASを使えば、簡単にファイルストレージを構築することができ、オンプレミスシステムとのファイル共有も可能です。また、ビッグデータ解析やバックアップなど、さまざまな用途にも活用できます。Alibaba CloudのFile Storage NASを利用して、より効率的なファイルストレージの運用を実現しましょう。

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