この記事の目的
この記事の目的はAI実装検定A級に1週間で合格するための勉強法を共有することです。
前提知識として高校数学の微分積分を理解している必要がありますが、そこさえ知っていれば1週間で合格可能です。
短い時間での資格取得を目指したものなので、お役に立てれば光栄です。
資格取得で得られる力
AI実装検定A級ではコーディング力、AI知識、数学知識が下記レベルで身につくと感じています。
- コーディング力
0から1は難しいが1から10のコーディングが可能。基本的なPythonの文法を理解し、調べながら機械学習モデル構築やアプリケーション開発を進める地力がある状態。 - AI知識
AIの裏側でどのような計算がされているのかの概要をつかめる。具体的にどのように使用されているかは不透明な状態。G検定へのステップアップが可能。 - 数学知識
大学初級レベルの基礎的な知識が身につく。
まとめると、AIエンジニア、AIコンサルタント、AIにかかわる営業職などが基礎的な知識を身に着け、対外にアピールする1歩目として有用な資格となっています。
資格取得難易度
AI実装検定A級は公式で下記のように説明されています。
ディープラーニングの理論を理解し、Pythonなどを使った実装の準備ができる人向け。理系の大学生や社会人が独学で次のステップ(たとえばE資格)へ進むための土台として用いられます
公式ではG検定の上位資格として位置づけられています。
G検定と同時期に受けた個人の感想としてはG検定の方が数段難しかったです。
本試験は数学、プログラミング、AIの3領域それぞれ20問、合計60問の試験で、7割以上で合格となります。
下記に示す参考書と問題を繰り返すことによって、1週間で正解率9割まで到達できることから、低~中難易度でありながら知識と実績を積める良資格だと考えています。
出題傾向としては、現場でどのように使用されている技術なのかの解説が1番上に書いてあり、そのあとに問題文、回答候補4つが並んでいます。
60問で60分の試験なので、解説は読まずに問題文と回答候補だけを見て問題を進めることをおすすめします。
使用教材
私が実践したものは、公式テキストとAI実装検定A級対策道場というサイトの2つです。
これらの繰り返しで範囲内の知識を身に着けることが可能です。
-
AI実装検定A級公式テキスト
このテキストはAI実装検定実行委員会が監修している公式テキストです。
誤字が多いのが欠点ですが、試験範囲を網羅しており、丁寧な例題と答え付き章末問題が各章ごとにあるため、この1冊だけでも試験合格が可能となっている参考書です。 -
AI実装検定A級 対策道場
こちらの記事はAI実装検定A級の模擬問題を90問掲載しているサイトで、実戦に即した問題演習を行うことが可能です。
90問からランダムに出題されるため、同じ問題にあたることも多いですが、確実に解ける問題を把握できるため繰り返し解くことをおすすめします。
学習計画
大まかには下記のような流れで資格取得が可能です。理系出身の方だとおおむね10時間程度、それ以外でも20時間程度で合格できるボリュームとなっています。
:::message
私が元低成績理系学生であり、10時間前後の勉強で9割取れていることから推定した勉強時間です。
連鎖率やlogの微分が解けることを前提に記載しています。
:::
日付 | 勉強内容 | 勉強時間 |
---|---|---|
1日目 | 公式テキスト AI領域 | 1~4h |
2日目 | 公式テキスト 数学領域 | 1.5~4h |
3日目 | 公式テキスト プログラミング領域 | 3~5h |
4日目 | 公式テキスト 総復習 | 1~3h |
5日目 | 対策道場 | 1~3h |
6日目 | 対策道場 | 1~3h |
7日目 | 試験本番 | 1h |
総勉強時間 | 8.5~20h |
公式テキストではAI領域で16章、数学領域で17章、プログラミング領域で29章あるため重く見えますが、1章1~4ページ前後と、1つ1つが軽いため、1領域を1周する負担は大きくありません。
そのため、上記のスケジュール通りに進めることはもちろん、土日に時間をとり、それぞれ5時間ずつ勉強するだけで試験内容を網羅することができるボリュームとなっています。
AIを駆使した勉強法
私は勉強するときAI(主にChatGPT)を駆使してキャッチアップをします。
AIを使用する目的は自分の仮説の正否を確かめ、理解を深めることによって再現性のある知識を得るためです。
主な使い方は下記の3通りです。
- 知らない知識を教えてもらう
「行列式とは」「range関数は引数の数が異なることがあるがなぜ」
など、初見の知識について問うことで、素早く正確な情報を知ることができます。 - 知識と知識の関連性を教えてもらう
「行列式と逆行列の関係は」「内積と行列積の違いは」「numpyとpandasの相違点は」
など、知識のつながりを理解し、体系的にキャッチアップすることができるため、忘れにくく使いやすい情報を得ることができます。 - 自分の仮説の正否を教えてもらう
「行列積はベクトルの縮小を表しているのか?」「pandasの裏側ではnumpyが動いているのか?」
など、知識を蓄えていく中で生まれた疑問をぶつけることによって、アウトプットによる記憶強化と、より深い知識を吸収することが可能です。
AIはハルシネーションなどの問題もありますが、今まで使用してきた感覚値で行くと,
一般的な数学用語、プログラミング用語で起こることはまれだと感じています。
また、上記のように1つの事象に対して何度も深堀をすると、正しい知識が出やすいと考えています。
逆に単純計算をさせようとすると誤った回答が出やすいです。
これは、ChatGPTをはじめとしたLLMはパターン予測モデルなため、内部において厳密な計算がされているのではなく、よくある答えのパターンを出力するからです。
画像を提示して「上記画像の行列式を解いて」とお願いしても、1桁の足し算掛け算を間違ったり、行列の数を誤って認識したりします。
行列計算をするサイトなどもあるので、AIには検算をさせないことをおすすめします。
試験当日
持ち物は免許証などの身分証明書だけで問題ありません。
計算用紙、ボールペンは試験会場で配布されます。計算問題が多く、1枚の計算用紙裏表を使い切る方もいらっしゃいますが、試験管にお願いすれば追加で配布していただけます。
制限時間は60分で、1問1分ペースで進める必要があります。計算問題でつまずくと時間が無くなりやすく焦ります。
ですが知識を問う問題も4~5割ほど出題されるため、難しい問題を飛ばして全体の回答を優先し、余った時間で解くことをおすすめします。
計算問題も同じ形式の問題が数字を変えて複数問出されることが多いため、上記の演習を進めれば問題なく対応可能です。
参考書ではあまり扱っていませんが3×3行列の逆行列を解く問題が出題されることがあります。対策をすれば公式通りに解ける問題なので事前に確認することをおすすめします。
まとめ
AI実装検定A級は、これからAI領域に進みたい方にとっては大きな1歩となる資格です。
この資格を足掛かりに、G検定やE資格などのAI領域資格、統計検定などの数学領域資格、Pythonエンジニア認定資格などのプログラミング領域資格などを狙えるものになっているので、取得目指して頑張っていきましょう。