C# で Excel ワークシートをコピーする方法

日常の .NET 開発において、Excel ファイルの操作は頻繁に発生します。例えばデータの読み込み、書き込み、修正、またはワークシートのコピーなどが挙げられます。Free Spire.XLS for .NET は機能豊富な無料クラスライブラリで、ワークシートのコピーを含む多様な Excel 操作をサポートしています。本稿では、このライブラリを活用して「同一ワークブック内」または「異なるワークブック間」でワークシートをコピーする具体的な方法を詳しく解説します。

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1. 環境準備

NuGet を通じて Free Spire.XLS をインストールします。

Install-Package FreeSpire.XLS

✅ 注意: 無料版にはページ数の上限が設定されているため、個人利用や小規模プロジェクトに適しています。

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2. コア機能

Free Spire.XLS は Worksheet.CopyFrom() メソッドを提供しており、以下の2種類のワークシートコピーを簡便に実現できます。

• 同一ワークブック内でのコピー
• 異なるワークブック間でのコピー

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3. サンプルコード

3.1 同一ワークブック内でワークシートをコピー

using Spire.Xls;

namespace CopyExcelWorksheet
{
    class Program
    {
        static void Main(string[] args)
        {
            // Excel ファイルを読み込み
            Workbook workbook = new Workbook();
            workbook.LoadFromFile("Sample.xlsx");

            // 同一ワークブック内に新しいワークシートを追加
            workbook.Worksheets.Add("Sheet1_Copy");
         
            // 指定したワークシートの内容を新しいワークシートにコピー
            workbook.Worksheets[1].CopyFrom(workbook.Worksheets[0]);
          
            // 結果ファイルを保存
            workbook.SaveToFile("ワークシート複製.xlsx", ExcelVersion.Version2016);
        }
    }
}

✅ メリット：ファイル名の変更は不要で、元のワークシートの書式とデータがそのまま保持されます。

3.2 異なるワークブック間でワークシートをコピー

using Spire.Xls;

namespace CopyExcelWorksheet
{
    class Program
    {
        static void Main(string[] args)
        {
            // ソース Excel ファイルを読み込み
            Workbook srcWorkbook = new Workbook();
            srcWorkbook.LoadFromFile("Sample.xlsx");
            // ソースワークブックから1番目のワークシートを取得
            Worksheet srcSheet = srcWorkbook.Worksheets[0];
            
            // ターゲット Excel ファイルを読み込み
            Workbook targetWorkbook = new Workbook();
            targetWorkbook.LoadFromFile("New.xlsx");
            // ターゲットワークブック内に新しいワークシートを追加
            Worksheet targetSheet = targetWorkbook.Worksheets.Add("テンプレート");
            
            // ソースワークシートの内容をターゲットワークシートにコピー
            targetSheet.CopyFrom(srcSheet);
            
            // ターゲットファイルを保存
            targetWorkbook.SaveToFile("異ファイル間複製.xlsx", FileFormat.Version2013);
        }
    }
}

💡 適用シーン：ワークブックAのテンプレートをワークブックBにコピーし、迅速に新しいExcelファイルを生成するケースに最適です。

バッチ処理例：複数のワークシートを一括コピー

string[] sheetNames = { "Sheet1", "Sheet2", "Sheet3" };
foreach (string name in sheetNames)
{
    Worksheet srcSheet = workbook.Worksheets[name];
    Worksheet newSheet = workbook.Worksheets.Add($"Copy_{name}");
    newSheet.CopyFrom(srcSheet);
}

🚀 効率向上ポイント：一括処理で複数のワークシートを同時にコピーでき、重複するコードを大幅に削減できます。

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4. ベストプラクティスの推奨

• 書式とスタイルの保持: CopyFrom() メソッドは、フォント、罫線、セルの背景色などのスタイル情報を自動的に保持するため、手動で調整する手間が省けます。
• メモリリークの防止: Excel 操作が完了した後は、必ず workbook.Close() メソッドを呼び出すか、using 文などを活用してリソースを適切に解放してください。
• エラーハンドリングの強化: ファイル読み込み・保存などの重要な処理は、try-catch ブロックで囲み、ファイル不存在やアクセス権限エラーなどに対応すると安定性が向上します。

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オフィス自動化が急速に進む現在、ワークシートのコピーは単なる基本操作ではなく、開発効率を引き上げるコアスキルの一つです。本稿で紹介した無料 .NET Excel ライブラリを使用すると、開発者は C# 環境で Office をインストールすることなく、ファイル間・ワークシート間の高效なコピーを実現できます。コードが簡潔であり、動作も安定しているため、業務系システムの開発にも安心して活用できます。

リソース: